島崎藤村

「若菜集」より


  
 流星


かど
門にたち出でたゞひとり
 
人待ち顔のさみしさに
 
ゆふべの空をながむれば
 
雲の宿りも捨てはてゝ
 
何をかこひし人の世に
 
流れて落つる星一つ



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