#90 水草>初めての水草水槽(管理編)その1〜5    ヒロちゃん
ヒロちゃん ID:CABOMBA  95/11/19 #770〜#774 水草水槽


初めての水草水槽(管理編)その1       ヒロちゃん

 立ち上げ編から少し間があきましたが、管理編のスタートです。

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「初めての水草水槽」 管理編
                                   PC-VAN 熱帯魚☆倶楽部
                  CABOMBA ヒロちゃん
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1.管理のはじめ

 如何に水草を綺麗にレイアウトしても、水草がうまく育つ環境を水槽の中
に実現しなければ、苔は生え水草は枯れていきます。
 特に難しい期間というのは、水槽をセットしてから1ー2週間でしょうか。
 水質の安定しない水槽では、水草がうまく成長してくれません。

 何故、成長しないのかというと、「濾過バクテリアが十分繁殖していない」
、「水質が不安定」と原因は色々あります。
 この期間は、水草よりも成長の早い苔の類が大繁殖しやすい期間で、始め
から余程良い環境を実現していない限り、誰でもがみまわれる一つの壁であ
り、これをどう乗り切るかで、その水槽の出来が左右されます。
 この壁をうまく乗り越えた水槽が、綺麗な水草水槽へと変わって行くので
す。

 多くの初心者は、この壁を乗り越えられずにあきらめてしまう人が多いの
ですが、何とかこの壁を乗り越えて綺麗な水草水槽を作って下さいね。

2.苔対策

 折角綺麗にレイアウトしてもコケにおおわれて、少しも綺麗じゃない水槽
って誰にでも経験が多いと思います。
 ここでは、苔対策のお話しを中心にいたします。

2.1.蛍光色の藍藻

 濾過槽が不活性になると出現してくる妙に派手な色をした苔で、その増殖
力は強大で、場合によっては2日3日でほとんどの水草を覆いつくします。

 この苔の原因は、濾過能力が不十分な場合に起こります。
 例えば、水草水槽に新しいフィルターをセットした場合、セット初期水草
が活性化しきれず光合成による酸素供給が不十分な場合、夏場など水草が弱
ってしまい光合成による酸素供給が
不十分な場合。
 濾過というのは、濾過バクテリアによって水槽内の腐敗物を浄化するため
、活性化させるためには多くの酸素が必要です。
 また、新しいフィルターのセット初期では、濾過バクテリアが繁殖しきれ
ず能力不足となりがちで、それが水草を不活性にし、また、ここで光合成不
足による酸素不足、そしてこれが悪循環になりがちです。

 通常、魚を主体としている上部濾過を用いている水槽では、この苔が発生
しにくいというのは、上部濾過ゆえに水槽内を好気性に保っているためです。
 CO2添加のために密閉型フィルターを用いている水草水槽は、この好気
性環境を作りにくい欠点があります。

 この苔の発生時点では、その度合によって判断が必要で、その成長具合で
、対処するかしないかに分かれます。
 もし、発生量が一部の少ない範囲であれば、そのままでも良いのですが、
その成長が著しい時には、早めの対策が必要です。

 この苔の対策には、エアレーションなど水槽を好気性に保つ事が効果的で
す。(弱めのエアレーションでも可)
 エアレーションしても、濾過が活性化するまでは数日を要しますから。徐
々に濾過バクテリアを増やして行くために様子を見てください(2週間くら
いはジックリと)
 この苔の勢力が弱まり始めると、徐々に縮み色がだんだんと蛍光色から濃
緑色へと暗い色へ変化し最終的には消滅します。
 この後始末には、ヤマトヌマエビなどを数匹入れると効率的です。(ただ
し、弱った水草を食い荒らさない程度に少なく)
 そして、もし、エアレーションでもこの苔を阻止出来ない場合は、ライト
の数日消す事も同時にやってみてください。

 また、このエアレーションの最中のCO2添加は、同時に行なっておく方
が水草の活性化に効果的です。
 拡散筒にCO2を溜めて自然に溶けるのを待つ添加方法では無意味ですが
、連続的に強制添加している水槽では、エアレーションによってCO2が曝
気されるといわれていても、添加の効果があります。

 私の所では、普段からエアレーションと多目のCO2添加を同時にしてい
る水槽もありますが、タイマーコントロールで昼間はCO2添加、夜間はエ
アレーションとそれぞれを切り替えて使っている人もいます。

 エアレーションは、藍藻の対策だけでなく、水質を良い状態に保ってくれ
るので、何等かの形で行なうことを奨めます。

初めての水草水槽(管理編)その2       ヒロちゃん

2.2.茶色(環境によっては緑)のベトつく苔

 これもセット初期に発生する苔です。
(100%新しい水で始めた水槽は特に多い)
 濾過が不十分であることも一つの原因ですが、これには水質の不安定度が
大きな原因と考えています。
 私は水道からでた水は、水質の安定するまで約一週間かかると考えていま
す。
 例えば、水道の水を何も入れていない水槽へ入れてみると、どういう事が
起こるかやってみるとわかりやすいと思います。

 水道の水を水槽に汲んで、この水に弱めのエアレーションをしてみてくだ
さい。
 数日すると、黄色(茶色)っポイ苔が発生し、沈殿するのがわかります。
これが、ある程度沈殿すると大変綺麗な澄んだ水へと変わります。
 これは、同じ水道水でも、その季節によって沈殿の量が変わります。
 この沈殿の終わった水を換水に使うのは問題無くむしろ水草に適切な水と
言えるようですが、この沈殿の終わる前、水道から出た直後の水では、どう
も水草(特にクリプトコリネ類はこれに弱いみたいです。)の成長が悪いよ
うです。(ディスカスの換水に使う水にも同じ事が言えますネ。)
 恐らくこの苔が、水道水に含まれる有害な物質もその他の物質と一緒に肥
料として取り込み無害化しているのではないかと私は考えています。(水温
を37度くらいでやると翌日は別のバクテリアで白濁します。何等かの成分
が水道水には多く含まれているんでしょうね。)

 通常、溜め置き水槽まで用意している人はいませんから、こういった場合
は、一回の換水量を少な目に抑えることで対策できます。
 更に、ミクロフィルターや活性炭フィルター、軟水器などでも、それら余
計な成分を減らしてくれるようです。

 そして、もし、この手の黄色い(茶色)苔が多く発生してしまったらヤマ
トヌマエビとオトシンクルスで対策できます。
 どうも、ヤマトヌマエビは、この苔が大好物の様で、かなり効果的に苔を
壊滅させます。

2.3.タヌキ藻の大繁殖

 水槽内が何等かの影響で生態系バランスが崩れた時に特定のプランクトン
が大発生し水が軽く濁ったようになります。
 タヌキ藻はこんな水質が大好きで、この時大繁殖します。
 タヌキ藻とは、一見細長いような苔にも見えますが、所々にタネの様な捕
虫のうを持ちます。
 つまり、タヌキ藻とは食虫植物の一種で、生態系バランスが崩れ大発生し
たプランクトンを捕食して増殖します。
 この場合にも、基本的には水質の改善で生態系バランスを取り戻すことが
対策となりますが、塊となったタヌキ藻は手で取り除いた方が効果的です。
 また、タヌキ藻は、多少なりとも水草水槽には存在し、普段は、水草の影
に隠れておとなしくしています。

2.4.黒い房状の苔

 この苔は、水草が密生していても器具などに微量に付着しています。(結
構固くてなかなか取れない。)
 水草に活力がある場合は、存在していてもそれほどの増殖力がないので特
に問題がないのですが、水草の活性が無い場合、徐々に勢力を増して大増殖
することがあります。
 この場合、水草の環境はもとより、成長の早い水草を入れてみるのも一つ
の手段ですが、手におえない状態まで進んでしまったら、毎日、朝晩5cc
程のオキシドールを水槽に滴下すると効果的です。(ただしオキシドールは
リシアには厳禁)
 更に、スポイトで直接コケにかけてやると2・3日で赤化し徐々に白色透
明になります。
 しかし、赤化して死んでも中々取れないので嫌な苔なのですが、白色透明
になったらヤマトヌマエビでも嫌々ながら食べているみたいです。

2.5.全般的にひどい場合

 あらゆる苔に占領されてしまって、どうにもならない水槽でも、何等かの
キッカケがあれば綺麗な水草水槽に戻ってくれる場合があります。
 セットして間もなく、底床がまだ新しい場合には、まだ何等かの手段は残
っています。
 水草の茎を触ってみて、プチプチ簡単に切れるようになってしまっていた
ら、既に手遅れなのですが、まだ水草に張りがあるなら、もう暫く苔対策に
挑んでみてください。

 1)まず、濾過を充実させよう!

   濾過に関しては何度もお話していますが、1にも2にも濾過能力とい
  えるのです。
   そして、濾過に必要なものは酸素、この酸素を効率良く与える為にエ
  アレーションを少し強めにしてください。
   こういった水槽の場合、多分、水面には油膜が発生して余計に水槽内
  への酸素供給の邪魔をしていることでしょう。
   もし、濾過スペースと器材に余裕があるなら一時的に上部フィルター
  を設置してみるのも一つの手段です。

 2)苔対策の薬を使ってみる。

   私はあまりに酷いときは、テトラのアルジミンを使ってみます。
   もちろん、他の方法と併用するのが効果的ですが、何種類もの苔の中
  で数種類には効果があります。
   通常、テトラのコンディショナーといえば、日本語の翻訳で間違って
  いるのか、もともとの標準規定量の3.8倍を使用するように説明され
  ていますが、苔退治の時はこの日本語での標準使用量で実施します。

 3)蛍光燈を消す。

   アオミドロと呼ばれる長い苔には特に効果がありますが、蛍光燈を数
  日消すだけでも、大きく効果があります。
   普段から、週に1日程度蛍光燈を消す日があると苔の対策や、強すぎ
  る光に弱い水草にも休息の日を与えることになります。

 4)大量にヤマトヌマエビをいれる

   特に、ショップに売られているヤマトヌマエビは、普段から餌が生か
  さず殺されず状態で与えられているので、苔だらけの水槽に入れると、
  死に物狂いで苔を食べてくれます。
   特にひどい水槽では60センチで新しいエビを20尾から30尾入れ
  てやると数日で奇麗になります。

 この方法の組合わせでは、かなり効果的に苔を退治できます。
 ただし、苔が消滅した後に、水草にとって成長の良い環境を完成させてお
かないともとの苔水槽に戻ってしまうことがあるので管理面の方は注意して
くださいね。

初めての水草水槽(管理編)その3       ヒロちゃん

3.日頃の管理

 水草が奇麗に繁茂していても、徐々に伸びすぎた部分や邪魔になり、レイ
アウトのバランスが崩れてきたりします。
 ここでは、そういった日頃の手入れをお話しします。

3.1.トリミング

 水草が伸びすぎて、レイアウトバランスが崩れて来たときにはトリミング
してバランスを取ります。

 1)有茎水草のトリミング

   茎を中心にして葉を出す水草は、有茎類と呼ばれていますが、こうい
  った水草の場合はバッサリと適当な長さで頭を揃えて切ります。
   一時的に、丸坊主に近い状態になって寂しくなりますが、ここは思い
  切りが大切で頭を揃えて切らないと、新芽の成長が不揃いになり、結果
  的にはバランスの取れない水槽になってしまいます。
   水草の切った頭の部分は、さし木して使う事が出来ますから、別の水
  槽へ持っていったりここのメンバーへFAPしても良いと思います。

   ただし、切った根っこに近い部分の茎の状態は確認してください。
   もし、茎を軽く曲げてプチッと折れるようであれば、その茎からの新
  芽は期待できないので、切った頭の部分と植え代える様にしてください。
   こういった根の部分が駄目になりやすい水草は、特にレッドカボンバ
  などが駄目になりやすい筈です。
   また、植えた時点で気中葉(空気中で育った部分)だった部分も、種
  類によっては腐りやすく同じ様に新芽の期待が出来ないので、こういっ
  た水草も根っこの部分を取り去って植えると調子が良いようです。

 2)ロゼットタイプの水草

   根元から直接葉を出し、地中根によって増えて行く水草をロゼットタ
  イプと呼んでいます。

   こういった、水草は地中根やランナーなどでどんどん横へと自分の占
  領地を増やして行きますから、横から競りで出て来るランナーや芽をつ
  みとってやります。
   そして、株もどんどんと太くなってきますから、こんな場合は、株の
  外側の古い葉を切り取ります。
   しかし、このロゼットタイプの水草同士での占領合戦で自然に作られ
  る水景を楽しまれる方も多いですね。

   クリプトコリネなどは、自分の適した環境であると、物凄い勢力で底
  床を占領していきますから、1年も経過すると根を伸ばす隙間がないほ
  どになります。
   クリプトコリネとかは、ジックリかって気ままに育てたいですね。

 3)ウイローモス

   ウイローモスは、流木にかつちゃくして育ってくれると良いのですが
  、上に伸びだすと手におえなくなります。
   こんな場合は、流木にから1センチ以内程度、5分狩りするつもりで
  はさみでチョキチョキ刈り込みます。
   この5分狩りを数回繰り返すと見事になります。

4.液肥の添加

 液肥の添加は、少し使い方を誤ると即時で苔水槽へと変貌してしまうので
、使い方には十分注意が必要です。
 液肥を使っても良い水槽とは、水草全体の成長が早いわりに、ある特定の
水草の成長が極端に遅く(殆ど成長していない)成長点の部分が白化したり
している場合に用います。
(成長点の白化については、光の原因もありますから後述する照明に関する
項も読んでください。)

 通常は、原液を20倍程度に薄めてから使いますが、その使用量は、水槽
内の水草の繁茂状態により、ある程度、標準使用量から割り引いて使用すべ
きです。
 一般に標準使用量とは、1週間分の量を規定していますが、一度に1週間
分まとめて添加するよりは、これを1日分に換算し毎日その規定量の7分の
1ずつ添加をする方が、一時的に液肥濃度が高くなることを防ぎ、苔にまみ
れる確率を下げてくれます。
 ここで、一点注意しておきたいのは、テトラの液肥の場合、(テトラのウ
ォーターコンディショナー全般)外国での標準規定量より3.8倍の量を表
示しているので注意してください。
 多分、翻訳の際 ガロン表示を換算しないままリットル表示にしたための
様です。(10リットルあたり5ccとありますが、38リットルあたり5
ccと読んでください。)

 また、絶対しないで欲しいことは、水草の植え代え時やトリミングの後、
液肥の添加です。
 植え代え、トリミング時は、水草の勢力が一時的に落ちますから、苔はこ
の隙を狙って一気に繁殖をくわだてています。
 この時に液肥を使用してしまうと、苔繁殖の手助けとなってしまいます。

初めての水草水槽(管理編)その4       ヒロちゃん

5.部分トリミングと底床肥料の追肥

 有茎の水草を中心とした水槽であれば、3ヵ月から6ヵ月で水槽の丸洗い
をした方が良い結果が得られます。
 これは、底床に腐敗物が溜まってくると、有茎類の成長が著しく低下して
いくためです。
 限界の来た水槽では、トリミングなどを行なうと、そのまま新芽を出せず
に苔に負けてしまうことが多く、こういった場合は水槽を丸洗いにした方が
手っ取り早いのが現実です。
 しかし、折角きれいにレイアウトした水槽を少しでも長く残したい場合は
、次の方法を取ることができます。

 まず、トリミングはいっぺんに行なわず部分で行います。
 一回のトリミングは、特定の水草だけにして、その密生している範囲の水
草を根元から全て取り除きます。
 水草を取り除くと、その範囲の底床が露出しますから、この部分を、水作
プロホースなど底砂掃除用のホースで砂の中のゴミを吸い上げて奇麗にしま
す。
 ある程度、その範囲の底床が奇麗になったところで、その部分に練って固
めた肥料をピンセットで植え込みます。
(練って固める肥料については、初めての水草水槽の立ち上げ編を参照して
 ください。)
 この作業が終わったら、もともと植えてあった水草を適当な長さに詰めて
植え込んでください。
 この場合、成長点を持つ上の部分を使用した方がうまく行きます。

6.照明の光量と点灯時間

 水草の育成には、ある程度の光量が要求されます。
 ただし、単純に明るくすれば良いと言うわけでもありません。
 自然界を見てもわかるように、朝から晩まで一定の光量でお日様に照らさ
れているわけでもなく、たまには曇の日もあれば雨の日もあります。
 比較的リシアやロタラは、明るい光で長い時間照らされている方がうまく
成長しますが、マヤカやアヌビアスなど、やたら長時間照らされるのを嫌う
水草もあります。
 水草の種類によっては、24時間つけっぱなしの方がベストだったり、8
時間程度の照明がベストだったりします。
 長時間点灯を嫌う水草の場合、肥料不足と同じ様に成長点が白化する傾向
があり、こういった問題のある時には、照明時間を色々とコントロールして
みると良い結果が現れます。
 照明のコントロールには、タイマーなどを使って毎日規則正しい時間にオ
ン・オフを繰り返すように整備する事がお奨めです。
 そして、週に一度くらいは、全く照明を付けない日を設けると、水槽全体
が緑の深い色合いとなります。

7.水温

 夏場の高水温と言えば、既に多くの皆さんも体験されているように、水草
にとっては嫌な季節です。
 おそらく、この時期に水草を始められると、大半の方が挫折してしまう筈
です。

 水草の水温は、21度から24度程度が最も草活性化しやすい温度ですが
、これを超えていくと、水の中に溶け込んでいる酸素や二酸化炭素の溶存で
きる量が減ります。
 水草自体は、おそらくもっと高い温度でも、これら酸素や二酸化炭素の溶
存量が満足してさえいれば、成長できるのではないかと考えられますが、こ
の溶存量の低下は間接的に、酸素不足による濾過能力の低下や、光合成量の
低下が悪循環となり、
結果的に水草の成長阻害を起こしているように感じられます。
 そして比較的成長の遅い水草が、この高水温に強いのは、それ程活発に成
長する必要がないためではないかと考えています。

 夏場、水温はどうしても25度から30度、照明の熱もプラスされてそれ
以上の水温になることがあります。
 この場合は、まず、水槽の蓋を全て外します。
 さらに、水槽の上に乗っている蛍光燈と隙間を設けるように木の棒をはさ
んだりします。

         +-----------------------------------+
         |               蛍光燈              |
         +-----------------------------------+
  隙間->  ロ                                 ロ  <- 木の棒
         -------------------------------------
         |                                   |
         |                水槽               |

 こういう処置だけでも、水温は結構下げることができますがさらに、強制
的に風を水面にあてて冷却する方法もあります。
 これには小型のファン(旋風機のような物)を用います。
 ファンは、コンピュータなどの機器で内部の熱を外部に逃がすための装置
として使用されていますが、これと同じような物で直径8センチ以上のもの
を使用するのが手頃です。
 ファンには、色々と使用される電圧が違うタイプのものがあり、ここでは
AC100V用のものが家庭用の電気をそのまま使えるので便利かと思いま
す。
 このファンは、秋葉原電気街にあるジャンク屋さんなどで手に入れると6
00円程度で手に入りますから、これにスイッチとコンセントへつなぐプラ
グを配線して使います。

  ファン
   −         スイッチ      プラグ
  |O|====ロ====ロ=
   −

 最近、もっと効率の良い物ではペルチェ素子(最近CPUクーラーなどに
つかわれている)を用いた物が、秋葉原の電気街で見掛けることがあります。
 ちょっと高価ですが、パワーフィルターの途中に接続して使えるように加
工してありました。

初めての水草水槽(管理編)その5       ヒロちゃん

8.CO2(二酸化炭素)の添加

 大半の水草はCO2の添加はなくても育ちます。
 通常、エアレーションをして、外気と水を良く撹拌することによって水中
の酸素やCO2の溶存量をある程度確保されていれば良く育ちます。
 しかし、ある程度の量水草を繁茂させると、それだけでは不十分になるこ
とと、種類によってはCO2の濃度が高い方が綺麗に育つ種類もあります。
 通常、CO2を必要としない水草は、CO2を添加しているよりも添加し
ない方が綺麗な場合が多く、こういった品種ではCO2の添加により葉が肥
大化し、かえって邪魔な存在になります。(ルドウィジアやハイグロ、アメ
リカンスプライトなど)
 こういった水草を中心にするのであれば、CO2を添加しない方が葉が細
かく綺麗です。
 逆にCO2添加で活性化し、綺麗になる水草の代表といえばリシアがあげ
られます。

 CO2の添加にはコップを逆さまにしたような容器にCO2をためておき
、自然に水に溶け込んで行く方法の自然添加法とウッドストーン等でCO2
の細かい気泡を添加する連続添加法そして、水流等をかけて強制的にCO2
を水に溶かす強制添加法などがあります。

  1)自然添加法
     CO2を添加する方法で最も低いコストで始められます。
    しかし、そのCO2供給量は決して十分なものではなく、その環境
    のバランスを崩しやすく、苔に襲われる機会の多い方法です。
     また、添加するCO2をスプレー缶に入った物を使用するとラン
    ニングコストが高くなります。
     しかし、高圧ボンベを使用するとしたら、レギュレータが必要に
    なりますから、この時点で2や3の方法を取ることができます。

  2)連続添加法
     ウッドストーンなど、微細な気泡をだせるものを利用しCO2を
    適当な圧力で連続的に加え、添加量によってはCO2の溶存量を高
    く保つ事ができます。
     しかし、この添加ではCO2を無駄に使う事が多くランニングコ
    ストは高くつきます。

  3)強制添加法
     CO2を無駄なく溶かす事ができるために、ランニングコストは
    連続添加よりも5分の1で済みます。
     しかし、導入コストはもっとも高い物となります。
     自作で装置を作るなど、導入コストを下げたり色々工夫している
    方々が多くいます。

 2・3の方法は、CO2濃度を高くしすぎて魚を殺してしまう事があるの
で、そのコントロールには十分注意が必要です。

 しかし、CO2の添加する水槽では、パワーフィルターを用いるために嫌
気性環境になりやすく、添加量が少ない場合は結果的に光合成による酸素供
給量も同時に少なく、濾過能力の低下や夜間水草が吸う分の酸素不足が慢性
的な成長阻害を起こします。
 もし、1の方法でCO2添加をする場合には、夜間には弱めのエアレーシ
ョンをすることが良い結果をもたらします。

9.換水

 水草が綺麗に繁茂している水槽は、一般の熱帯魚水槽に比べるとかなり換
水量を減らすことができます。
 しかし、全くの無換水よりは、多少なりとも水を換えていた方が苔の対策
にもなります。
 ただし、一度に大量換水すると、余程水草が活性化していないかぎり、シ
ョックが大きいようなので、多くても30%程度に抑えるべきです。
 また、換水の間隔も状態によりますが、週に一度から月に一度程度で十分
です。
 なるべくなら週一度、4分の1程度に行なうのがベストと思われます。
 しかし、夏場となると話しは少し変わって来ます。
 夏場は、水質が悪くカルキ分が多く、そして水温が高いために溶存酸素や
CO2濃度が大変低いために、換水そのものも無意味になりがちです。
 冬場の換水時のように、換水後の大量な酸素の泡が見られることは夏場の
換水では滅多にありません。
 かといって、夏場でも長期的に換水しないわけにも行きませんから、より
小刻みに少量換水が必要になります。

 また、水草専用の水槽だからと、塩素を中和しない方もいらっしゃいます
が、水草も魚と同様に塩素は大敵であり、ハイポなどでの中和剤は必ず使用
してください。

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 以上、今回は管理編を書き終えたところです。
 次回には、水草毎の育成方法を少しずつでも書いて行きたいと思います。
 しかし、中には私の苦手な水草もあり、100%アドバイスできるわけで
はないので、この辺はあまり期待しないでくださいね。
 さて、いつ頃になるだろうか、書き上がるのは?

PC-VAN SIG 熱帯魚☆倶楽部 ---------- ヒロちゃん(CABOMBA)