もう一点が「耐震等級」で、構造躯体の倒壊防止、損傷防止、共に仕様では等級3の最高等級のところが等級2になっていました。こちらは法改正は関係無さそうです。ただしこれに関しては注意書きが書いてありました。それは「間取りプラン・評価機関等により等級が異なる場合があります」と言うもので、必ずしも最高等級が取れなくても良いような微妙な表現です(^^;;)。
ここで等級1は公庫基準でもある建築基準法施行令第88条第3項に定められた極めて希な地震に耐えうるもので、等級2はその1.25倍の強さ、等級3は1.5倍の強さに相当します。
我が家の間取りで壁量を調べてみると、令第46条に定められた必要壁量を1とした時の壁量は 1階は 1.95〜2.05, 2階は 3.02〜3.19で、1.5倍以上の壁量があります。これだけなら十分等級3が頂ける感じです。しかし貰えていない。それは何故か?
その答えは水平力に対する耐力壁の算定にありました。我が家の構造計算書ではここではしっかり等級2設定で判定が行われ、基準となる係数1.0以下を余裕で達成(1階X方向0.893, Y方向0.895、2階は0.6以下でかなり余裕)しています。仮に等級3に設定をして計算をしてみると、1階のX方向 1.03, Y方向 1.032で、ギリギリですが残念ながらクリア出来ていません。
この係数は、水平力に設定耐力の係数を掛けたものを壁量に比例した換算値で割ったもので、等級3をクリアする為には水平力の計算のもととなるもの(主に重量)を減らすか、耐力壁を増やすかしかありません。
まず水平力ですが、2階を極端に小さくすれば良さそうです。でもかなり難しそうです。我が家は基本的に総2階です。これ以上減りません(^^;;)。
と言う事で1階の耐力壁を増やすしかありません。どうやらX, Y方向共にあと1対ずつ耐力壁を増やせばクリアできそうです。1対ずつというのは、耐力壁は剛心位置と関係しますから、偏心によるねじれ倒壊を防ぐ為に対称的な位置にバランスを取って増やさなければならないからです。しかし、図面をじっくり見ましたが、バランスを崩さずにこれ以上耐力壁を増やすのは難しそうでした(T_T)。
もし少し間取りをいじったらどうだろうか、とも考えました。しかし少しぐらいいじっても状況は変わらなそうです。我が家は1階の2隅にキッチンと風呂場が位置する間取りになっていて、窓と勝手口の所為で4隅のうち2隅以上がL字に耐力壁で囲む事が出来ない間取りになっています。この部分がどうやらネックになっているような気がします。しかし、キッチン・風呂場が共に家の隅に位置していない間取りというのはなかなか無い気がしますし、1階の日照面の大半をLDKとしている(1階の半分以上の部分の内側に壁がない)間取りも多いと思います。そう考えると、総2階の普通の家では等級3をクリアするのは結構難しい事なような気がしてきました。これは富士ハウスの家だから、ということではなく、木造住宅全般に言える事です。耐震等級って厳しいんですね。
耐震等級を最高等級にするためには、間取りを考える際に、水平耐力を意識した間取りにしなくては駄目かもしれません。我が家はそこまで意識していませんでしたので、結果的に等級2になりました。ギリギリなので「ほとんど等級3」だと思う事にしていますが、この等級で地震保険の保険料が変わるそうなのでちょっと残念です。