読者のぶりぶり通信〔MAIL&FORMDECORD篇〕【No.049】

◆ 返事が遅れてしまいました。 - T. MINEGISHI BACK

1998/09/28/03:20
ちょっと仕事がバタバタしているもので、返事が大分、遅くなってしまいました。
さて、前回のメールの件ですが、遠慮なくアップして下さい。
そうそう、今日は国語学的な側面から、たまぶりさんに意見を聞きたいと思っています。

まず一つ目は、「間違えない」と「間違いない」。私のヒアリングですと、「間違いない」が「共通語」のように思いますが、この北関東の周辺では「間違えない」という言葉をたまに耳にします。「間違えない」っていう表現は、方言なのかどうか、個人的に気になっているところです。

それから二つ目。「裏面」は「りめん」か「うらめん」か。これは、同じ会社に勤める上司の指摘で、疑問をもったこと。私自身の「言語的内省」および周囲のヒアリングでは「うらめん」もごくごく日本語として一般化しています。ところが、辞書には「うらめん」とは掲載しておらず、「りめん」のみ。

もちろん、辞書に掲載されている言葉=正しい日本語などとは毛頭思っておらず、今の日本人の間で使われている言葉も「日本語」と定義しているので、そんなにガチガチになってはいないのですが・・・。ただ、「いまいち」などが掲載されているのに、「うらめん」が掲載されていないのは不思議です。複数の辞書をあたってみても、掲載しているものはありません。

さて、私の見解ですが、「りめん」という用い方をする時は立体など、厚みのあるものに対して用い、「うらめん」という使い方の時は、紙などの印刷物の場合。「りめん」の対義語は「ひょうめん」で「うらめん」の対義語は「おもてめん」。(添付のモデル図参照)
解釈としては、「うらめん」という言い方には「うらのひょうめん」、「おもてめん」と言い方には「おもてのひょうめん」というニュアンスが含まれており、そのひょうめんに印刷されたものへの注目を促していると捉えています。

ただ、これはあくまで私見なので、たまぶりさんはどう思うのか? また国語学に興味のある人はどう捉えるのか? そういう幅広い議論をしていきたいと思っています。




★ たまぶり ★

MINEGISHIさん、どうもお久しぶりです。
お互い早期返信を……ってことでプレッシャーを感じるのはナシにしましょう。
私のメール返信が遅いために、絶縁メールが届いた例もありますので、書ける時に書くというペースでお付き合いいただけると気分的に楽だし、有り難いです。

1.間違いない/間違えないの件
私の勝手な語感からすると、「間違いない」の方が現代の標準語的な言い方のような気がします。
これが動詞の連用形が名詞化したものの問題だとすると、

    「間違い」は「間違う」の連用形の名詞化
    「間違え」は「間違える」の連用形の名詞化
と考えられるのではないでしょうか。したがって、いずれも誤用とは言えないかも知れない。(もちろん、「間違え+ない」を名詞+形容詞ではなく、動詞+否定の助動詞と考えると、違ってくるでしょうけどね。)
古語の「違ふ」(たが・ふ)にも四段活用と下二段活用の二種類がありますしね。ただし、こちらは自動詞・他動詞の別がありますが……。

2.表面/裏面の件
オモテメン/ヒョウメンとウラメン/リメンについては、概ね、MINEGISHIさんのおっしゃるようなところに落ち着くのかも知れないなあと思っています。ただ、表+面、そして裏+面という複合した形の語としてある程度言えるにせよ、「表・裏」や「面」という語が他の名詞とくっついているような場合と比べて考えてみると、もう少しはっきりしてくるかも知れませんね。

例えば、古い言い方ですが、表日本・裏日本という場合のオモテ・ウラは空間的な広がりを含意していますよね。また、表千家・裏千家という場合は現実の組織体であると同時に一定それを抽象化したものとも考えられるし…。
あるいは、「水面」を「すいメン」と読む場合と「みなモ」と読む場合とか「外面/内面」を「がいメン/ないメン」、「そとヅラ/うちヅラ」と読む場合ではどのようなニュアンスの差異があるんでしょうかねえ。

そのうち、機会があれば国語学をやっている友人に訊いてみることにします。今回はこんなところで。掲示板の方にでもまた話題提供していただけると、いろんな人の反応があるのではないかと思います。
それでは、また。

追伸
……てなわけで、返信の遅延はいっこうに気にならないし、自分も期限・締切遅れの常習犯なもんで、メールはいつでも、お暇な時にお送り下さい。
絶縁されるのでなければ、ひょっこりメールもまた嬉しいものです。



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