Bf109のようにパワーアップによる性能向上が出来なかった理由は、

「十二試艦戦」の開発当初、候補エンジンとして「瑞星875馬力」にするか、
「金星1070馬力」にするか迷ったらしいのですが、
大型の「金星」では機体が大きくなりすぎてパイロットにきらわれ、
中島飛行機との競争試作に敗れるのを恐れた三菱が、
最終的に「瑞星」を採用するという消極的決断にあったようです。

というのは、その後すぐ
「瑞星」よりほんの少し大きいだけの1000馬力エンジン「栄」が出来て、
これに換えたのですが、「金星」を採用していれば、馬力の小さな「栄」に換えることはなく、
機体も今の零戦より大柄になっていたはずで、
その後の改造によるエンジンの積み替えも、スムーズにいっていたからです。

中島は早くに競争試作をおりて、三菱の一社指定同様になっていたので、
競争試作に負けるということはありえなかったのですから。

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