八木重吉
「秋の瞳」

 
   皎々とのぼつてゆきたい


 
 それが ことによくすみわたつた日であるならば
 
 そして君のこころが あまりにもつよく
 
 説きがたく 消しがたく かなしさにうづく日なら
            さかみち
 君は この阪路をいつまでものぼりつめて
 
 あの丘よりも もつともつとたかく
 
 皎々と のぼつてゆきたいとは おもわないか



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