第5回鑑賞ツアー
京都市美術館コレクション展 第5期 旅への憧憬




2003年3月9日(日)
場所 京都市美術館
参加者数
視覚障害者9名
晴眼者(ガイド)8名

3月に入ったとはいえ、小雪まじりの寒いさむい日曜日、アクセスビューの鑑賞ツアーが敢行されました。
今回の鑑賞ツアーは、京都市美術館のコレクション展でした。これは学芸員の方が特定のテーマを決めて、京都市美術館の所蔵する作品のいくつかを選んで展示する、という企画です。第5回目にあたる今回のテーマは「旅」でした。
日本画、洋画、工芸、約80点 が5つの部屋に別れて展示してあります。

視覚障害のある人とガイドの人数がほぼ同じだったので、ペアを2組がひとつのグループになって鑑賞しました。
部屋にはひとつひとつ名前がついていて、「旅立ちの情景」「主題としての異国」「異文化への憧憬」「画家たちの留学」「写生旅行」という、なんとも旅情に富んだものでした。
これらの部屋を、順番に回る、気に入った作品のあった部屋を集中的に鑑賞するなど、グループによって様々な見方をしていました。

日曜日とはいえ、常設展であったこと、ギャラリートークなどイベントに重ならなかったことが関係してか、全体としてゆったり鑑賞することができました。
また、他のお客さんが近くにいるのにガイドが気づいた時は、なるべく小声で会話するということも、あるグループでは実行していて、「シー」「しー」と言いながら喋っていました。
一応の終了時間は決めてあったのですが、ひとまわりして集合場所の入り口に戻ったら、まだ別のグループが終わっていないことを知り、もうひとつ見てきていいですか?といって受付の人を納得させて再入場を果たした二人組みもありました。

作品は、小林柯白の那智滝や、小松均の白富士などが印象的でした。
このツアーでは初めて、弱視の方の参加がありました。そのためガイドの絵の説明も、それまでどおりの話し方とは違うものが要求されることになりました。これは、これからのツアーの課題になることでした。
弱視の方の意見としては、作品の前にガラスがあることで、随分見づらかったということや、館内の証明が暗くて恐かったということもありました。
確かにたいていの美術館は作品保護のため、ガラスがあったり照明を落とし気味にしていることがよくあります。こういったものが、弱視の人にとってはバリアなんだなということを改めて感じました。

鑑賞を終えて、近くの喫茶店でミーティングをしました。
〔ここではじめて、筆者は記録撮影をしなかったことを思い出しました。そのため今回の紹介には写真がありません、ご容赦ください〕

これまでの鑑賞ツアー感想、第5回を参考にしてください。


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