山村暮鳥
「雲」


 
 ある時


 
朝霧の中で
 
ゆきあつたのは
 
しつとりぬれた野菜車さ
 
大きな背なかの
 
めざめたばかりの
 
あかんぼさ
 
けふは、なんだか
 
いいことのありさうな気がする