意外な間取りの盲点 〜ベビーゲートを付ける〜

建てて見て、住んでみてから気が付く間取りの「こうすれば良かった」。結構出てくるものです。家は3回建てないと駄目だというのは、そういう意味も含んでいるのでしょう。ここでは、そんな間取りの盲点の中から、「こんなことも考えておかなければ駄目な(考えておいた方が良い)のか」という意外なものを少しずつ取り上げていきたいと思います。まずは「ベビーゲート」を付ける時に気が付いたことについてご紹介します。

ベビーゲートって?
ゲートの宣伝写真「ベビーゲート」とは、室内用のゲートで、画像(通販サイトから引用したものです。我が家ではありません。)に示したような、赤ちゃんがちょろちょろ出歩いて出て行ったり入り込んだりしないようにする為のものです。我が家には建てている時には子供がおりませんでしたが、入居後に子供が産まれ、成長してハイハイでどんどん移動するようになってから、ベビーゲートを取り付けていくことになりました。「赤ちゃんゲート」「ベビーフェンス」とも言われます。

ベビーゲートを付ける場所
子供が入り込んで危ないのは「キッチン」「お風呂場」「玄関」「階段」が主だと思われます。その中で室内ドアで仕切られている場所は、更にゲートを付けるのは開けるのも閉めるのも面倒なのでやられないと思います。ハイハイのうちはドアを開けられませんしね。我が家の息子はとっくにドアを自分で開けますが、どうしてもドアの場所でストップさせたいのであれば、ドアに後付けで鍵を付けるのが簡単でしょう。我が家では、部屋の出入り口(ドアのある所)ではなく、廊下(ホール)から玄関、階段、とLDKのDとKの間、にベビーゲートを付けることにしました。

突っ張り式ゲート
新築の家ですし、穴を開けたくないという事もあり、キッチンと玄関と階段の昇り口には、突っ張り式のゲートを取り付けることにしました。さぁ、そこで気がつく驚きの事実その1。

「突っ張る場所が無い」

最近のお宅では、台所が部屋として独立している間取りは少ないと思います。また、背面式の場合にはどこからがキッチンだか分からなかったり・・・。対面式の場合には空間は確かに分かれているのですが、キッチンカウンターの横にどれだけの仕切りがあるかによって、ゲートの付け易さが変わってきます。突っ張り式なので、取り付け場所に柱がある必要はありませんが、かなりの力で締め付けないとグラグラするので、石膏ボードの下に何も下地が無いような場所に付けるのには抵抗があります。
玄関間取りNG例玄関や階段もそうです。ゲートを付けるための突っ張りシロが殆ど無い事に気が付きました。我が家は階段の入口は1階床と同じ高さで1段の踏面分だけ奥まっているので、手すりの柱と壁の間に突っ張ることが出来ましたが、1段目が階段入口と同じ面の(入口ですぐに立ち上がっている)場合には、1段上がったところにしかゲートを付けられない、ということになります。また、玄関は、マンションの間取りのように、廊下の先に同じ幅で玄関がある場合は良いのですが、図のような廊下にくっついた玄関ホールでは、ゲートを付ける壁がありません。

無事取り付け場所が確保出来たところで、一戸建てでは玄関ホールの幅が1間以上あることも多いでしょう。その場合に探してみて気が付く驚きの事実その2。

「そんな幅の広いベビーゲートは(あまり)無い」

あまり幅が広いと、跨ぐタイプのベビーゲートしか選択肢が無くなって来ます。我が家は背丈の問題で跨ぐ方式のゲートは避けたかったので、扉式のゲートを探していたのですが、幅が広いベビーゲートは選択肢が殆どありませんでした。

【我が家の事例】
そんな驚きの事実を前に、我が家では結局どうなったのかを画像を交えて紹介したいと思います。

我が家はセミオープンキッチンというスタイルなので、カウンターと間仕切壁の間で、かつ張り出しているカウンター天板と干渉しない高さのベビーゲートを見つけ出す必要がありました。
キッチンへのゲート画像を載せましたが、結構探した結果、なんともベストマッチなゲートを発見する事が出来ました。「アイリスオーヤマ」の「木製ベビーゲート・スリム」という商品ですが、色といい、大きさといい、まさに我が家の為にあるような、最初から設計されていたような物でした。オートクローズ機能とかは無い、単純なロックが付いた扉ですが、子供が大きくなってもこのまま付けて置こうか、って感じです(^_^;)。

最初に付けたキッチンのベビーゲートが気に入ったので、少し高さは低いですが、他の場所もこのベビーゲートで統一してしまおうかとも思ったのですが、玄関の部分には幅が足りません。選択肢が殆ど無かった為、「日本育児」の「オートマチックゲートII」を使うことにしました。
玄関側から 玄関へのゲート 我が家の場合、玄関には両側壁の突っ張り箇所が無かったので、片方はシューズボックスの扉を1つ潰して突っ張っています。また、出入り口が狭くなってしまって靴を履くのが大変そうだったので、靴を履くための台を上がり框を延長するようにくっ付けて置いてあります。同じく廊下からのゲートとなる階段の昇り口には、見た目を統一する為に同じ物を取り付けました。
階段昇り口

固定(ネジ留め)式ゲート
階段の降り口には、危険なのでベビーゲートをネジで留めるように指定されています。突っ張り式では強い力で押した時に倒れる恐れがあるという事のようです。ということで、階段の降り口には、突っ張り式ゲートの時にあった突っ張る場所の確保に加えて、

「ネジ留め出来る下地が入って無い」

という意外な驚きの事実に気が付くことになります。部屋と違って、廊下は壁に釘を打てるように、とかはあまり意識していない場合が多いと思います。丁度柱があれば良いのですが、階段の降り口の両側同じ位置に柱がある、というのは単なる偶然でしか起こり得ない事だったりします。片側が壁面である間取りの場合、もし両側に柱があったら、これは凄くラッキーでしょう。我が家は有りませんでした。orz

【我が家の事例】
そんな我が家では、階段の降り口に、柱を片側には確保出来ていた為、片側だけは裏技を使うことになりました。
それはホームセンターで購入した「スピード・ミニ」という業務用下地材です。石膏ボードに穴を開けて、穴からスポンジを入れて、スポンジごと樹脂で固めてしまって下地の代わりとする優れものです。35kgの重さ、振動にも大丈夫だという宣伝文句です。どの位効果があるかは分かりませんが、今のところしっかり付いています。また、偶然にも、ハウスメーカーの標準仕様として、少し広めの厚板が階段手すりの下地として入っていた為、片側全てこの下地材、という事にはならなかったのも幸いでした。

階段降り口取り付けたのは「リッチェル」の「スヌーピーベビーゲート階段用」です。これは下にキャスターが付いていて、扉全体が開く形になります。床面に出っ張りが無いので、つまずく事も無く、使い勝手は良い感じです。「なんなら階段昇り口もこれでも良かった」という話も聞かれるくらいです。

いろいろと書いて来ましたが、結局のところ、ベビーゲートを付けるつもりで間取りを考えていなかったので、後でいろいろ大変だった、という事になります。

でも、正直、実際問題としては、家を建てている時にはそこまで頭が回らないと思います。また、ベビーゲートを使うのも一人の子供に対して長くて数年という短い期間です。「ベビーゲートを付けない」という選択肢だってあります。でも、付けられるに越したことは無いとも思うのです。間取りは無理でも、壁の下地材は全ての出入り口周辺にあると何かと便利かもしれません。「こんなこともあるんだぁ」という事で、これから家を建てる方の、何らかの参考になれば幸いです。

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