八木重吉
「秋の瞳」

 
   


 
 春は かるく たたずむ
 
 さくらの みだれさく しづけさの あたりに
 
 十四の少女の
 
 ちさい おくれ毛の あたりに
 
 秋よりは ひくい はなやかな そら
 
 ああ けふにして 春のかなしさを あざやかにみる



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