八木重吉
「秋の瞳」

 
   


 
 葉よ、
 
 しんしん と
 
 冬日がむしばんでゆく、
 
 おまへも
 
 葉と 現ずるまでは
 
 いらいらと さぶしかつたらうな
 

 
 葉よ、
 
 葉と 現じたる
 
 この日 おまへの 崇厳
 

 
 でも、葉よ
 
 いままでは さぶしかつたらうな



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