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静竜 ID:GUN59250 96/6/3,96/6/26,96/8/11 #9599,#318,#1458 熱帯魚☆倶楽部

熱帯魚屋体験記〜静竜編〜 その1

 さて、是非にと言ってくださる方もいるようですんで、
ちょっとおそるおそるの第一回熱帯魚屋体験記〜菊丸編〜をお送りしようかな。と。
恐れ多くてライブラリーには書けませんので、
話のネタついでに、こっちに書くことにします。

それで、みみくんさんがアロワナを飼うということなんで、
今回はそれにあやかってアロワナの話をしておきます。
あ、みみくんさん。ご挨拶がまだでしたね。
この場を借りてご挨拶申し上げます。 宜しくお願いしまーす。

と、言うわけで、アロワナです。
アロワナといったらやっぱり僕はアジアアロワナが好きですね。
とにかく色が綺麗だし、成長に伴って色が鮮やかに変化していくので育てがいが
あるということで。
しかし、やはりそういうやつは決まって値段が高くって、とてもじゃないけど
僕のサカナバイト先のホームセンター程度では置けません。
例え置いたとしても、こういう店に来るお客さん層は、だいたい5・600円を
こえるとあんまり買ってくれないので、かわいそうな末路を迎えること請け合いです。
そこでこの手の店で入れるやつは、安価なブラックかもしくはシルバーアロワナと
決まってるわけです。
ところが、いかにこれらのアロワナちゃんでも、アロワナであるかぎりは
やっかいな性質を持ってます。

 一つに、本当にあっという間にでかくなる。ってことです。
極端な話、外で飼われていたやつで、人間の身長並みにでかくなってたやつがいて、
それがなんと側に生えていた木の枝までどかんと跳ね上がって、
豪快になんか昆虫らしきものを補食するほどだそうで。
それって、子供が見たらトラウマ残るだろうなーってぐらい。いや、マジで。
ところが、別に水槽が大きいのがあれば問題はないんですが、
店の場合、そんなアロワナちゃんをでかい水槽が無くても、
売れると判断したならばベビーで仕入れてきます。
ところが、水槽が小さいところでアロワナちゃんなんぞ育てると、
当然すぐに限界がくるわけで・・・・・・
悲しいことにアロワナちゃんの成長が止まってしまうんですね。これが。
徐々に大きい水槽を買ってけばいいさ。と、45cmの水槽からベビーを買い始めた
お客さんが、90cmの水槽に移した頃には成長が止まっていたという。
間の抜けた話。
ですが、こういった販売店側もたいがい大間抜けで、
逆に店でもこの前そういうアロワナちゃんを売ってしまって、
でかくならんぞぉ!と、クレームの嵐になってました。

教訓その1。牢名主のアロワナは買わない。
教訓その2。初めからでかい水槽で飼おう。

 その2、生きのいい魚が大好物。
いや、そこがいいんだけど、こやつらは節度というものがありません。
 で、第3。
アロワナちゃんは跳ねるのが大好きというのが、おそらく最大の問題です。
そう。アロワナちゃんは跳ねます。思い切り跳ねます。
アロワナは暗いところに思い切りつっこんでいく性癖を持っていて、さらに水の中では
水面は相当暗く見えるのだそうです。
だから、アロワナちゃんは上に跳ねるのです。
下手をすると水槽の外に飛び出して、翌朝に見てみたら水槽横で干からびてた
ということも多々あります。
それを防止するには水槽に蓋をしておくのがいいのですが、水中から見れば、ガラス蓋
は明るく見えます。たまにガラス蓋の切れ口からジャンプするので気をつけましょう。
 うちの店でもこのアロワナジャンプで、8匹に1匹くらいは干からびています。
ですが、店内のアロワナジャンプではもっと驚異的な問題が付与されます。
かなり前、水槽の棚割りで愚かな並べ方をしていた奴がいました。
そしてそいつはアロワナの隣の水槽に、こともあろうにテトラを入れていた・・・・・・
 第2の問題。アロワナは生きのいい魚に節度が無い・・・・・・
それで翌朝、水槽の点検をしていたら、テトラくんたちの姿は何処にもなく、
そのテトラの水槽ではアロワナちゃんが悠々と泳いでいたわけです。(笑)

 教訓その3。水槽の蓋は怠り無いように。

 と、こんなところで今回は終わっておきたいと思います。

 文章下手なんでうまく書けなかったです。
 ご意見、感想をお待ちしてます。補足もよろしく。


熱帯魚屋体験記−静竜編その2−

 えーと、そろそろ気が向いてきたんで(^^)
熱帯魚屋体験記−菊丸編その2−をお送りいたします。
え、聞きたくないって? そんなこと言わずに、ご相伴あれ。

 今回のテーマは、「はじめに初心者ありき」です。
ホームセンターの熱帯魚コーナーのようなところでは、魚を買いにくるお客さんの
約2/3は初心者です。ですが、そういう人に限って、魚の飼い方とか聞きもしないで
買っていくんですよね。
聞きたくないならそれはそれで構わないんですが、魚に悪いし、あとで、
「ここで買っていった熱帯魚、1週間ももたへんかったぞ!
どないなっとんじゃ! ああ!?」
とか、クレームつけてくるお客さんが後を絶たないので、
こっちが「やめておいた方がいいです」っていった奴は、強行しないでほしいなぁ。

とりあえず、一番やっかいなお客さんというのが、がんこじじいです。
なぜかじじいが多いですね。
ある時、熱帯魚が欲しいというお客さんがいるので、
網と器をもってその水槽の前まで行ったら、そこには60cmの水槽のセットと、
砂利やその他飾り付けの岩などの積んである台車が一緒に置いてあった。
みれば結構なお年のじいさんですな。
「・・・・・・この水槽で飼われるんですか?」って聞くと、
「おお、そうじゃ」って。
いや、・・・・胸を張って言わんでもらいたい。
だいたい、家に帰ってから水を張り始めてどーすんだ。ってわけで、
「水を作ってからの方がいいですよ。はじめ入れる水にカルキ抜き入れておいて、
だいたい5日から1週間くらいほっとけば、熱帯魚飼える水になってますから」
って、言ったんです。そしたら。
「ここの店員は、客にものを売りよらんのかっ!!」
って、ものすごい剣幕で怒り始めましてね。
仕方がないので、「お客様がよろしいんでしたら、お売りしますけどね」ってんで、
結局そのお客さんは、ネオンテトラ100匹と、グッピー20ペアとコリちゃん少々
を買って帰りました。(60cmで飼う数じゃないよ(^^;))
2日後、また来ました。(笑) ざまーみろ。

それから、熱帯魚飼いたいっていう年輩の老夫婦が来ました。
そのときはセールで安売りしてた水槽を買っていってもらったんだけど、
その2時間後にいきなりそのお客さんから電話が来たんです。
「モーターがうるさくて、しかも水を吸いあげんぞ!」
そのときはなんでか分からなくて、何でだろとか思ってたら、
そのまた2時間後に件のモーターを持ってそのお客さんが再来店!
で、試しに電源を入れてみたら、ちゃんと動く。そこで、ピンと来て、
「お客さん。水、どこまで入れました?」
ようするに、このラインまで水を入れて下さいの表示よりも遥かに水面が下で、
モーターが空回りしてたわけです。
頼むから、マニュアルくらい読んでほしい。

さて、初心者の方でもっとも多い失敗の1つが、水を作るってことの勘違いです。
カルキ抜きで、日向に一日水を置いておけば塩素は抜けている。というところから、
カルキさえ抜ければ大丈夫だと勘違いするのでしょうが、残念ながら、
濾過細菌がその状態では欠如しているので、そのまま飼おうとすると水が腐ります。
市販されてる濾過細菌の元みたいなやつを入れないなら、だいたい5日ほどほって
おけば、勝手に増えるものなのですが、
説明したのに、水槽買ってから2日後にディスカス買いに来たお客さんとかいました。
もう、従業員総出で止めましたよ。今ではその人、うちのお得意さんになってます。
「熱帯魚の水なんて一回煮沸殺菌してひやせばいい」と言う方もいますが、
それも同じ理由で却下です。(水換えの時は構わないですが)
あと、井戸水とかならいいじゃないかってお客さん。
「いや、塩素はないからいいんですが、何が入ってるか分からないんで、
一応、水質調整剤だけはいれておいたほうがいいですよー」
(井戸水には重金属が多く含まれていることが多い。)
っていったら、そのお客さんは笑いながら、
「なにいってんの。私らみんなそれを飲んでるのよー。あかんことあるかいな」
そういって、去っていきました。
 ・・・・・・水道水だって、オレら皆、飲んでるんだぜ?
 で、あと1つは、一緒に飼える魚での失敗ですね。
例えば、ベタの雄を複数入れちゃうとか、グッピーやグラミーとかと一緒にスマトラ
を入れてしまうとか。(ひれやひげをスマトラが狙うのでよくない)
知ったかぶりのお客さんなんて、とんでもない組み合わせをしてきますよ。
アストロとテトラとか、グラミーとヤマトヌマエビとか、(これはまだしも)
「同じ青い奴だから大丈夫だよー」とかいって、
カージナルテトラとルリスズメとかね。
そういえば、「海水魚と一緒に入れられる水草ありませんか?」ってのも、
あったっけな。・・・・そんなのあるわけないだろ。(^^;)

でもね、ネオンテトラとグッピーの混泳は、実はいけるんです。
実際、一緒に飼ってる方、結構いるでしょ?
確かにphがテトラはだいたい6・5。グッピーは7・5ってのが一般的な数値
ですが、専門店ではどうかは知りませんが、ホームセンターのようなところでは、
入ってくる魚はすべてph7・0。つまり中性の状態で入荷してきます。
店頭で置いてる時も中性のままです。ですから、水質を中性のままで飼うなら、
別にネオンもグッピーもコリドラスも関係なしで飼えるんですね。
 ただ、後から追加しようという場合、もとの水槽のphをチェックする必要が
あります。自分ではphをいじったつもりがなくても、水槽の水質が変わってしまって
ることは多々ありますから。
例えば、長いことおいてある水なんかは、水の汚れなどの原因で水が酸性になってる
ことがあります。ネオンやコリドラスにはいいですが、グッピーにはまずいですしね。
 うちなんか、セールの忙しさにかまけて水換えを怠ってたら、
ディスカス水槽のphが5・0以下にまで下がっちゃってて、
(通常はディスカスは6・5くらい)
うおおおおぅっ! 死ぬなああああーっ!

最後に「はじめに初心者ありき」ですが、これはなにも買い手だけの話ではありません
。
店員だってはじめは初心者なんです。(オレもまだまだ)
 去年の暮れあたり新しいバイトが入ってきたんだけど、
そいつがまた結構怖いことをやってたりするんですよ。
 うちでは水槽掃除にプロホースとか使ってて、そいつが喜んで金魚水槽の掃除をして
いたんですが、
ある時、僕が出社したら、熱帯魚コーナーで主任やらチーフやら店長やら大勢集まって
大騒ぎになってるじゃないですか。
なんだ? と思ってみてみると、プロホースで水を吸い上げすぎて、濾過漕の水が
なくなって、濾過漕のモーターが燃えて小火出してやんの。(^^;)
大目玉食らってたなぁ。あいつ。
 あと、いつものように水槽の手入れしていたら、
お得意さんがやたら嬉しそうな顔をしてやってきた。
「今日、大儲けしちゃったよぉ」
「え? どうしたんです?」
聞けばそのお客さん、最近オープンした新しい店の熱帯魚コーナーに
足を運んできたらしい。
「そこでさぁ、ホワイトスタージョン(1匹7千円相当)がいたんで、
店員にいくら?って聞いたら、ほかにも値札がいっぱいついてて悩んじゃってさぁ。
結局、3百円です。だってさ。思わず2匹買っちゃった」(笑)
「・・・・・・プレコと間違えたな・・・・・・・・」
僕にも覚えがあります。店員ていっても、最初はこんなもんなんですよ。
いと、あわれ。
皆さん。新装開店した熱帯魚屋は、結構狙い目ですよ。(^^)


熱帯魚屋体験記−静竜編その3−     静竜

 では、本日は軽ーく流そうかなと考えている体験記その3です。
今回のテーマは「託児所たる所以」です。
前におしけんさんも体験記で書かれてたことですが、
気にせずいきましょう。(笑)

 ホームセンターの熱帯魚コーナーが託児所になるのは、
先人の述べたとおり自明の理という奴で、
やっぱ、こういうところには、親子連れで買い物に来る
お客さんが結構多いわけです。
で、親たちは子供が興味を引かれる熱帯魚コーナーに我が子を置いて、
悠々と買い物をすましてくるというパターンが一般的なんですね。
子供は魚を見て喜んで、親もちゃんと買い物をすませられる。
「なんて一石二鳥な黄金パターンなんでしょう。」とか
向こうさんは思われてるんでしょうが、
その影で犠牲になってる我々の存在も忘れないで頂きたい。

 親子そろって魚を見てるときでも、子供から目を離すなら一緒のことです。
子供は無邪気に、こっちが顔色が青くなることをしてくるのですから。
 一番多いのは、やっぱ水槽を面白がってたたくことでしょうね。
ばん ばん ばん ばん。 きゃははははっ!!
 何が面白いんだ。てめぇら。
 まあ、「水槽を叩くな!」何てことは、
親が言わないならこっちが注意してやればすむのですが、
実は、問題は親が水槽をたたくのを注意してるときだったりします。
なにせ相手が止めようとしてるのだから、そこに我らが介入したりすると、
ヒスなおばはんなんかは烈火のごとく大噴火しますから。
しかし、それも時と場合によりけりという奴で、
「あーら、○○ちゃん。おいたしたら駄目ですよー。
もー、だから駄目だって。あらあら駄目駄目。あら駄目駄目。」
 ばん ばん ばん ばんっ! きゃっ きゃっ きゃっ!!
 ぷちん。 止める気あるんかいっ!!
しかも、子供のばんばんは止まることを知りません。
「あーーーっ!!それはディスカス水槽!!」
「あああっ!!それはガラス水槽!(空のをグーでぶっ叩いた強者も)」
挙げ句の果てには、
「のどわああっ!?それはガラス蓋ーーーーっ!!」
 ガチャーーーーン。
幸いその子には怪我はなかったのですが・・・・・・
もう、涙がえれえれ状態。エレエレエレエレ・・・・・・・・(T-T)
さらには、ミドリガメを入れていた水槽を、いったいどうやったのか、
見事に破砕してくれたお子さんも居てくれたりします。
さすがにお子さんですので、水槽の割れた音に驚き、一目散に号泣しながら
逃げていってしまわれましたけどね。
逃げ足の速さも見事な物です。(全く、親子ともども)
ここまで来ると、涙を通り越して、師匠と呼ばせていただきたい気分になりましたね。

しかし、最高記録保持者は「ばんばん」ではありません。
その時は僕は休日だったので、聞きかじっただけの話になりますが、
年末。いきなり金魚が全滅しました。
しかも、うちの金魚水槽は8槽くらいが繋がってるので、8槽全ておしゃかです。
しかも年末。業者も休みで、年が明けるまで発注すら出来ないときに。エレエレエレ・・(T-T)
目撃者の証言によれば、子供が金魚水槽に何か混ぜていたそうです。
定説では、何かのジュースだろうってことになってます。
(何のジュースを入れれば金魚が全滅するのかは知らないが、ちょっと眉唾)
ま、ジュースと仮定したなら、本人はどうせ、
「お魚さん。お魚さん。このジュースおいしいよ。飲んでみなよぉ!」
ってな軽い気持ちで混ぜたのかも知れないんでしょうが。
うあぁ、ういぃ、ううぅ、うえぇ、うおおおぉぉぉぉっっっ!!(号泣)

余談ですが、そのあと金魚の発注もすみ、翌年15日に金魚水槽はまたにぎやかな
姿を取り戻しました。
しかし、翌々日17日に、関西大震災で再び吹っ飛ばされました。

ってなわけで、子供の監視は怠ってはならない必要事項なのです。
で、そんなもんだから、
また子供を置いて買い物をしてきちゃう親も増えたりなんかして。
ますます「託児所」になってしまう熱帯魚コーナーでした。

願わくば、早く引き取りに来てくれんことを願って。

                               静竜。