八木重吉
「貧しき信徒」

 
   


 
 眼がさめたように
 
 梅にも梅自身の気持ちがわかつて来て
 
 そう思つてゐるうちに花が咲いたのだらう
 
 そして
 
 寒い朝霜がでるように
 
 梅自からの気持ちがそのまま香にもなるのだらう



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