便所の悲劇

愛煙家の方なら、トイレで煙草を吸ったことも何度かはあるでしょう。僕はよくあります。換気もできて一石二鳥なので、むしろ好んでトイレで吸っています。

トイレで煙草を吸うのは自由ですが、その吸いがらを便器に捨ててはいけません。清掃局から苦情が来てしまいます。

ではなぜ吸いがらを便器に流してはいけないのでしょうか。

吸いがらが詰まるから? いえいえ違います。実はもっと重大な秘密が隠されていたのです。ここに、僕が遭遇した恐るべき体験を記しておきたいと思います。

まずはじめに、ウチのトイレは洋式です。大きい方をするときは、便器に腰掛けて用を足します。用を足した後は、当然トイレットペーパーを使います。

このとき僕は、トイレットペーパーと一緒にうっかりと煙草も便器に捨ててしまいました。そして煙草の火がトイレットペーパーに引火してしまったのです。

しかし便器に腰掛けている僕に、便器の中は見られません。僕はトイレットペーパーが燃えていることに気がつきませんでした。

火はどんどん強さを増します。その先あるのは、僕の、尻。ついに火が尻にまで引火したのです。引火です。尻が燃えたのです。

まさに一瞬の出来事でした。僕はあまりの熱さにトイレの中をのたうち回りました。このとき受けたダメージは凄まじく、しばらくはイスにも座れないほどでした。

もうおわかりでしょう。吸いがらを便器で流してはいけない理由とは、トイレが詰まるからではなく、尻を火傷するからだったのです。