崑崙(こんろん)草


 

平成17年5月の連休 平成17年5月の連休 平成18年5月21日
 見ての通りのアブラナ科です。4つの花びらを持つ花と、その後、さやに入った実を見れば一目瞭然です。
アブラナ科というと、野菜として馴染み深いものが多いですね。大根、キャベツ、白菜、小松菜、ブロッコリー・・・
挙げていくときりがありません。意外なものでは、わさびもアブラナ科です。

 野草としては、難易度の高い部類に属します。常時水が流れている、沢などの環境でしか生えないから。
5月の連休、国道を原付で走っていて、谷間に一瞬、白いものが目に飛び込んできたので、停車して
谷間に下りてみると、そこだけ真っ白いじゅうたんを敷き詰めたような花園。崖から水が大量に湧き出しており、
斜面一面が、ちょうどわさび田のように、まんべんなく水が流れているという恵まれた環境のため、このような
大群落が形成されたものと思われます。
新鮮な水にさえ恵まれれば、生命力は強いようです。花も楽しもうと思って、折り取った茎を、ビールの空き瓶に
挿しておいたところ、一週間もしないうちに、根が出てきて、その後、その年の冬まで花瓶の中で、「水耕栽培」
状態で生き続けていました。

尚、昨年から一年にわたってこの群落を観察したところでは、3月下旬に既に採集適期を迎えており、
一部では花が咲き始めていました。ただ、この群落、平地に近い低山にあり、湧き水の水自体も、もともとぬるい
ため、他の群落地での参考となるかどうかはわかりません。5月21日時点ではほとんど花が終わっておりましたが、
一部では花が残っており、採集可能でした。採集適期は3月下旬〜5月上旬頃と思われます。

 尚、細かく分けると「ヒロハ(広葉)崑崙草」と「ホソバ(細葉)崑崙草」の2種があり、写真はいずれも「広葉」です。

 ちなみに「崑崙」とは、古代中国で、仙人が住むとされた、西の彼方の想像上の山。
(なお、現在の中国の地図では、実在の山脈としてチベット北部に「崑崙山脈」との名が表示されているが、
あくまで近代になって、この山脈こそ伝説の「崑崙」の名にふさわしいということで名づけられたもの。)
調理画像です。お浸しです。
鰹節をかけて醤油とたらすと、
ただのお浸しにしか見えません。
ということで、
醤油と鰹節をかける前に撮影したものも
掲載しておきます。わずかに見える
白いものは花です。
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