読者のぶりぶり通信〔MAIL&FORMDECORD篇〕【No.102】

◆ はじめまして - アゲハ BACK

1999/12/13/0:21  (RemoteHost: MOJca-0216p21.ppp.odn.ad.jp)
はじめまして、アゲハといいます。
詠美さん関係のページを探していたら、ここへやってきました。

私は今、高校生です。詠美さんの本はまだ2冊しか読んでません。
初めて読んだのは「僕は勉強ができない」でした。
読んだ当時、中学生だった私には、ちょっと刺激が強かったようで。
その後、昨日まで詠美さんの本を手にとることはありませんでした。
だけど、友人のすすめもあり、昨日、「放課後の音符」を読みました。
主人公が同じ17歳で、共感できるところもあったのか、すごく、気に入ってしまいました。

学校の図書館にも何冊か置いてあったので、さっそく借りてこようと思っています。
詠美さんの本で、「これはぜひ!」というようなものがありましたら、教えて下さい。
はじめましてなのに、こんなにダラダラかいちゃってすみません……。それではまた。



★ たまぶり ★

アゲハさん、はじめまして。そうですか、アゲハさんは高校生やねんねえ。
このコーナーでは、はるひさん―改め、はるなさん(現高3)―以来の高校生登場です。ようこそ。
返信がえらい遅うなったさかい、詠美作品のほうも、既に何冊か読まれたことでしょうね。
そうやなあ……、私としては『蝶々の纏足』なんか、ええんちゃうかと思います。

瞳美の視点から捉えた、えり子と自分との関係=「華やかな少女」と「引き立て役」としての「大人しい子供」。物語は、あくまでもそうした視点で進行していきます。瞳美はえり子から逃れることを望み、結局、逃れられずに彼女への「憎しみ」を強めるのでした。

返信やさかい、端折(はしょ)るけども、私は、この作品のラストシーンを読んだところで、「してやられた!」と思いましたねえ。えり子がかつて発したという一言が、最後の最後で、今までずっと形づくられてきた作品世界の色を完全に塗り替えてしまうという感じやね。ごっついドンデン返しがあるわけですわ。瞳美が捉えてきた事柄の1つ1つが全部違った意味合いを持ってくるわけですわ。

《同性愛》といったレヴェルの問題ではなく、ある意味で純化した《愛のかたち》みたいなもんがラストで提示されて、瞳美という名の語り手が、そこまで(自分で)展開してきた物語の真相に改めて気づいたところで幕を閉じる小説やと私は考えています。まあ、あんまり解説してまうと面白うなくなってまうさかいに、具体的にはアゲハさん自身がページを繙(ひもと)いて体感してみてください。

そやなあ、あとはアゲハさんが年齢的にしんどくなければ、私のお薦めは『ジェシーの背骨』と『トラッシュ』あたりやな。安易なハッピーエンドに終わらへん作品でね、七転八倒する登場人物たちの姿の中に、恋愛も含めて《人と人が真に向き合う》っちゅう問題が鏤(ちりば)められとるっちゅう気がします。ともあれ、後者を読んで「山田詠美は長篇も書ける作家なんや」と改めて感心しましたがねえ、私は。

まあ、私かて、詠美作品を全部読んだわけでもあらへんしねえ……。そのうちまた、アゲハさんの読後感など、ぜひ投稿してください。



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