八木重吉
「秋の瞳」

             み
   空が 凝視てゐる


 
 空が 凝視てゐる
 
 ああ おほぞらが わたしを みつめてゐる
 
 おそろしく むねおどるかなしい 瞳
 
 ひとみ! ひとみ!
 
 ひろやかな ひとみ、ふかぶかと
 
 かぎりない ひとみのうなばら
 
 ああ、その つよさ
 
 まさびしさ さやけさ



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