#53 熱帯魚辞典>(13) 《む、め、も、や、ゆ、よ、ら》 可良時寿子
可良時寿子 ID:KBB53931

【無精卵】
      魚の卵は、体外受精である為、折角雌が産卵しても雄の精子が少なかった
    り、産卵時の水流が強かったりすると、受精しなかった卵が発生し、これを
    無性卵と言う。
      無性卵は、2〜3日で白く、不透明になり、カビに侵される。

【胸鰭】
      鰓蓋のすぐ後ろ、体の側面に付いている鰭で、ホバリングしたり、方向転
    換など、主に小回りを利かせる時に使う鰭。
     この鰭は、陸上動物で言うと、前足に相当する器官である。
     エンゼル・フィッシュやディスカスの様に基質産卵を行う魚は、卵が孵化
    するまで、ゴミやカビが付いたりするのを防ぐために、親が新鮮な水を送り
    続けるという世話をするが、この時は胸鰭で前に向かって水を扇ぐという芸
    当をする。
     泳ぐスピードを稼ぐためには殆ど役に立っていないが、この鰭のおかげ
    で、ゆっくりではあるが、後ろ向きに進む事も出来る、小回りの為には大切
    な鰭である。

【メチレン・ブルー】
      代表的な、チアジン染料 Methylen-Blue。
      色は、黒味を帯びたダーク・ブルー。
      各種のカビが原因で引き起こされる、淡水魚の治療薬として使われる。
      水溶液を空気に触れさせて置くと、自然に分解し、脱色するとともに、効
    果が無くなる。
      最もポピュラーな病気である、白点病に良く効き、濃度を上げても、魚に
    対する副作用は、殆ど無い。
      しかし、残念なことに、水草に対してはダメージが大きく、高濃度で長時
    間の薬浴をすると、多くの水草は枯れてしまう。
      箔片状の粉末は、薬品屋さんで購入すると、10grあたり1000円位で
    あるが、熱帯魚ショップでは、蒸留水200ccにメチレン・ブルーを1.6
    gr位を溶かした物が、1000円程で販売されている。
      水槽内で、繁殖した時、水が薄く色着く程度に入れてやると、卵がカビる
    のを防ぐ事も出来る。
      熱帯魚を飼育するときには、普段から常備して置くと、何かと薬に立つ、
    便利な薬である。

【メティニス】
      全身が非常に細かい、メタリックな銀色の鱗に包まれた、円盤型の体型を
    した、南米の中型カラシン = Metynnis roosevelti。
      その体型から、『シルバー・ディスカス』とも呼ばれる。
     銀色の体に、尻鰭の先端部に僅かに赤味を帯びるだけで派手さはないが、
    カラフルな魚と混泳させると、このシブさが生きる。
      カラシン科の癖に、鋭い歯がなく、ペンチの様になった、硬い顎で、水草
    を齧る。
      水草を好んで食べるので、水草を中心とした水槽には飼えない。
      臆病で、温和しく、他の魚には害を与えない。
      雌雄とも良く似ているが、発情した時は、雄の尻鰭の前縁がオレンジ色に
    なるので、判別できる。

【メトロニダゾール】
     ディスカスなどは、腸管内にヘキサミタが寄生して、酷いときは命取りに
    なる。
     こういう腸管内に寄生する細菌を殺すのは結構難しく、良い薬が少ない。
     使いやすい薬として、Metronidazale = メトロニダゾールを薦める。
     メトロニダゾール製剤も数社から販売されているが、塩野義製薬のフラ
    ジール腟錠が使いやすい。
     フラジールには、糖衣錠もあるが、こちらは使えない。
     使い方は、水温を数℃高めに設定して置き、飼育水50リッター当たり、
    フラジール発泡錠1錠を投与し、3日後に水替えをする。
     発泡錠というのは、名前の通り、水に会うと盛大に炭酸ガスの泡を発生
    し、水槽の中が一時的に真っ白に成るくらいであるが、魚の呼吸を助けるた
    めに、エアレーションを強めて、出来るだけ速く炭酸ガスを追い出すような
    処置をするのがよい。
     そのあと、コンバントリンで仕上げをすれば完全。
        ★参照  →  コンバントリン、ヘキサミタ症、フラジール。

【メロン・ソード・プランツ】
      エキノドラス科の水草 = Echinodorus osiris。
      葉の形は、同じエキノドラス科のアマゾン・ソード・プランツに似ている
    が、色は黒っぽく、葉脈の部分がネット・メロンの様に白くなる。
     移植を嫌うのは、アマゾンソードと同じくらいであり、一度植えた場所を
    動かさないようにしないと、移植の度に根が痛み、草の勢いが弱る。
      大株に育つと美しいが、強い光線を要求し、照明が不足すると、うまく育
    たない。

【モザイク透明鱗】
      グッピにも、モザイクと呼ばれる、赤、青、黒等の色が、パッチワークの
    様に出現する系統があるが、ここで言うモザイク透明鱗と言うのは、グッピ
    の体色とは全く関係の無い、金魚のアズマニシキとか、三色デメキンの鱗を
    指す。
      これらの金魚には、体表に青色の色素が存在しないにも関わらず、アサギ
    色と呼ばれる、青、藍等の体色を発現する。
      これらの青い色は、体表の色素ではなく、鱗の一部が透明になっている為
    に、静脈が透けて見え、これが青や藍色に見えているのである。
      アサギ色を示す金魚は、全て、一方の親に三色デメキンを使って、作出さ
    れた。
      モザイク透明鱗と言うのは、赤や白の色素を持ち、不透明な「普通鱗」と
    色素を持たない「透明鱗」が、モザイクの様に複雑に配列された物を指す。
      モザイク透明鱗が出現する個体は、普通鱗と、透明鱗の遺伝子が、ヘテロ
    接合して居り、これを繁殖させると、モザイク透明鱗が50%出現し、残り
    は、全普通鱗と、全透明鱗の個体が、それぞれ25%ずつ得られる。
      50%得られた、モザイク透明鱗の個体も、観賞価値の低い物が混じるか
    ら、この系統の、商品としての部止まり率は、およそ30%位しか期待でき
    無い。
        ★参照  →  遺伝、アサギ色。

【森文俊】
      熱帯魚という、マイナーな世界で、評論家としてメシを食っている、珍し
    い人。
      最近は、ディスカスがブームだということで、毎月A.L.誌に写真や文
    章を乗せて、売れているが、いかんせん、市場が小さいので、ショップに都
    合の良いことだけを、無節操に書き散らすところがある。
      香港のディスカスが、仕入れ値が廉いと言うので、全国のショップが一斉
    に飛びつき、大々的に売り出そうとすると、ワットレィ・ターコイスとは何
    の関係もなく、『日本向けには、ワットレィの名前が売り易いので』と、香
    港のブリーダが馬鹿正直に述べている、ただニセ・ブランドを名乗っている
    だけの、ホンコン・ワットレィとか、ワットレィ・ブルーを取り上げて、
    『3系統もあるワットレィの中から自由に選べる、日本のディスカスマニア
    は幸せだ』(87年3月号のA.L.誌)等と、本物も偽物も区別できない、
    恥ずかしい雑文を、平気な顔で書き散らす様な、厚顔無知な評論家。
     最近は、多少物事が解るようになったのか、少しずつ方向転換し、時には
    まともな解説文を書くときもある。

【モンモリナイト】
      Momtmorrillonite = アルミ硅酸塩を主成分とする、粘土が固まった様な
    柔らかい、多孔質の鉱物。
      余り一般的ではないが、ゼオライトの代用に使える。
        ★参照  →  ゼオライト。

【火傷】
      水中で、発熱中のヒーターを触ってみると、結構熱い。
      水上で空焚きをすれば、熱いのが当然であるが、水中でも熱く、うっかり
    すると、火傷する。
      何しろ、暗闇の中で、水槽を見ると、ヒーターのスイッチが入っている時
    は、ボーッと赤く見える程である。
      肺魚、ポリプテルス等、水槽の底に腹を付けて生活する習慣のある、所謂
    底物と呼ばれる魚を飼育していると、ヒーターの上に寝転んで、酷い火傷を
    することが珍しくない。
      酷いときには、『鰹のタタキ』の様になり、この火傷が原因で、死んだり
    する場合も有る。
      我々の感覚で考えると、火傷をする前に逃げれば良いのにと思うが、魚は
    決して逃げずに、火傷をする。
      これは無理もないことで、彼らが生きて、進化してきた、水中という環境
    には、普通、周囲の水温に比べて、極端に熱い物とか、冷たい物は存在しな
    いので、熱を感ずる感覚が不要であり、発達しないまま、進化してきたと言
    う事情がある。
      勿論、広い世の中には、海底火山とか、川底から温泉の湯が吹き出してい
    るような処もあるが、こういう処は、水中に硫化物が吹き出しており、温度
    の問題以前に、呼吸が出来ないと言う、魚にとっては地獄のような環境であ
    る。
      この様なところでは、元々生きて行けないので、温泉の湯が吹き出してい
    るような処で生活し、温度を感ずるような機能が、発達するような必用が無
    かった訳である。
      従って、熱ければ逃げると言うのは、我々人間の勝手な解釈であり、魚に
    は、自分が今、火傷をしていることさえ感じないのであるから、これらの底
    物を飼育するときは、ヒーター・カバーが必需品となる。
      また、ヒーター・カバーをしただけでは不十分で、例えカバーをして有っ
    てもその上で寝転がるとやはり火傷をすることになるから、カバーに納めた
    ヒーターは、水槽の側面に、底から少し離して取り付け、この上で寝転がる
    ことが出来ない様に、防護しておく必用がある。
        ★参照  →  ヒーター・カバー。

【山崎美津夫】
      水草の、輸入、卸業者。
      京都で、ヤマサキ水草園と言う卸店を営む。
      筆が立ち、単に、販売するだけでなく、水草の魅力を普及し、自らのマー
    ケットを大きく育てる為に、沢山の解説記事を雑誌に発表し、啓蒙活動に努
    めている。
      また、水槽内で育てる水草の幾つかは、彼に依って和名を付けられたもの
    がある。
      店は、水草だけでなく、魚も扱っている。
      水草に関する知識は、業界でも筆頭であるが、魚は全くと言って良いほど
    解って居らず、バンコクから仕入れたR.R.Bディスカスを、底にサンゴ
    砂を敷き詰めた水槽に、収容している。
      シンガポールで、ディスカスの繁殖業者と接触し、そのライチョンと言う
    ブリーダの繁殖した、余り質の良くないディスカスを、「ライチョン・ター
    コイス」等と名付け、F.M.誌で紹介した。
      水草で鳴らしたネームバリューを利用して、一山当てようと試みたが、
    ターコイスと言うのは、名前だけで、余りの質の悪さに、半年もしないうち
    に、誰にも相手にされなくなって、忘れられたという、経歴の持ち主。

【ヤマト・ヌマエビ】
      体長3.5cm位の、わが国の神奈川県以南の河川に自生する、淡水生の、
    大型のヌマエビ。
      雄は、少しからだが小さく、体側に赤い斑紋が入り、雌は大型で、体側の
    斑紋がつながり、赤い雲状斑が入る。
      ヤマト・ヌマエビ自身は、地味なもので観賞価値はないが、私たちを悩ま
    せる、髭状のコケを良く食べてくれ、水槽の美化に役立つ為。
      確かにコケを良く食うが、水槽が綺麗になり、食べるコケが不足すると、
    柔らかい水草の新芽も食べるので、注意を要する。
        ★参照  →  コケ対策。

【優性】
      異なる形質を持った個体を選び、交配して雑種の子供を取ったとき、子供
    には、雄、雌の両親からそれぞれの形質を示す遺伝子が伝えられるが、実際
    には、対立する形質の中、一方だけが子に表現されるときがある。
      この時、この表現形に現れる方の形質を『優性』と呼び、表面に現れない
    形質を『劣性』と呼ぶ。
      例えば、金魚のランチュウは背鰭が無いという形質で、これと他の背鰭が
    有る系統との交配をすると、子供には背鰭が付いている。
      従って、金魚の背鰭に関しては、背鰭が有ると言う形質が優性で、背鰭が
    無いという形質は劣性であると言う。
      また、熱帯魚のグッピの場合、胴体に曲がりくねった模様の入る、コブラ
    は、どんな系統と交配しても、子の体表にコブラ模様が現れるので、コブラ
    模様は、優性であると言う。
      優性とか、劣性とか言っても、絶対的な物ではなく、比較される二つの対
    立形質の間の相対的な物である。
      例えば、「赤」と「青」の交配で、子に赤の表現形が現れ、青に対して赤
    が優性であっても、「赤」と「黄」を交配した結果、子に黄の表現形が現れ
    ると、赤は、黄に対して劣性であると言う事になる。
      詰まり、有る条件で優性であっても、それより更に優勢な形質との比較で
    は劣性という事になり、絶対的な優性とか、絶対的な劣性とか言う形質は、
    存在しない。
      もう一つ大切な事は、漢字で「優性」とか「劣性」と書くと、何か他依り
    も優れている、生物としての優劣関係を示しているような、印象を与え、特
    に品種改良をする時の、目標に近い、人間にとって都合の良い形質と、誤解
    され勝ちであるが、飽くまでも、子孫の個体に現れ易いかどうかと言う事で
    あり、生物としての優劣関係とは、一切無関係である。
        ★参照  →  遺伝。

【有茎植物】
      長く立ち上がる茎を持つ植物。
      有茎植物は、一言で言えば、進化の程度の高い植物である。
      水草の場合、有茎植物は、育てるのが難しい物が多い。
      強い照明と、炭酸ガスの添加が有効で、これらの対策無しに育つ、有茎の
    水草は、極めて限定された種だけである。
        ★参照  →  水草。

【幼形成熟】
      幼体と成体で、体型や体の構造が異なる種が、或る環境下に置かれた時、
    成体に成りきる事が出来ないで、幼体のまま、繁殖し、子孫を残す事。
      分かりやすく例えると、オタマジャクシが一生カエルに成らないまま、繁
    殖しているような物。
      ネオテニーとも呼び、メキシコサラマンダー(アホロートル)の例が有名
    である。
        ★参照  →  ネオテニー。

【ヨーク・サック】
      卵生の動物は、卵の中に、幼体になる細胞の他、幼体を養う初期餌量にな
    る部分を持っている。
      日頃見慣れている「鶏卵」で言えば、白身の部分がヒヨコになり、黄身は
    ヒヨコの体の中に取り込まれる、栄養分である。
      普通は、稚魚の腹腔に取り込まれており、孵化したばかりの稚魚は、腹が
    膨れているが、中には、シルバー・アロワナとか、ブラック・アロワナの様
    に、体の外に黄色い袋をブラ下げているものもある。
      アロワナのヨークサックは、2週間ほどで、腹の中に吸収されるが、それ
    までは餌を食わなくとも、飢え死にはしない。
        臍嚢(さいのう)とも言う。

【横縞】
      魚の横縞というのは、背鰭と腹鰭を繋ぐような方向の、脊椎とは直角に交
    わる方向を言う。
     スマトラのブラック・ライン等がこれに相当する。
      これは、泳いでいる時には、縦に見える方向であり、見た目と、縦横の関
    係が一致しない。
        ★参照  →  縦縞。

【四つ目魚】
      アマゾン川を初めとし、カリブ海に流れ込む川の、下流の汽水域に棲む。
      学名は Anableps anableps。
      実際に目が四つ有る訳ではないが、目の網膜が上下二つに分かれており、
    目玉を半分だけ水面上に出していると、水中と、水上の二つの視界を同時に
    見る事が出来るという、器用な魚。
      外敵から逃げるとき以外は、何時も水面を泳ぎ、水中と、水上の両方の餌
    を探す。
      主な餌は、海老類。
        ★参照  →  汽水魚

【ライン・ブリード】
      熱帯魚に限らず、生物の品種改良を進めるとき、一系統だけで、イン・ブ
    リードを何代か続けると、内婚弱生に依って、奇形などが多発するときがあ
    り、行き詰まる恐れがあるが、最初にF1(雑種1代)から、将来の新種の
    基礎となる形質を持ったペアを選び出すとき、同じ形質を示すペアを2組選
    抜し、それぞれのペアを土台に平行してイン・ブリードを進める。
      この2組の系統は、最初の親以外は、途中で血がつながらず、絶縁された
    状態で別々にイン・ブリードを進める。
      そして、内婚弱生が現れた処で、この平行してイン・ブリードを進めてき
    た2つの系統の中から、雄、雌を別々に選び交配する事に依って、表現形質
    は殆ど同じであるが、血縁関係の遠い物を交配させる事が出来るので、再び
    強健な体質を取り戻し、品種改良を進める事が出来る。
      この様に、同じ親から出発しながら、別々にイン・ブリードしてきた系統
    を途中で交配し、血を交換する事をライン・ブリードと呼び、実際の品種改
    良の有力な手段となっている。
        ★参照  →  イン・ブリード、内婚弱生。

【ラッフル・ソード・プランツ】
      アマゾン原産のエキノドラス科の水草 = Echinodorus major。
      アマゾン・ソード・プランツよりも、葉が大きく、固い。
      葉の周辺部が、波打って居る(= Ruffled)ので、この名前がある。
      ショップで販売されているのは、水田などで栽培した水上葉の物であり、
    水上葉だけを見ると、アマゾン・ソードに良く似ているが、水中葉はかなり
    イメージが違う。
      白い根を、僅かに伸ばし掛けている物を、購入すると良い。
      移植を嫌い、根を動かすと育たないので、初めに植える場所を決めたら、
    そこから動かさない事が大切。
      植木鉢に植え込めば、良く育つ。
      多少、強い光線を要求する。
      元気良く育つと、株の根元に子株を発生する。

【卵生目高】
      メダカと言えば、わが国の水田地帯に生息しているメダカも、卵生である
    が、これは世界的に見れば少数派。
      実は、同じメダカと言う名前がついていても、中米のグッピーも南米やア
    フリカの卵生メダカも、メダカ目ではなく、トウゴロイワシ目に所属してお
    り、これが世界のメダカの多数派を形成している。
      誰でも知っているグッピー等は、卵胎生と言って、雌親の腹の中で卵が孵
    化し、生まれてくる時には、既に一人前の姿をしているので、卵胎生メダカ
    と呼ばれる。
      そうでは無く、乾季には一滴の水も無くなるところの水溜まりで、短い雨
    期の間に成熟し休眠卵を産み、乾季がくると親は死んで仕舞うという、1年
    生の熱帯性メダカを「卵生メダカ」と言う。
      卵は、乾燥した泥の中で休眠しており、雨季がきて、水位が上がると孵化
    し、短時間で成熟する。
      この為、この種の魚を飼育するときは、ピートの塊の中に産卵させ、これ
    を水から取り上げて、少しだけ湿り気が有る状態で保存して置き、適当な時
    に水に入れると、孵化が始まる。
      卵殻は固く、少しくらいの力では簡単に潰れないので、封筒にいれて、郵
    便で交換する事も可能である。
      中には、もう少し水分の多いところに棲んでいる物もおり、2年以上生き
    る種類もある。

【藍藻】
      水質の悪化した水槽内に発生する、青黒い色の藻類で、水草の表面などを
    ベッタリと覆って、枯らせて仕舞う。
     これが水槽内に発生すると、生臭い嫌な臭いがする。
      これを食べる魚は居ない。
      対策としては、現在発生している物を綺麗にこすり落として、取り除いた
    後、水草を沢山植えるか、頻繁な水替えを繰り返し、水中の窒素化合物の濃
    度を低下させる以外に、有効な対策はない。
      フィルターがしっかりと働いている、よく管理された水槽には、発生しな
    い。
        ★参照  →  コケ対策。

【卵胎生魚】
      良く知られたグッピーの様に、魚の中には、卵を産まず、いきなり親と同
    じ姿の仔魚を産む物が居て、一見、胎生魚の様に見える種がある。
      しかし、魚には、胎生の種は無く、全てが卵生であり、胎生魚のように見
    える種は、雌親の腹の中で、孵化するまで保護し、孵化が完了してから生み
    出しているので、厳密に言えば、ほ乳類のように、親と子は胎盤を通じてつ
    ながっている訳ではない。
      この様な種を卵胎生魚と呼ぶ。
      グッピーの他、ソード・テール、プラティ等、中米の目高の仲間は、卵胎
    生魚が多数居る。
      この種の魚は、雌の体内で受精するために、雄から受け取った精子を、雌
    の体内に保存しており、精子の寿命は長い。
      従って、一度交配すると、雄が居なくとも、数回の産仔が可能であり、複
    数の雄が居る場合、どの個体と交配した子供が生まれているのか良く解らな
    いような処があるので、品種改良などを目的とした場合は、早期に雌雄を分
    離し、絶対に交配していない、処女雌を確保する事が大切である。
        ★参照  →  処女雌。