「プロパガンダ写真研究家」松尾一郎の目の節穴度
ニセ写真攻撃−斬首解決編

               
2004.1.27 first upload
                     2004.1.28 reviced

 

 

1.斬首を笑って眺める日本兵(解決編)
zanshu85.jpg
写真1.『南京大屠殺図証』 吉林人民出版社
斬首編の図
写真2.”China Weekly Review ”1938.10.11 
渡辺さん提供

写真3.Ken誌1938.8.11 渡辺さん提供 写真4.Ken誌1938.8.11 渡辺さん提供
上の部分がカットは同誌によってされたもの

ただの模様のように見えた中国人の姿勢、手の位置がわかる。首の断端がわかる。溝に落ちた首は黒い三日月様の部分が影で、その他の黒い部分が断端である。土の黒い模様と見えたのはやはり血潮であり、2方向に飛んでいる。二人の将校の表情がより鮮明である。右の将校の隣にはもう一人がいて見物しているらしい。右の男の影を見て欲しい。見事に影がしゃくれている。この影のあり方は斬首編の右後方の笑う男の影がなぜ違うか、説明して余りある。
写真5.写真4.の部分拡大
斬首は右からしたはずですが、なんと右肩が下になっています。正座させて斬首した場合、右肩が地面につく場合もあるということです。


 

2.斬り落とした首を持つ海軍兵


 

写真6.松尾サイトのオリジナル画像(gif) 写真7.右を1回jpgに変換したもの 写真8.
『南京大屠殺図証』 吉林人民出版社

松尾サイトの画像はサイズ指定をしないとこの大きさになる。jpg変換しても画像の変化はほとんどない。左上方の別の斬首写真(写真1.2.に相当)は松尾氏によってカットされた。南京大屠殺資料館にあるのは右のタイプであるから、資料館のものも松尾サイトのものも雑誌転載されたりしたものからのコピーではないかと思われる。

写真9.Ken誌1938.8.11より。渡辺さん提供 写真10.
写真記録 日本の侵略:中国朝鮮 ほるぷ出版1983
pp95掲載の写真。汎アジア文化センターの資料による。


左右の写真のオリジナルは同一画像であることは明かであるが、ほるぷ出版のものとKen誌のものはトリミングの仕方が違う。横のスパンはKen誌が広く、縦のスパンはほるぷ出版が広い。したがって、どちらかが、どちらかのコピーをしたのではない。両者の間では印刷の行程で、精細度が違い、壁、柱、海軍兵の表情はほるぷ出版の方がよく出ているが、細部は渡辺さんの方が直接コピーなので詳しくよめる。

海軍兵は家屋の戸口のようなところに立っているらしい。門口から大きな陶器の一部がのぞいている。
死体も体の上部だけに光が当たっている。光の方向は右前方からと見られる。

写真11.”Ken”所載からの部分拡大図


松尾氏によれば、「口が閉じているどころか、アゴそのものが締まっています」とのことであるが、上下の唇の間は唇の厚みよりやや大きく開いている。背中の奥行、首の襟、左肩の位置もよくわかる。手はどうやら後手にくくられているようである。首の断端は写真でもこれ以上詳しいものを見たことはないのでコメントしようがない。こんなものか、と驚くしかない。海軍兵氏は斬殺した死体の上をまたいで立っているようである。首の下に見える白い点は両脚の間から見える背景の一部だろう。刀は確かに湾曲の少ないものであるが、日本刀に間違いがない。斬殺死体は右肩をついている。「義和団の斬殺」写真で見ると4人の斬殺体で右肩先着1,左肩先着2,同時着1であり、このページの上の写真と海軍兵では右肩先着であり、斬殺されたときの体の向きはまちまちで一定の法則はない

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