山村暮鳥
「雲」


 
 西瓜の詩


 
農家のまひるは
 
ひつそりと
 
西瓜のるすばんだ
でつ
大かい奴がごろんと一つ
 
座敷のまんなかにころがつてゐる
 
おい、泥棒がへえるぞ
 
わたしが西瓜だつたら
 
どうして噴出さずにゐられたらう