[ ホーム ] [ PC技術/システム技術 ] [ VB.NETプログラミング ] [ なるほどナレッジ ] [ インフォメーション ]

上へ
FFT乗算の原理
FFT乗算原理の確認
基数の決定
FFT方式の決定
FFTライブラリ開発
システムへの組込み

FFT乗算

FFTライブラリ開発

最終更新日:2007/01/25

●プログラム

 Web上にある複数のFFTコードを参考にした。いずれも、C で記述されており、VB.NETに、置きかえた。当然、Cooly-Turky アルゴリズムである。

●三角関数テーブル

 Sin、Cos は、頻繁に使うので、一々関数を呼び出していると時間が掛かってしまう。そこで、予め必要なものをテーブル化する。原理的には1/4周期があれば、再現できるが、面倒なので、2π 分もつ。一般に、データ数をNとすれば、原始根は、2π/N から求められる。また、各回転子は、i = 0〜N-1 の範囲で、2π*i/N から算出する。一見、Nが変わると、テーブルも作り直しと思われるが、以下のように考えると、Nmax で作成しておけば、良いことが分かる。

 データ数N は、2m なので、Nmax と、N との比は、必ず整数(2k = 2(Lm-m))となる。つまり、最大のテーブルを2k きざみとしてアクセスすれば良い。今、Nmax = 8 とすれば、N = 4 で、i = 3 は、

  3/4 = 6/8

なので、テーブルのインデックスの6 = 3 * 2(3-2)を参照すれば良い。

 Cos は、Sinテーブルにて参照できる。2の冪乗は計算しないで、テーブル参照で行っている。

●試験

 FFT試験ユーティリティによる試験結果である。

○UniFFT

 データ数16で試験した結果である。

入力は、整数の複素数として、FFT順変換と逆変換したものである。逆変換で、元に戻っているのが分かる。但し、結果は全て整数化している。

○UniFFTDouble

2組の実数データ、データ数16の結果である。

 

入力は、二組の整数の実数を、同時にFFTしている。順変換の結果と、その逆変換の結果である。逆変換で、入力の実数が再生しているのが分かる。但し、結果は全て整数化している。

○ConvolutionInteger

線形畳み込みの例

 データ数が16の例で、後半を0にして、循環畳み込みした例。つまり、疑似線形化した例。

100進数の1020304 * 1020304 =1041020252416 の乗算と同じ。結果は合っている。 

・循環畳み込みの例

 0を埋めない循環畳み込みをして見る。

全くことなる結果となった。しかし、循環の意味は、要素がサイクリックに扱われることで、以下のように考えると良い。 

1 2 3 4     
1 2 3 4      
4 8 12 16    
6 9 12 3   3*1は循環し後ろにつながる 
6 8 2 4   同じく循環(赤)
4 1 2 3   同じく循環(赤)
20 26 28 26   緑の26が先頭で、右方向に循環して読みとる

上位の結果が後ろに回り込むことになる。これを、後ろに0を埋めると、以下のようになる。

1 2 3 4 0 0 0 0
1 2 3 4 0 0 0 0
0 0 0 0 0 0 0 0
0 0 0 0 0 0 0 0
0 0 0 0 0 0 0 0
0 0 0 0 0 0 0 0
0 0 0 0 4 8 12 16
0 0 0 3 6 9 12 0
0 0 2 4 6 8 0 0
0 1 2 3 4 0 0 0
0 1 4 10 20 25 24 16

赤は、回り込みである。同様に、結果は、緑の1を先頭に、右方向に循環する。最後が0となる。これは、線形畳み込みと同じ結果となる。つまり、フーリエ変換を騙すのである。