山村暮鳥
「雲」


 
 おなじく


 
春の、田舎の
 
大きな河をみるよろこび
 
そのよろこびを
 
ゆつたりと雲のやうに
 
ほがらかに
 
飽かずながして
 
それをまたよろこんでみてゐる