#5 器具>オキシデータもどきの作り方(図解入り)   ヒロちゃん
動物&植物SIG FORUM8 #4489 1993 7/19 より転載
ヒロちゃん ID:RBE21221

 熱帯魚の飼育には十分な好気性環境が大変適しています。
 それは酸素を必要としているのが、単に魚だけではなく、水質
を維持する濾過バクテリアを始め、様々な水中微生物の全てが必
要としているためです。
 水中の溶存酸素を増加させるためには、一般的にエアレーショ
ンを行います。
 通常は、このエアレーションで十分であるとは思いますが、例
えばCO2添加中の水草水槽等、環境によってはそれが出来ない
こともあります。
 そんな時便利なのがオキシデータです。

 オキシデータはボトルに過酸化水素水(H2O2)を入れます。
 そしてそのボトル内にある小さな触媒が過酸化水素水を水と酸
素に分離し、その発生した酸素がボトル内に溜まりその圧力によ
って、今度はボトル下部の穴からジワーっと過酸化水素水が出て
きます。
 ボトル内の過酸化水素水が全て無くなるのは1週間を要する程
度のゆっくりとしたスピードです。
 このゆっくりしみだした過酸化水素水は、今度は外の触媒塗料
に接触し同じ様に水と酸素に分離し、水槽の水へ酸素が混入して
いきます。
 オキシデータに日本代理店の講習会では、この酸素の混入方法
を利用すると、エアレーションでは実現できない程の溶存酸素濃
度を実現出来ると、説明されたそうです。
 しかし、それほどの高溶存が必要なのかは私には疑問がありま
すが、どうしてもエアレーションを出来ない環境では、この方法
を使って酸素を混入しても良いようにも思います。

 ところで、オキシデータが日本で売られている価格というと、
ドイツで売られている数倍の値段がつけられ、大変高いものです。
 そこで、何とか安く出来ないかと、色々と考ながら作って見ま
したが、本物より使い勝手の良いものができました。
 一応、4ヵ月程テストしてみましたが、問題はありませんでし
たので、よろしかったらお試しください。

材料

   エアチューブ(熱帯魚用のシリコン製1m程度)
   エアチューブのジョイント(一般の)
   オキシドール(一般売りされている500cc入りの奴)
   写真フィルムの空きポリカン
   植木バチの底に敷くプラスチックネット(やわらかい奴)
         (はさみで切れる奴で、3センチ角で十分)
   活性炭(フィルムのポリカン1杯ぶん、触媒に使います)
   ステンレス製針金(3センチ程度)
   ビニール用の接着剤(黄色い透明のやつ)
   キスゴム(熱帯魚用で太い奴、ポリカンおさえ)

作り方

  1.エアチューブの先端から5ミリ程の所に穴を空け、3セ
   ンチ程の針金を通します。
    針金の先端は、チューブから取れないように丸めてくだ
   さい。

  2.フィルムのポリカンの蓋に穴を空けます。
    フジフィルムのポリカンの蓋は中央部が出っ張っていま
   すが、この出っ張り部分をカッターで切り取ります。

  3.植木バチ用プラスチックのネットをフィルムポリカンの
   内径に合わせて丸く切って下さい。

  4.丸く切ったプラスチックのネットの中央にエアチューブ
   を通せるだけの穴を空けます。

  5.活性炭を選別します。
    あまり細かいものは使わないように、なるべく粒の大き
   いものを選り分けてください。

  6.ポリカンに針金を付けたエアチューブの先端を差し込み、
   活性炭を蓋が閉まる程度に目一杯詰め込み、先ずプラスチ
   ックネットにチューブを通して活性炭をおさえます。
    更にポリカンの蓋にチューブを通して、最終的にそのネ
   ットを押さえます。

  7.オキシドール(3%過酸化水素水)を別の容器にあけ、
   そのボトルの底に近い部分の横に、エアチューブのジョイ
   ントが丁度はまるような大きさの穴を空け、ジョイントを
   ビニールボンドで接着します。

  8.ボンドが完全に硬化したところで、先に作ったフィルム
   ポリカンの付いたチューブを繋ぎます。

  9.オキシドール容器に手頃な大きさの活性炭を一粒いれま
   す。

 10.オキシドールの容器に先に別へ移しておいたオキシドー
   ルを戻します。
    この時、チューブを折ってオキシドールが一気に流れ込
   まないようにしてください。
    そして、オキシドール容器の蓋をします。

 11.フィルムのポリカンにキスゴムを取り付けます。

 12.オキシドール容器の蓋を少し緩めて、少量フィルムのポ
   リカンに数滴オキシドールが入るようにして、全ての準備
   が完了です。

 13.最後にポリカンをネットの部分が上になるようにして、
   水槽へ設置し、全て完了です。

  図1.ポリカン側

    活性炭を押さえるネット
        |酸素の泡(肉眼でやっと見える程度)
        ||
        |↓ ‖←エアチューブ(ボトルへ)
      _ | 。 ‖ 。 ゚。 _
         ‖|↓ ゚ ‖ ゚ 。 |‖←ポリカンの蓋
          |-。-゚-。-‖-゚-。-゚-|←ネット(この隙間から酸素)
      |ooooooo‖ooooooo|
      |ooooooo‖ooooooo|←活性炭が詰っている。
      |ooooooo‖ooooooo| このシステムでは活性炭が触
      |ooooooo‖ooooooo| 媒となる。
      |ooooooo‖ooooooo|
      |ooooooo‖ooooooo|
      |ooooooo‖ooooooo|
      |ooooooo‖ooooooo|
      |ooooロ--‖--ロoooo|←チューブが抜けないようにす
      |ooooooo‖ooooooo| るステン針金。
          |________________|

  図2.オキシドールボトル側

                 -------- 蓋(漏れの無い様シッカリ閉める)
                 |------|
                 |      |
          +------|      |------+
          |     酸素が溜まる   |←この溜まった酸素の圧力
          |--------------------| で、エアチューブからポ
          |       ゚            | リカンへ過酸化水素水を
          |      ゚             | 送り込みます。
          |      。             |
          |       ゚            | オキシドール(3%過酸
          |        ゚←酸素の泡 | 化水素水)の場合、3週
          |       ゚            | 間程度でボトルが無くな
          |      ゚             | る程度かな。
          |     ゚  過酸化水素水|
          |     。              |  エアチューブ
          |      。             |  ↓
          |       ロ ←活性炭   =========== → ポリカンへ
          +--------------------+  付け根にエアチューブジ
                                  ョイントをビニールボン
                                  ドで接着

 水槽へ設置後、暫く観察するとポリカンから、シュワーっと酸
素の泡が確認できる筈ですから、それが安定したらOKです。
 3%の過酸化水素水では無いとは思いますが、5分程しても大
量に酸素の泡が出るようでしたら、どこかおかしいところが無い
かチェックしてください。

 メンテナンスですが、オキシドール容器内の活性炭は、まめに
交換するようにしてください。
 そのままにしておくと、ボロボロに崩れることがあります。

 また、オキシドールの補充ですが、前にも書いたようにエアチ
ューブを必ず折った状態で補充してください。
 それを忘れると一気に水槽内にオキシドールが流れ込みますか
ら注意してください。


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