あまちゃづる(甘茶蔓)

紛らわしい「やぶがらし」と「かなむぐら」も載せておきます。


そのまま乾燥させてお茶として飲むと、ほのかな甘みがあり、お勧めの野草なのですが、厄介なことに、非常に紛らわしい野草が存在するのです。その名は「やぶがらし」と「かなむぐら」。いずれも幸い毒草ではありませんので、たとえ間違えても命に危険はありませんが、間違えないに越したことはありません。写真でしっかりと三者の特徴をつかみましょう。三者の共通点は、「手のひら型をした葉を持つ、つる性の草」です。

1、あまちゃづる

5枚ワンセットの葉になっています。植物学的には、「5枚の小葉がひとつの葉柄についています」という言い方をします。もっと専門的な言い方では「五枚掌状複葉」となりますが、そんな言葉を知らなくても採集に差し支えはありません。つる先や若い葉が黄緑色をしていて、みずみずしく透き通っているのが特徴です。日陰を好みます。
葉だけで区別がつかないときは、つる先の色で判断しましょう。他の2種と違い、あまちゃづるのつる先だけが透き通った黄緑色をしています。5月くらいから採集できますが、真夏がこの草の旬だそうです。 私は「お茶」にする以外に、この草の利用法を知りません。作ったお茶は名前の通り、ほんのり甘さを感じます。

2、やぶがらし

画像がヘボくてすみません。本当、どこにでもある雑草なので。
4月頃の芽吹きの時は、全身赤紫色で、わらびのように頭を垂れた感じで、一見山菜風なのです。で、騙されたと思って食べてみると、本当に騙されたことに気付きます。
熱を加えると汚い色に色落ちし、歯ごたえも何もない上に、苦くて不味いです。

基本的に日なたを好みますが、生命力が旺盛な草なので、日陰でも見かけます。あまちゃづると混ざって生えていることもあります。通常、紫がかった葉の色をしていて、さらに光沢がありますが、日当たりの悪いところではそれほど紫色がかっておりません。それでも、あまちゃづるに比べると明らかに赤っぽいです茎や葉が少しでも赤紫がかっていたら、目当てのあまちゃづるではなく、この草だと思った方がいいでしょう。

3、かなむぐら

こちらも、本当、どこにでもある雑草です。一見似てますが、前二者との最大の違いは、葉っぱが5枚ワンセットになっているのではなく、かえでの葉や八ツ手の葉のように、つながっていることです。そして、小さいとげが葉にも茎にもあり、素手で触るとチクチクし、服にもまとわりつくことです。

この草も日なたを好みます。放棄された畑とか、草ぼうぼうの河川敷とかで、一面にはびこって、太陽の光を独占しているのを目にします。が、これもやっかいなことにあまちゃづると混ざって生えていることがあります。

以下、見分け方の練習

1、
さて、左の画像はあまちゃづるの中にかなむぐらの葉が混ざっていますが、どれがそうか、分かりますでしょうか?答えは右のリンク先です。
答え
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