八木重吉
「秋の瞳」

 
   ゆくはるの 宵


 
 このよひは ゆくはるのよひ
 
 かなしげな はるのめがみは
                     くち
 くさぶえを やさしき唇へ
 
 しつかと おさへ うなだれてゐる



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