#42 熱帯魚辞典>(02) 《あ》                           可良時寿子
可良時寿子 ID:KBB53931

【アイ・シー=IC式サーモスタット】
      半導体産業の発展につれ、各種半導体部品の価格が下がって来て、使い易
    くなったので、サーモ・スタットにも、IC技術を取り入れた物が、各社か
    ら販売されている。
      この方式の良いところは、細いコードの先に付いた、小さなセンサ(感温
    部)だけを水槽の中にいれ、サーモ・スタット本体は水槽の外に設置する為
    に、水槽の中が広くスッキリとまとまることと、本体が水槽から離れている
    為に、本体の中に水が浸入する恐れがない事である。
      設定値は、ダイアルを希望の温度目盛りに合わせるだけで、±1℃位の精
    度で設定できるので、バイメタル式のような手間が掛からないと言う利点が
    ある。
      IC式と言っても、実際にIC(Integrated circuit = シリコン単結晶
    の上に、微細加工技術で、トランジスタ等を集積したもの)が使われている
    のは、設定値と、測定温度を比較する、小電力の信号部だけで、実際にヒー
    ターの電源を制御するパワー部は、トライアックの様な半導体を使った、無
    接点スイッチから、有接点のリレーを使った物(これは、ヒーターの入り切
    りの度にカチカチと言う音がするので解る)迄、実に様々である。
      バイメタル式よりは使い易いが、値段の高さに比例して信頼性が高いかと
    言うとそうでも無く、信頼性は、バイメタル式と余り変わらないので、安心
    するのは禁物である。
        ★参照  →  サーモ・スタット、バイ・メタル式サーモスタット。

【アイスポット・シクリッド】
      南米の大型シクリッド = Cichla ocellaris。
      名前の由来は、アストロ・ノータスと同じ様に、尾鰭の付け根の処に、目
    玉と間違うようなスポット模様があること。
      大きな口を開けて、何でも飲み込む魚食魚で、多種との混泳は難しい。
      引きが強いので、原産地アマゾンでは、ドラード・フィッシュと並んで、
    重要なスポーツ・フィッシングの対象魚になっている。
      この種は、口にはいる魚であれば何でも食うが、アイスポットの幼魚は、
    自分の子供で無くとも、食べない。
      自分と同種であるかどうかは、体のアイスポット模様で判断しており、他
    種の幼魚に、アイスポット模様を描いて置くと食われず、アイスポットの幼
    魚であっても、この模様を、絵の具を塗って消して置くと、食われるという
    面白い事実が知られている。

【青子】
      金魚の稚魚は、孵化したときは、本来の赤とか黒の色素の上に、青味を帯
    びた灰色の色素で全身が覆われており、鮒のような体色に見える。
      このフナ色をした稚魚のことを青子と呼び、生後6カ月くらいで、灰色の
    色素が退色し、本来の、成魚と同じ色になる。
      業者に依っては、「黒子」と呼んでいる場合もある。
        ★参照  →  退色。

【アカムシ】
      セスジ・ユスリカと言う、人の血を吸わず、植物の汁を吸って生きている
    と言う、心がけの良い蚊の幼虫で、体内に人間と同じ様な『ヘモグロビン』
    を持っているので、血の様な赤い色をしており、この名前がある。
      ちなみに英名は、Blood−Worm。
      熱帯魚はこれを喜んで食べるが、余り綺麗とは言い兼ねるような処に棲ん
    でいるので、病原菌や寄生虫を、水槽の中に持ち込む原因となる。
      香港や中国から、冷凍した物が多量に輸入されているが、品質は、ピンか
    らキリ迄有り、少しくらい値段が高くとも、鮮やかな赤色をした物を与えな
    いと、大切な愛魚を栄養失調や病気で死なせる事になり、『安物買いのゼニ
    失い』と言う、古来の格言の意味の重大さを、身を持って思い知らせてくれ
    ると言う、油断のならない餌。
      なお、病原菌という物は、冷凍したくらいでは死なない。

【アクア・セイフ】
      テトラ社が販売している、水替えの時に使う薬品の、商品名。
      成分も濃度も明記せず、「コロイドが魚の皮膚を守る」とか、コントラ・
    コロラインと併用して下さい等と、訳の解らん広告をしている。
      成分は、多分、グリセリンを水に溶かし、薄い緑色に着色しただけと推定
    するが、効果が不明で値段だけが高く、水作りに自信の無い初心者が、ワラ
    をも掴む積もりで買わされるもの。
     効き目もない変わり、副作用もないという、人畜無害の薬と思いきや、こ
    れを使い続けると、魚自身が粘膜の分泌をサボル様になるので、使うのを止
    める事が出来無くなるという、厄介な副作用がある。。
     なお、本品を含め、テトラ社の水質調整剤はすべて、原文ではガロン当た
    りとなっている使用量が日本語の説明書ではそのままリッター当たりの使用
    量と訳されており、そのまま信じて使うと、3.8倍も使うことになるので
    注意すること。
     もっとも、本品は、本国で販売されているものを2倍に水で薄めたものと
    いう説もあるが、それでも、最適使用量の表示は信用でき無い。
     もし、水で2倍に薄めたというのが本当なら、値段は平行輸入品よりも遥
    かに高いのであるから、悪徳商法の見本といえる。
        ★参照  →  コントラ・コロライン。

【アクア・テラリゥム】
      アクアは水、テラは陸地の事。
      水槽の中の水面を下げ、陸上部を作り、水上部に観葉植物などを植えて、
    両生類とか、爬虫類を飼育するのに適した、一つの水槽の中に、水中と、陸
    上を兼ね備えた施設。

【アクア・ライフ誌】
      マリン企画という、雑誌社の発行する、熱帯魚雑誌。
      『魚とのコミュニケーション』等という、良く意味の解らないキャッチ・
    フレーズで、初心者向けに、綺麗な写真とHow−To記事で売上を伸ばし
    た。
      著者の顔触れを見ると、何時も同じで、首都圏一帯の熱帯魚ショップの関
    係者が幅を利かせているので、客観的な評論を装いながら、自分達が売りた
    い魚のブームを煽る記事が、都合良く満載されている。
      同じ書き手が、同じ魚を取り上げる物だから、2年も読めば、後は全くの
    繰り返しの記事ばかり。
      時々、現地風の水槽の仕立て方などという記事があるが、とても実行出来
    ない様な、空想の産物としか思えない記事も多い。

【アクアリゥム】
      アクア = Aqua、つまり、水の事。
      アクアリゥムは、熱帯魚を飼育する水槽のように、人工的に作りだした水
    の世界の事を指す。

【アクアリスト】
      魚を初めとする、水生動植物を趣味の対象にしている人たちを指す。
      即ち、今この辞典を読んでいる、貴方の事。
      犬や猫と違って、マイナーな趣味で、周りから変人扱いされるような人が
    多い。
     この趣味の辛いところは、犬、猫と違って、プロの獣医が居ないので、飼
    育者自身が病気の治療などの知識を身につけないと楽しむ事が出来ない事
    である。
     また、魚が、自分の生活する空間を、自分の排泄物で汚すので、絶えざる
    管理作業に追われ、この作業を続ける根気の無い人は一人前に成れない。

【アコルス】
      東南アジアの水草で、わが国にも自生している、セキショウのこと。
      小型の、ピグミー・アコルスもあり、これもわが国に、自生している。
        ★参照  →  セキショウ。

【アサギ色】
      アサギ色と言う漢字は、現在『浅黄色』と言う漢字が当てられる。
      漢字は、表意文字であるから、この浅黄色と言う文字を見れば、余り鮮や
    かでない、薄い黄色を連想するが、これがとんでもない大間違いで、アサギ
    色と、黄色は全く関係がない。
      アサギ色と言うのは、正しくは、白っぽい青色を指す。
      つまり、三色デメキンの様な、青色をアサギ色と言うのであって、本来の
    語源は、『浅葱色』である。
      葱 = ギ 言うのは、植物の、ネギの仲間を示す言葉である。
      株分かれするネギは分葱、即ちワケギ。
      根が深く、根を食べるネギは根葱、即ちネギ。
      そして、根が浅く、葉を食べるネギは浅葱、即ちアサギ(地方に依っては
    アサツキと呼ばれる事もある)である。
      つまり、アサギと言うのは、関西で主に消費されている、九条ネギの様な
    物を指し、このネギは濃い緑の上に、白い粉を被ったような、パステル調の
    緑色をして居る。
      浅黄色と言う漢字を、誰が使いだしたのかは知らないが、誤解を招き、真
    意を伝える事が出来ない、下手な当て字である。
        ★参照  →  モザイク透明鱗。

【アジア・アロワナ】
      タイ、インドネシ等、東南アジア原産のアロワナで、個体による色彩変化
    に富んでおり、レッド・アロワナとか、オレンジ・アロワナとか尤もらしい
    区別をつけて扱われているが、正式の名称は、グリーン・アロワナで、学名
    はいずれも Scleropages Formosua。
        ★参照  →  アロワナ、サイテス、グリーン・アロワナ。

【亜硝酸】
      HNO2 = Nitorous acid。
      熱帯魚を飼育する水槽の中では、魚から直接排泄されるのではなく、生物
    濾過を受け持つ硝化バクテリアの一つ、ニトロ・ソモナスが、アンモニアと
    酸素を消費して、結果として、この亜硝酸を排出する。
      水溶液は酸性を示し、蓄積すると、pHが下がるとともに、魚には強い毒
    性を示す。
      植物は、亜硝酸を肥料として利用しない。
        ★参照  →  生物濾過。

【アストロノータス・オセレィタス】
      南米の大型シクリッド = Astronotus ocellatus。
      名前の由来は、尾鰭の付け根の部分に、中が黒色、周囲がオレンジ色の太
    陽の金環触の様な模様に基づく。
      この模様は、目玉と良く似ているので、外敵に襲われたとき、大切な頭を
    守る事が出来る。
      また、餌になる様な小さな魚を襲うとき、反対側に頭があると思わせて、
    油断させるのに役立っている。
      最近は、「オスカー」と呼ばれる事が多い。
      何でもよく食べ、成長も早く、飼い主にも慣れる。
      こう書けば、良い事づくめの様に聞こえるが、餌の量が多いので、水が汚
    れ易く、早く大きくなり過ぎて、持て余す人が多い。
      気が強く、何でも飲み込むので、他の魚と混泳させるのは難しい。
      個体変異を固定した改良種として、タイガー・オスカー、レッド・オス
    カー等がある。

【アズマ・ニシキ】
     わが国を代表する金魚の一品種。
     オランダ・シシガシラと三色出目金の交配で作出され、オランダ・シシガ
    シラの体型に三色出目金のアサギ色を持つ。
     尾鰭は、白に黒の模様が入るのが良いとされている。
        ★参照  →  アサギ色。



【アーチャー・フィッシュ】
      汽水域に棲む、昆虫食の魚。
      学名は Toxotes jaculator。
      白い体に、黒い模様が入っただけの、シックな魚。
      口の中の下顎に、まっすぐな細い溝があり、ここに溜めた水を舌で挟み、
    水鉄砲のように飛ばして、木の葉などに止まっている昆虫を打ち落として、
    食べる。
      視力が良く、水鉄砲の命中率も極めて高い。
      汽水魚であるから、飼育に当たっては、食塩を溶かした水を使うと良い。
      和名では、「鉄砲魚」と呼ばれ、わが国にも、西表島等に生息している。
        ★参照  →  汽水魚

【アナカリス】
      育て易い有茎植物 = Egeria densa。
      わが国にも帰化し、沢山自生しており、和名は、オオカナダモ。
      琵琶湖にも沢山自生しているが、乾燥した天候が続き、湖の水位が下がる
    と、岸辺で枯れて、次に雨が降ったときに腐った草が湖に流れ込み、水質を
    悪くする。
      琵琶湖水系を上水道に利用している、京阪神の人たちを悩ませる、『夏の
    臭い水』の原因の一つ。
      特に琵琶湖は、渇水が続き、水位が下がったときよりも、その後に雨が降
    り、水位が回復した時に、水質が悪くなるのは、本種が岸辺で枯れることの
    要因が大きい。
      成長が早く、水槽内の育成も楽な水草。

【アナバス】
      椰子の木の天辺で発見されたと言う、伝説があるので、木登り魚とも呼ば
    れるが、実際には、木に登ったりは出来ない。
      学名は Anabas testudineus。
      ラビリンスと言う、迷路のようになった複雑な鼻孔を持っており、この中
    で、水にとけ込ませた酸素を呼吸することが出来るので、人間のような肺呼
    吸ではないが、水から上げてもしばらくは生きることが出来る。
      また、胸鰭を足のように使って、湿地帯を歩くことが出来、ちょうど、わ
    が国のトビバゼの様な生活をしている。
      アナバス科の仲間は、温和しい種類が多いが、本種は気が荒く、小さな魚
    を攻撃したり、食べたりする。
        ★参照  →  アナバス科。

【アナバス科】
      アナバスに代表される、ラビリンス呼吸器官を持つグループを、アナバス
    科という。
      タイの闘魚として有名なベタのほか、**グーラミィと呼ばれる一連の魚
    を指す。
      この仲間のラビリンスによる呼吸は、鰓よりも重要で、呼吸量の半分以上
    をラビリンスに依存しているので、水面に蓋をして、空気を直接吸えないよ
    うにすると、溺れて死んでしまうという、魚らしからぬ魚。
        ★参照  →  アナバス。

【アヌビアス】
      西アフリカ原産の、サトイモ科の水草。
      川岸の、乾期は水上にあり、雨期には水没するような場所の、岩の窪み等
    に着生して居る。
      弱光線の下でも良く育ち、高温にも強い。
      成長は遅く、長期にわたって同じ様な姿を維持できるので、却ってメンテ
    ナンスが楽である。
      値段は少し高い。
      種類は沢山有るが、育て易い「ナナ = Anubias barteri ver.nana」と
    「バルテリィ =  Anubias barteri ver.barteri」が、一般に出回っている。
      葉の形態の変異が多く、コレクションの対象にしている人も居る。
      花は、サトイモ科の特徴である、白い一枚のホウに包まれた、白い蝋燭の
    ような形の物を、咲かせる。
      わが国で販売されている株は、現地採集ではなく、オランダで、温室栽培
    された物が多い。

【アヌビアス・ナナ】
      西アフリカ原産の、サトイモ科の水草、アヌビアスの仲間をを代表する、
    小型のアヌビアス = Anubias barteri ver.nana。
      水中で育てると、茎が横方向に広がり、綺麗な株を作る。
      成長は遅いが、弱光線、高温にも耐える丈夫な水草。
      繁殖は、葉を3〜4枚着けた長さに茎を切断して、植えて置くと、新しい
    株になる。
      砂の中に植え込むより、流木などに着生させ、根の周囲に水が流通してい
    る方が、良く成長する。
        ★参照  →  アヌビアス。

【アヌビアス・バルテリィ・バー・バルテリィ】
      西アフリカ原産の、サトイモ科の水草、アヌビアスの仲間をを代表する、
    大型のアヌビアス =  Anubias barteri ver.barteri。
      水中で育てると、茎が上方向に伸び、横への広がりが不足する。
      その他は、アヌビアス・ナナに同じ。
        ★参照  →  アヌビアス、アヌビアス・ナナ。

【姉金】
      魚食魚の餌に使われる、餌用金魚(フナ尾の和金で、金魚スクイに使われ
    るものと同じ種類。餌金と略される)の、サイズの大きな物を指す。
      ショップに依っては、餌金のサイズを「小赤」、「小姉」「中姉」、
    「姉」等と細かく分けている処もあるが、普通は、「小赤」と「姉金」の2
    サイズに分けているショップが多い。
        ★参照  →  餌金。

【アピストグラマ】
      飼育の容易な小型のシクリッド。
      学名は Apistogramma agassizi。
      意味は、Apistos = 当てにならない、Gramme = 線、agassizi = 魚類学者
    Agassizにちなむ。
     気分、体調によって、体表の黒い模様が変化するので、この名前がある。
      繁殖も容易な、ドワーフ・シクリッドである。

【アブラ鰭】
      背鰭の後ろに、背鰭と独立している、第二の背鰭とも言うべき物で、カラ
    シン科等の魚に着いているが、アブラ鰭を持っていない魚の方が、種類が多
    い。
      これが有る場合でも、大概は、背鰭に比べると、小さく、余り目だたない
    鰭である。

【アフリカ】
      ヨーロッパ大陸の南隣にある大陸の名前、ではなく、大阪の、地下鉄東三
    国駅の近くに在る、熱帯魚ショップ。
      怪魚、珍魚の入荷には定評があり、器具の値段も廉い。
      よそと値段の比較し易い、器具や餌は廉いが、競争相手の少ない珍しい魚
    は、結構高い値段がついている。
      ディスカス・エイズ等、全く気にせず「ディスカス・エイズは十分な知識
    を持った上でお買い上げ下さい」等という、恐ろしい張り紙を、平気でして
    いる恐い店。
      最近は、業績が好調で、関東にも、「レイク・アフリカ」と言う支店を出
    して、業界制覇を狙っている。

【アフリカン・シクリッド】
      一口にアフリカン・シクリッドと言っても、大きく分けて、湖産シクリッ
    ドと、河川産シクリッドが有り、その性質と、飼育方法は全く異なる。
      普通、特別な説明無しに、「アフリカン・シクリッド」と言うと、マラ
    ウィ湖とか、タンガニィ湖等、大地溝帯の湖に棲む、「湖産シクリッド」を
    指す場合が多い。
        ★参照  →  湖産シクリッド、河川産シクリッド。

【アポノゲトン】
      球根を持ち、細長い葉をロゼット状に伸ばす水草のグループ。
      レース状の作り物のような美しい葉を伸ばす、マダガスカル・レース・プ
    ランツ等もこの仲間である。
      球根に栄養を蓄えているので、丈夫で育て易いが、高温に弱く、水温が上
    昇すると、休眠する。
      休眠した場合、球根を掘り上げ、湿りを与えた水苔などに包んで、涼しい
    処に1カ月ほど保存して置き、再度水槽内に植え込むと、再び新しい葉を展
    開する。
      休眠する事を知らないと、水温の低い間だけの、季節商品的な消耗品とな
    る。

【アポノゲトン・ウルバケウス】
      Aponogeton ulvaceus
      アポノゲトンの仲間の中では、最も柔らかい葉を持っている。
      調子が良ければ、若草色をした、ワカメのような形の葉を30枚以上、茂
    らせる。
      葉の先端に近い部分は、ねじれている。
      水草を良く食べると言われている魚は、勿論のこと、ディスカスなども好
    み、沢山植えて置かないと、アッという間に食い尽くされる。
      この草は、水温が上がると、休眠する。
        ★参照  →  アポノゲトン。

【アマゾン】
     ギリシャ神話に出てくる女性だけの軍事国家 = Amazon
     男が居なければ、子孫が絶えて滅びると思うのは甘い。
     年に一度だけ、妊娠を目的にキャンプを張り、男性国の軍隊と夜を共にし
    て、子供を作り、男の子が産まれると、全員絞め殺した。
     女性だけの軍団となると、色気もあり、良くアメリカ映画の題材に取り上
    げられて、スクリーンから健康そうな色気を振りまいてくれたが、これらの
    映画には一つだけ確実に嘘があった。
     映画に出てくる女優達は、何れも形の良い、見事なバストを誇っていた
    が、これが嘘。
     伝説に出てくるアマゾネス達は、主要な武器である弓を射るのに邪魔にな
    るので、年頃になってバストが膨らんでくると、左の乳房が切りとられてい
    たが、映画のアマゾネス達は、左右とも見事な乳房が付いていた。
     ちなみに Amazon とは『乳房が無い』と言う意味である。
     これが、熱帯魚にどう関係があるかって?。
     それは、後の項で。
        ★参照  → アマゾン川

【アマゾン川】
     南米にある世界最大の河川。
     何しろ、地球上の淡水の1/3がここに集まっている。
     昔、ポルトガルの探検隊が川沿いに遡ったとき、原住民と衝突し、戦闘に
    なり、3日間の激闘の末、原住民が皆殺しに成ったが、この時、原住民の女
    性が勇敢に闘ったので、勇敢な女性達に敬意を払って、ギリシャ神話に出て
    くるアマゾンにちなみ、この川を「アマゾン川」と名付けた。
        ★参照 → アマゾン


【アマゾン・ソード・プランツ】
      南米アマゾンを代表するエキノドラス科の水草 = Echinodorus bleheri。
      茎はなく、シダ類と同じように、ロゼット状になる。
      名前の由来は、葉の形が剣(= Sword)の様に、尖っていると言う意味。
      わが国で販売されているのは、水田などで栽培された、水上葉の物で、水
    中に植え込むと、水上葉は枯れるが、柔らかい綺麗な水中葉を展開する。
      育て易い水草ではあるが、多少、強い光線を要求する。
      この水草は、移植を極端に嫌い、一度植え込んだまま動かさなければ、大
    きな株に育つが、根を動かすと、現在の根は腐り、新しい根を出さねばなら
    ない為に、移植の度に小さくなって仕舞う。
      株元からランナーを出し、このランナーに沢山の子株が着いているので、
    切り離して繁殖させる事が出来る。
      ランナーを出したときは、切り離さないと、親株の成長が止まる恐れがあ
    る。
     本種には、細葉タイプと、広葉タイプの二つがあるが、一般に出回ってい
    るのは、細葉タイプが多い。
      良く似た種類に、葉が一回り大きく、周辺が波打つ「ラッフル・ソード・
    プランツ」が有る。
        ★参照  →  ラッフル・ソード・プランツ。

【アマゾン・モリー】
      中米産の、卵胎生魚、モリーの仲間。
     ナイル・アロワナと言うと、ナイル川に棲むアロワナであり、ミシシッ
    ピー・アカミミガメと言うと、ミシシッピー川に棲む亀である。
     このように、地名や川の名前は、その種が主に生存する地域を示すが、本
    種の場合、アマゾン川の上流から下流までくまなく探しても、アマゾン・モ
    リーは居ない。
      アマゾンと言うのは、スペルは同じであるが、ブラジルのアマゾン川には
    関係なく、ギリシャ神話に出てくる、アマゾネス=女性だけの軍団のこと。
      何しろ、この種はわが国のギンブナと同じで、雄がいない。
      他種のモリーとの、交配の刺激で排卵するが、他種の精子は、あくまでも
    卵が発生する刺激になるだけで、受精はせず、雌の遺伝子だけで、クローン
    を作るという、雌性発生を行う。
      聖母マリア様の、弟子のような魚。
        ★参照  →  雌性発生。

【アマニア】
      ワイン・レッドの美しい、有茎植物 = ammania senegalensis。
      有茎植物自体、育てるのが難しいのに、赤色の草となれば、更に難しい中
    で、比較的育て易い。
      強い光線を要求するが、炭酸ガスを添加すると成長が早い。

【アメリカン・シクリッド】
      言葉の通りの意味で有れば、南北アメリカ大陸産のシクリッド全般を指す
    が、マニアが「アメリカン・シクリッド」と言う場合は、アピストの様な小
    型シクリッド、及びエンゼル・フィッシュの様な中型シクリッドは除外し、
    フラミンゴ・シクリッドとか、テキサス・シクリッドの様な、気が荒い、大
    型シクリッドを指す場合が、多い。

【アメリカン・スプライト】
      ウォーター・スプライトに似た、水性シダで、コスモスの様な細く、深い
    切れ込みのある葉を持つ。
      学名は Ceratopteris thalictroides。
      移植にも良く耐え、育て易い水草である。
        ★参照  →  ウォーター・スプライト。

【アーリ=Ahli】
      とても淡水魚とは思えないような、濃いメタリック・ブルーに全身を輝か
    せる、アフリカン・シクリッド = Sciaenochromis ahli。
      Malawi湖のみならず、全湖産アフリカン・シクリッドを代表する美
    しさを持つ、体長20cmの中型種である。。
      湖産シクリッドは、分化が激しく、研究途上の魚で、度々分類が変更にな
    り、本種も、以前は Haplochromis 属に分類されていたが、
    その後 Haplochromis 属そのものが無くなり、Cyrtcara に変更され、3年
    もしない中に Haplochromis 属が復活したが、本種は、
    新設された Sciaenochromis 属になった。
      湖産シクリッドは、覚える暇もないくらい、分類の変更が激しいので、
    ショップも、マニアも、暫くは混乱が続きそうである。
      本種は、わが国に紹介されて、歴史も古く、飼育を手がけた人も多いが、
    繁殖は困難な部類に属する。
      繁殖形態は、雌が卵を銜えるマウス・ブルーダで有るが、神経質で、
    ちょっとした刺激に依って、卵を食べて仕舞うという、失敗をし易い。
        ★参照  →  アフリカン・シクリッド。

【R.R.B】
      タイ国のブリーダが作り上げた、ディスカスの改良種で、レッド・ロイヤ
    ル・ブルー・ディスカスの略。
        ★参照  →  レッド・ロイヤル・ブルー・ディスカス

【アルジー・イータ】
     東南アジア産のナマズ、Gyrinocheilus aymonieri。
     細長い体型に、体色は地味。成魚の体長は15cmを超える。
     名前は、コケを食べる魚であるが、コケを良く食べるのは、小さい間だけ
    で、成長にしたがってコケを食べなくなる。
     スマートな体型で、すばしっこく動き、他の魚の体表を嘗めまわして、嘗
    められた方はそこにカビが生えたりする、水槽の中の困り物。
     コケ掃除を期待して飼育すると、期待に反して酷い目に会う。
     ちょっと見るとオトシンクルスと似ているが、働きは大違い。

【アルタム・エンゼル】
      南米アマゾンの支流、ネグロ川に棲むシクリッド科の魚。
      学名は Pterophyllum scalare altum。
      同じエンゼル・フィッシュで有っても、スカラレ種と違って、繁殖が難し
    く、わが国で繁殖例で、確認された物は1度だけである。
      繁殖が難しいだけに、よけいに人気が高い。
        ★参照  →  エンゼル・フィッシュ。

【アルビノ】
      メラニン色素(黒い色の色素)を生産する酵素を欠いているか、その酵素
    の活動を抑制するような酵素を持っているために、体に黒い色がなくなった
    個体の事で、『白化個体』とも呼ばれる。
      アルビノに成ると、体が白くなるだけでなく、目の瞳が赤くなるが、中に
    は目の黒いアルビノもおり、これは、不完全アルビノである。
      グッピー等では、不完全アルビノを、ゴールデンと呼んでいる。
      アルビノは自然界でも良く出現し、珍しい物ではないが、体が白い為に良
    く目だち、天敵に襲われ易いので、実際に生存している個体数は、発生する
    個体数に比べ、極端に少ない。
      わが国でも、山口県に白蛇(アオダイショウのアルビノ)が沢山居る事が
    有名であるが、あれは、神の使いとして、大切にし、餌を与えたりして、人
    間が保護しているからこそ沢山居るのであり、全く自然の生存競争の中に置
    かれると、アルビノ種が生き延びるのは難しい。
      アルビノ種は、遺伝するから、人間の保護下に置いた、人工繁殖では、沢
    山作る事が出来、『白コリ』等と呼ばれる、コリドラス・アエネウスのアル
    ビノ種などは、随分廉い値段で、多量に販売されている。