#2 ディスカス>初めてのディスカス飼育2       ヒロちゃん
動物&植物SIG FORUM8 #7112〜#7117 94/5/19 より転載
ヒロちゃん  ID:RBE21221


*初めてのディスカス飼育・その5 (#7112)

6.ディスカス購入のポイント

 特に、ディスカスを最初に購入するとなると、価格、将来性、その付加価値
等、色々と考えさせられますが、先ずは健全な個体を見つけるという事が先決
です。
 ここでは、その一つのポイントとなることをお話ししたいと思います。

6.1.原種は少し難しい

 最近、ディスカスは原種が流行しています。
 つまり、アマゾン川流域に泳いでいるディスカスです。
 これは、初心者には少し難しいかもしれません。

 先ず、原種は、輸送による疲れというか、痩せた個体が非常に多く、それを
本調子まで持っていくには、それなりの経験がいります。
 また、単純に餌をやれば回復すると言うものでは無く、今までのおいしい天
然の餌に代って、不味い飼料への餌付けという問題があります。
 そして、今までの環境と比べると、雲泥の差程ある水質の悪い水槽の事です
から、その環境に慣れるにも時間がかかります。
 そのため、余程、水槽環境にに慣れた個体を購入するので無ければ、次回の
楽しみにとておくと良いでしょう。
 やはり、完全トリートメントした原種となると、それなりに値段も高くなり
ます。

6.2.奇形

 原種に対して、ブリード物となると、意外に多いのが奇形魚です。
(ブリード物 = 水槽等で人為的に繁殖された魚)
 一般に、輸入魚には少ないのですが、国産ディスカスとなると非常に多いの
で要注意です。
 ショップに行って、品名が先ず国産と書いてあったら注意して下さい。
 国産と言うのは、アマチュアのブリーダーが繁殖したものが多く、その技術
不足の為か、奇形が大変多く出現しています。
 ショップ自身も本来ならこういう魚を店に置きたくなくても、今までディス
カスを買ってくれたお客さんには弱く、その立場から、お客さんの繁殖したデ
ィスカスを引き取らざるをえない事もあるので、仕方なくそれを売っているシ
ョップもあります。
 しかし、それが安いからといって、決して飛び付かないで下さい。
 やはり、奇形魚というのは、飼育していても可哀想な所があります。
 成長に従い、見るのが可哀想なくらい変形していく姿は、見るものに堪え難
いものがあります。
 従って、先ずはその品質をしっかり確かめる事が必用です。
 さて、その奇形を見つけるためのポイントです。

 ・横縞に乱れは注意(水槽で見る分には縦縞)

   水槽に入っている、同じ種類の魚の横縞に乱れがある個体が多い場合は
  その種類の魚は要注意です。
   横縞の乱れは自体は奇形とは呼べないのですが、これは奇形の第一歩で
  す。
   横縞の乱れが起こること自体、そのディスカスが生まれたばかりの頃の
  水質が適切なものでは無かった事を物語っているようなもので、悪い場合
  には、その他色々な部分に奇形が発生します。
   従って、あまりにその水槽の魚に横縞の乱れが多い場合には、その水槽
  に奇形魚がいると思ってください。

 ・左右不対象

   ディスカスを正面から見ると、一般的には左右が対象的です。
   もし、口や体形がどちらかに寄っていたりしたら、それは奇形です。
   ただし、泳ぐために、体をひねっている時もありますから、それは、ジ
  ックリ個体を観察してください。

 ・エラが短い

   これも大変多い奇形です。
   エラ蓋が何だか完全には閉じていない様に見える奇形です。
   酷い場合、エラがめくれています。
   その程度に関しては、少し正常なディスカスの写真を見て勉強してくだ
  さい。
   先ず、雑誌に紹介されているような個体には奇形はありませんから、そ
  れが参考になります。

 ・目玉が丸く無い

   これも、エラと同じくらいに多い奇形です。
   目玉をよく見ると、どっかがへこんでいたりします。

 ・目玉が妙に小さい

   体の大きさに対し、目玉が小さいというのは、その個体の成長の良さを
  物語っていますが、中には極端に小さい個体がいます。
   これも、どちらかの目玉の一方の場合が多いのですが、希に両方の目が
  バカに小さいこともあります。

 ・黒目が無い(奇形というよりケガ)

   これは、目が潰れている場合なのですが、良く見ると目玉の中央が無い
  個体がいます。
   この点は、良くディスカスを左右から観察してチェックしてください。

 ・体形がいびつ

   勿論、鰭が片方無いとか言うのは話しになりません。
   体形に関しては、雑誌等に紹介されている良い個体を参考にしてくださ
  い。
   よく、繁殖に使うなら関係無いといって、それを安く売りつけるショッ
  プもありますが、そんな個体がまともに成長できるわけが無く、仮にうま
  く成長したとしても、五体満足な魚にテリトリー争いで勝てるわけがあり
  ません。
   先ずは、そんな魚には、余程魅力が無い限り手を出すべきではないでし
  ょう。

 ・泳ぎ方が変

   妙に下向きかげんに泳いでいたり、逆に上向きかげんに泳いでいる魚は
  、どこか内蔵疾患があります。
   そんな魚も手を出さないほうが賢明です。

6.3.痩せ

 痩せている魚でも魅力的な魚はいます。
 しかし、痩せ方の一つの限度というものがあります。
 ある一定レベルを超えると、その痩せの回復にも非常に手間がかかります。
 その為、一つの目安として、ディスカスの体中央部に出っ張りが目立つとき
です。
 この出っ張りが目立たない時は、その痩せも割合簡単に回復できるのですが
、この出っ張りが目立てば目立つほどに回復は難しくなります。

6.4.異常な色揚げ

 妙に小さいわりに青すぎる個体は要注意です。
 青の色揚げには雄性ホルモンを使用しますが、これを与えすぎた場合、成長
阻害を受ける場合があります。
 私のバイト先では、先ずその色揚げに耐えられない個体は、バタバタと落ち
て死んでいきます。
 また、生き残った個体でも、体力の消耗が大きすぎたためか、拒食症を引き
起こし、それが二時的な要因となって落ちる個体も多くいます。
 そして、成長できても繁殖までは至らない個体も数多くいます。
 ホルモンによる色揚げされた個体は、100%駄目というわけではないので
すが、やはりそれなりに危険性は高いものだと思ってください。

 また、染料などによる赤や黄色を色揚げされた個体も数多く入ってきます。
 とにかく、体全体が妙に赤かったり黄色かったりする色揚げは染料によるも
のだという事を頭において下さい。
 ディスカスの黄色くなる部分、赤くなる部分は、どちらかというと点在する
もので、身体全体が平均しているわけでは無いのです。

*初めてのディスカス飼育・その6(#7113)

7.購入直後に起こる病気

 ディスカスを購入した後となると、とにかく一度は経験する病気があります。
 この流行病は、10年以上前には全く無かった病気なのですが、現在は全く
一般的な病気になってしまいました。
 これは一種の風邪の様なものなのかは、今だ原因がはっきりしていないので
すが、殆ど100%近くの魚が発病します。
 特に輸入された魚に多いのですが、黒っぽくなって体表から粘液を出し、そ
して短期間に痩せ、場合によっては体のアッチコッチに穴が開いていったり、
鰭が溶けたりします。
 これは、恐らく体調を崩した原因不明の病気が素となり、そこで色々な病気
を二時的に併発している為かもしれません。

 一般にこの病気の場合、一度かかって治った時には、次から大変かかりにく
くなる病気です。
 ただし、この病気には幾つか型があるのか、場合によっては以前に発病した
個体にも感染する場合があります。
 これは、非常に厄介な病気であるために、特に、初心者の殆どは、この病気
によって早々と挫折してしまいます。

 そして、この手の病気は、濾過が完成している水槽では、自然に治ってしま
うことがあります。
 出来れば、そういった環境に入れてあげる事が望ましいのですが、最初に始
めたばかりの頃となると、色々難しいものです。

 この病気には、マゾテンという魚病薬が大変効果的です。
 しかしマゾテンは、かなり強い薬ですので、使い方を慎重にしなければなり
ません。

 先ず、購入したマゾテンは、そのまま原液で使うのは避けてください。
 薬局に売っている500cc入りの精製水を購入し、それにマゾテンを添付
の計量カップで5cc取り、それを精製水に加えて下さい。
(精製水は安いところだと100円位です。)
 これで、マゾテンが約100倍に薄まった事になり、量が計り易くなります。
 そして、その薄めたマゾテンを40リットルあたり、12.5ccの割合で
水槽に添加してください。

 その後、暫く様子をみて頂きたいのですが、ここで一つ問題があります。
 もし、水槽水の亜硝酸やアンモニアが上昇しているようなら、マゾテンも効
果ありません。
 調子が良いときなら、ディスカスも多少のアンモニアや亜硝酸には耐えてく
れるのですが、病気の時はそうは行きません。
 かと言って、換水を沢山やるというのも、色々とショックがあり、かえって
逆効果にもなりかねません。
 こういう場合には、水中ポンプ式の内部フィルターによく水洗いした活性炭
を詰め込んで、水槽内にセットしてください。

*初めてのディスカス飼育・その7(#7114)

8.日頃のメンテナンス

 熱帯魚の飼育となると、換水というのが一つの大きな作業ですが、この他に
も濾過槽のメンテナンス、水槽の掃除等色々と作業があります。

8.1.換水

 ディスカスを飼育していく上で、最も大変な作業が換水です。
 一般の飼育方法では、大量に換水する方法と、濾過にシッカリ水質浄化を任
せた少量換水の方法とがあります。
 しかし、私はここでは、少量換水の方をお奨めしたいと思います。
 それには、幾つかの理由があります。

 ・労力と換水コストが少ない

   これは、当然の事ですね。

 ・浄化バクテリアがシッカリした水槽では病気になりにくい

   病原菌というのは、どんなに頑張っても色々なところから水槽内へと入
  ってきます。
   まさか、水槽を完全な無菌室へいれるわけも行きませんし、それに神経
  を使うのも大変疲れてしまいます。
   換水に頼った飼育をしている東南アジアでは、それにかなり神経を削っ
  ています。
   そして、入り込んだ病原菌に対しては薬の使用で処理をしていますが、
  私も視察に行った人間の話しを聞いているだけでも大変疲れるものだと思
  いました。

   さて、水槽へ入ってきた病原菌は、自分が生きて行ける環境ならディス
  カスに取り付いて増殖を狙うのですが、水質浄化の生態系が確立した水槽
  では、そこで生存競争に生き残る事が出来ずに死滅してしまいます。
   つまり、単に透明な水の中でも色々な微生物が、し烈な戦いを繰り広げ
  、そしてそれによって一つのバランスが取れているのです。

 ・水道水は決して綺麗な水ではない

   水道水は、透明であっても決して綺麗な水ではないのです。
   一般に、水道の水は、川や沼の取水口から水を取り込み浄水処理し、一
  般に供給されています。
   そして、家庭などで使われた水は下水道を通りある程度の浄水処理後、
  また川や沼に戻されます。
   しかし、この水が、そのまま海まで流れて行き、新たに水道水として使
  われることがないなら問題無いのですが、現実には下流域の浄水場から、
  また水道水として再利用されています。
   そして、この水が何度か使い回しされて、最終的には海へと流れ込んで
  いるのです。

   ここで、一つの問題があります。
   下水を流れる水は、単に使用済の水道水が流れているわけではなく、洗
  濯や炊事に使われる洗剤、ドライクリーニング等に使われる溶剤、その他
  にも、良識の無い人達が流す廃液等など、考えるだけでも恐ろしいほどの
  物質がどんどんと、流れ込んでくるのです。
   そして、下流域へ行けば行く程、その水の使い回しされた回数は増えて
  いきますから、そう言った物質はどれほどの濃度になっているのか、考え
  るだけでも恐ろしいものです。
   浄水場に勤める人の話しによれば、そういった物質の除去にも浄水コス
  トからも限度があり、現実には取り切れない様です。
   そして、色々と混ぜ合わされた、わけの分からない色々な物質は化合し
  、さらに毒性を強めています。

   こういった、色々な不純物質が混ざった水道水は、一応は人間が炊事に
  使う程度の水質基準にはなっているのですが、
  その中での生活を余儀なくされる魚にとっては、そうは行かないのです。

 ・魚の生活しやすいこなれた水とは

   濾過槽は、水を浄化するための水中微生物の繁殖床となります。
   この中で、色々な水中微生物の生存競争があり、そしてその結果、水槽
  の水は魚が生活しやすい良い水と変化するのです。
   もちろん、その中では、水道水から入ってくる有害物質もある程度、無
  害化されます。
   こなれた水とは、こういった微生物の戦いの中、それぞれの部分で、徐
  々にバランスがとれ、そして生態系の出来上がった水の事を言います。

   大量の換水は、そうして出来上がった良い水を捨てる事になるわけです。
   更に、換水による水質の急変は、水中微生物にも大きなダメージを与え
  、折角うまく行っている生態系を大きく崩す事になります。
   そのため、一度の換水には、極力その生態系に影響の無い程度の換水量
  に抑えておくべきです。

 この様な理由から、私は少量換水を日頃お奨めしています。
 出来れば、毎日、5分の1から10分の1程度の換水をすることが望ましい
のですが、週に一度5分の1程度の換水でも、ディスカスを十分飼育出来ます。

 換水する水は、出来れば汲み置き水槽に溜めて、半日以上エアレーションす
ることが理想的ですが、スペースの問題からそれが出来ない人もいます。
 そう言った場合は、水道水を直接使う事も出来ますが、少なくとも加える水
の分、塩素中和剤を入れる事が必用です。

 一般には、これにハイポを用いますが、その程度の換水量の場合1粒入れれ
ば十分です。
 そして、もし、換水量が10分の1程度なら、ハイポも入れる必要がありま
せん。

 水道水を直接入れるにしろ、入れないにしろ、出来ればもう少し水質の良い
方向へ持って行きたいもので、そういった機器について少し触れておきます。
 水道水を直接使うよりも、浄水器を使った方がやはりトラブルはより少なく
なります。
 浄水器と言うと、一般に活性炭をいれているものが多いのですが、これだけ
ではなく、中空糸膜のミクロフィルターも一つになった物がお奨めです。
 水道水には、意外に多くの微粒子を含んでいます。
 ミクロフィルターはそれらを除去してくれます。
 更に、活性炭によって、塩素も取り除いてくれるので、ディスカスや水中微
生物に、よりショックの少ない水へと変えてくれます。

*初めてのディスカス飼育・その8(#7115)

8.2.濾過槽のメンテナンス

 水槽をセットして、初期の状態では、バクテリアもそれ程繁殖していないの
で、特に手を加える必要は無いのですが、時間が経つにつれて、最初はウール
マットにゴミが溜り、目詰まりを始めます。
 私は、この目詰まりはオーバーフローギリギリまでほっといていますが、濾
過槽が完成しているのであれば、もっと短サイクルでメンテナンスして良いと
思います。
 メンテナンスは、一般にウールマットの交換を行います。
 先に、述べたようにウールマットは二重にしていると思いますから、上に敷
いているマットを取り出し、水洗いするか、新しいものと交換します。
 この際、元々下にあったマットが、上になるように洗ったマットは下に敷い
てください。
 ウールマットは、この様なやり方でメンテナンスします。

 さて、濾過槽も更に使い込むと、今度はpHの異常降下という現象が見られ
るようになります。
 ディスカスを飼い始めた人に、pHテストを奨めているのは、このpH降下
のタイミングを掴んで欲しいからです。
 濾過槽が有る程度使い込まれ、調子が上がり絶好調となると、その後は、濾
過槽内の残留物質が酸化を始めます。
 それまでは、その酸化物質の量も少なかったので、単に換水だけで酸が中和
されpHが急降下することも無かったのです。
 しかし、それが一定の限度を超えると、週一程度の換水だけでは追い付かな
くなります。
 これは、あくまで飼育尾数と給餌量、そして換水量によって左右されるので
、その環境によって短時間でこれが起こる場合と、長期に渡って起こらない場
合があります。
 そして、濾材の酸化が進むと、今度は濾過バクテリアの危機がおとずれます。
 濾過バクテリアはpHが6.2以上ないと活性化してくれません。
 勿論、濾材が酸化してしまえば、濾過バクテリアはその部分に着床出来ず、
徐々にバクテリア環境が崩壊していきます。
 これが進むと、いくら換水してもいつも水槽が濁っている状態になり、水に
輝きというものが全く無くなります。

 さて、前置きは長くなりましたが、要するにこういった現象の解決手段なの
ですが、私はこれに枝珊瑚を用います。
 枝珊瑚は、小指の先ほどの大きさをした珊瑚の粒で、もし、それを入れすぎ
た場合に取り出しやすいサイズです。
 枝珊瑚は、濾材の酸化が始まりだしたところで、濾過槽のウールマットの下
へ、手に一握りほどまきます。
 90センチ水槽等で、濾材入れが2つある場合は。それぞれに一握りずつ入
れます。
 それで、数日様子を見てください。
 pHが6.2から6.5程度に安定してくる筈です。
 この後、枝珊瑚は必要に応じて溶け、いずれ量が減ってきますから、様子を
見ながら足してください。

8.3.水槽の掃除

 ディスカスを飼育していても、やはり気になるのは水槽の汚れです。
 特に、ハンバーグ等を与えていると、水槽のガラス面に付くヌルヌル等は嫌
なものです。
 しかし、換水の度にスポンジで擦るのも面倒ですし、また、その掃除で水が
濁るのもディスカスにとっては、あまり良いことの様には思えません。
 そこで、そう言った水槽の汚れにはプレコを用います。
 プレコは、水槽のガラス面や底面、そしてエアホースにいたるまで、そこら
じゅうを奇麗になめまわしてくれます。
 そして、プレコが固めの糞として出してくれます。
 この糞は、ほっといてもフィルター等が吸込んでしまうので、特に換水して
出さなくても結構です。

 また、プレコは種類によってどんどん大きくなり、いずれディスカスに害を
及ぼす事があります。
 体が大きくなると、餌が足りないのか、ディスカスの体表をなめ回してしま
います。
 一般に販売されているヒポプレコやセルフィンプレコ等も、大きくなります。
 特に、ディスカス水槽の高温で且つ高淡白な飼料を与えている環境では3か
ら5ヵ月程度で、害を及ぼす大きさまで育ってしまいます。
 そんなディスカス水槽にお奨めなのはブロンズプレコです。
 このプレコは、サイズも10センチ程度までで、その割に口がでかく、掃除
の能力も十分です。
 90センチ水槽なら、3尾程度で十分です。

*初めてのディスカス飼育・その9(#7116)

9.餌

 ディスカスに与える餌となると色々な種類があります。
 一般には、冷凍赤虫、糸ミミズ、ディスカスフード、ハンバーグがあります。

 冷凍赤虫は、割と最初から食いが良い餌です。
 私は、この餌だけでディスカスを育て繁殖まで成功させた事がありますから
、栄養バランスはそれなりに取れている餌だと思います。

 糸ミミズは、特に曹て元気の無い時に良い餌で、割と食いも良く、個体を太
らせる時にはお奨めです。
 しかし、雑菌も多く、高水温下で毎日与え続けるとカラムナリスや腹水症等
を何度か引き起こしました。
 この餌は、たまに与える程度が手頃と言えます。

 ディスカスフードは、個体の赤の色揚げにも大変役立つ餌です。
 また、成長期の個体には、出来るだけ沢山の餌を食べさせたいので、フード
タイマー等を使って自動給餌を行なうにも便利です。
 私は、成長期の稚魚には1日5回、このフードタイマーで給餌しています。
 ただし、一回の給餌量は腹八分程度に抑えるのが適当です。

 ハンバーグは、牛肉や鳥肉、エビをベースにしたものです。
 栄養価も高く、中にはディスカスの赤の色揚げになるものが入っているのも
あります。
 ただし、この餌は水を大変汚すものが多いので、注意が必用です。
 私も色々な所のハンバーグを使ってみましたが、酷いものは、ディスカスが
口にするよりも、水に溶け込んでいるものの方が多いんではないかと思えるも
のもあります。
 また、溶けるだけなら良いのですが、ディスカスが少しも口にしない粗末な
ものもあります。
 市販品を色々試した所、手頃なのはニッソーの販売するハンバーグ、ベルト
デーゲン氏が開発したという七面鳥ベースのハンバーグ、そしてシュリングマ
ン氏のディスカスフィットが、それ程水も汚さず、食いも良いほうでした。
 他の、特にショップオリジナルの物となると、ほとんどが酷く水を汚し、ど
うしようもなく食いの悪いのが多く、それを与えるくらいなら自分で作った方
が良いというのが現状でした。

10.餌付け

 もし、購入したばかりのディスカスが、体調が良いにも限らず自分の与える
餌を気に入らないのか食べてくれないなら、餌付けが必用です。

 取り敢えず、そのディスカスが、何なら食べてくれるのか確かめます。
 ほとんどの場合、冷凍赤虫や糸ミミズなら食べてくれる筈です。

 先ず、その魚の好きな餌を毎日与えつづけてください。
 ある程度、環境に慣れ、個体も太り、人影を見たら寄ってくるまで、てなづ
けてください。
 そうなったら、こっちのもんで、そこで餌を数日抜きます。
 毎日、人影を見たら、今日こそは餌をくれるだろうと寄って来ますが、それ
にめげてはいけません。
 少なくとも、3日は我慢してください。
 3日ほど経ったら、そろそろ餌付けしたい餌を与えてください。
 最初は少し、ディスカスはそれを餌だとは思っていないのが普通ですが、中
には「これ食えるかな?」って手を出す奴がいます。
 ディスカスは、口にしては吐き出し、それが食えるものだと確信していきます。
 すると、徐々に他の個体も真似をしだし、餌付けの成功となるわけです。
 しかし、中には、ディスカスにとって余程不味い餌なのか、絶対手を付けな
い餌や、手をつけてもあまり食べてくれない餌があります。
 こういった餌は、早々とごみ箱に捨てたほうが無難でしょう。

11.飼育尾数

 ディスカスは、少なすぎると中にボスが出来て、弱い個体はいじけて中々大
きくなれないという問題もあります。
 やはり、多少多目に飼育する方が無難です。
 60センチのスタンダード水槽では、5センチサイズで少なくとも5尾以上
を飼育すると良い結果がでます。
 しかし、基本的にはあくまで水質ですから、体調を崩せば当然弱い個体から
餌を食べなくなっていき、弱い個体から1尾ずつ死んでいくという結果になり
ます。
 出来れば、サイズの揃った個体を10尾程度飼育のが手頃と言えます。
 しかし、ディスカスは15センチから20センチへと成長していくので、サ
イズがある程度来たところで、やはり水深45センチ奥行き45センチ水槽程
度はある水槽へと広げて下さい。
 どうしても60センチスタンダード水槽で育った個体と言うと、それ程大き
くなれず、そして色合いも今一つ不満の個体に仕上が
ってしまいます。

 また、最大の飼育尾数ですが、90センチのスタンダード水槽と言うと、枝
珊瑚を入れエアレーションを沢山やっている水槽では、意外に多くのディスカ
スを飼育できます。
 勿論、その場合、換水回数を増やすことが必要なのですが、私の所で、その
水槽に最大で成魚を30尾程飼育していた事があります。
 これは、あくまでお奨めしている数では無いので、一般的には成魚は10尾
から15尾程度と理解していてください。

12.エアレーションの奨め

 濾過槽というものは、意外にディスカスよりも多くの酸素を必要としている
のかも知れません。
 上部濾過槽を使っている場合、エアレーションをしなくとも、ディスカスを
結構まともに飼育できるのですが、それでもエアレーションをするとしないと
ではディスカスの調子が違います。
 例えば、ディスカスを良く人に慣れさせるには、エアレーションが無ければ
、中々うまくは行きません。

 また、濾過槽を覗いてみると、エアレーションを強くしている水槽と、エア
レーションをしていない水槽とでは、目詰まりする
間隔がまるで違います。
 エアレーションを強くして、極力好気性にしている濾過槽では濾過槽に蓄積
している残餌や糞の分解速度が全く違うのです。
 前述した、ウールのメンテナンスも、エアレーションをシッカリしている水
槽では、殆どしなくて良いくらいなのです。
(勿論、その水槽では給水口にスポンジを付けていません。)
 これは、勿論飼育尾数にもよるのですが、有機体の分解を如何に効率良く進
めるには、溶存酸素濃度が大きな決め手という事ではないでしょうか。

*初めてのディスカス飼育・後書き(#7117)

 ディスカス飼育で、最も難しいのが最初の水槽作りです。
 これさえ何とかクリア出来れば、意外に簡単な熱帯魚だと言うことが分かる
はずです。
 初めてディスカスを購入し、殺してしまったという経験者が、大変多くいら
っしゃると思いますが、それにめげずに是非もう一度チャレンジして頂けるこ
とを願っています。

                            PC-VAN RBE21221 / NIF HGB01564
                   ヒロちゃん