読者のぶりぶり通信〔MAIL&FORMDECORD篇〕【No.044】

◆ はじめまして - T. MINEGISHI BACK

1998/09/10/05:30
はじめまして。群馬県に在住している24歳の塾講師です。一体こんな時間に何をやっているのか。そんな声も聞こえてきそうですが、仕事柄、かなり不規則な生活なもので・・・。

たまぶりさんのホームページには何度かお邪魔したことがあります。非常に興味深い素材が詰まっていて、自分自身の教務の参考にさせていただいております。といっても、いまだ未熟な講師なのですが・・・。

私自身、まあ浅い経験ですが、教育現場に立っていて思うのは、生徒の読解力の低さ。基本的に学習塾なので、できることには限界がありますが、真の読解力(いわゆる受験上の技術ではなく)を身につけさせてあげたい。そういう目標を持って取り組んでいるつもりです。読書機会の減った子供たちに本の面白さや、書くことの楽しさを知ってもらった上で、国語を学んでほしいと考えています。

実際、受験は無視できない業界なので、そのハザマで悩んでいるというのが現状です。
いわゆる市販教材や塾用の教材などでは問題を解く方にウエイトが置かれていて、これで読解力が身につくのだろうかという疑問を持ちつつ、それに代わる手段を持っていないのが、自分自身苦しいところです。
長い間、トータルで身につく教材作成を思案中なのですが、それも実際に作成にとりかかるところまで至っていません。

こういう現状を打開したい、何か糸口がつかめればとメールしました。ほんの些細なことでも構わないので、「国語」について、「教育」について、お話していけたらとおもっています。

たまぶりさんは京都の方なんですね。市内ですか? 実は私も学生時代を京都で過ごした身なので、自己紹介を拝見して、なんだか懐かしい思いがしました。



★ たまぶり ★

MINEGISHIさん、はじめまして。お便りいただき有り難うございました。
私も塾で2年、予備校で4年仕事をしていましたし、Pooing(プー太郎の現在進行形?)の最中ですから生活時間の不規則さはお互いさまといったところでしょうか。
京都遊学されてたんですね。私は現在、北区の上賀茂神社界隈に在住しています。

「真の読解力」を身につけさせたいという目標や「本の面白さや、書くことの楽しさを知ってもらった上で、国語を学んでほしい」という願いと受験産業現場に身を置いていることのジレンマ、よくわかります。ただ、受験産業の現場にいた際も学校現場に入ってからも、私自身の基本的な姿勢は変わっていませんし、学校教育と塾教育は、授業スタイル(これは我ながら随分変わりました)や媒介・対象とするものがちょっと異なるといった程度に捉えておくのが精神衛生上はよいかも知れませんねえ。もちろん、受験産業には営利企業としての側面が強いですが、講師である以上はやはり教育の分野で工夫を凝らしていけばいいと思います。

ご自身でテキストを作成できる環境にあるのならば、とりあえず問題数の少なくて済む講習用のテキストを作られてみてはいかがでしょうか。

例えば現代文の場合。1週間の分量で、ある1作品をほぼ通読できるような編成にするわけです。収まりきれない長さの作品であれば、間を端折(はしょ)りながらも生徒たちが原作を手にしたくなるような方向にもっていければいいわけです。もちろん、塾の教材とする以上は、設問も入試レベル程度の難易度と形式を備えたものにすべきでしょうし、また、比較的入試のさし迫っていない学年に配当するが妥当かと考えます。

古典の場合は、例えば「恋」といったテーマでくくり、同様の主題を持つような現代の流行歌を授業の最初に織り込んで、その歌の読解と古典作品の読解を読み重ねていくといった作業も可能かと思います。(古い歌で恐縮ですが、例えば、太田裕美「木綿のハンカチーフ」と「伊勢物語」第24段といった具合に。)

ともあれ、どこかの段階で読む楽しさを知ることの出来た生徒たちは受験問題に向き合う際にも一味違う心構えで臨めるようになるのではないでしょうか。

授業の時間枠や採用されているテキストの出版社等々、またいろいろとお教え下さい。国語嫌いが量産されている現在、いろんな場所で新たな《読み》のための試みがなされていくことを私は切に希望しています。今後ともどうぞよろしくお願い致します。



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