峯享男の磯釣り論

公開年月日:2007/07/16


オキアミの頭を取る理由

 オキアミの頭を取る最も大きな理由は、「喰い込みを良くするため」であります。

 特に「メジナ」の場合、撒き餌を食べ過ぎると「嫌食い」をするようになります。朝一番のうきの当たりはスパーッと消えたのに、時間が経過するとモゾモゾとした当たりしかしなくなる場合があります。また、水温低下で喰い渋る時も同様であります。こんな状態の時にオキアミに頭が付いていると、一度付け餌をくわえてもすぐに吐き出し、中通しうきでは全くと言って良いほど当たりを確認することはできません。私のみねうきでは、このような場合でもうきのトップの変化を確認することができ、さらに、誘い等により一気に喰わすことが可能となります。

 良く、釣り人がオキアミの頭の脳みそを魚は好むとか、目の光りが良いとか自分勝手な事を言われるのを耳にします。また、今日は水温が低いからオキアミが冷えたとか・・・?全くの「エゴ」に過ぎません!

 何故なら、メジナの胃袋にはオキアミの頭などは一尾も入っていないし、オキアミが暖かくなる程の水温ならまるで温水状態だと思います。元々、冷凍のオキアミが暖かくなる程の海水温なら魚は適水温域に移動します。メジナは12度〜25度程度の海水温で餌を食べ、中でも15度〜18度が最も喰いの立つ海水温であります。

 冬場の10度を下回る瀬戸内や日本海では、ほとんどメジナは釣れなくなります。しかし、黒鯛は低水温に強く、喰いは悪いが10度以下でも釣れる場合があります。黒鯛の釣れる適水温は12度〜16度程度と考えられており、3月〜5月の産卵期の乗込みシーズンに浅場、特に藻の多い所で好んで捕食活動をします。

 黒鯛は、メジナの嫌食い状態と同様に、一度餌を口に入れ、即、吐き出します。この時に餌に少しでも抵抗等を感じれば、大きな胸びれでバックしながらその餌の様子を伺い、再度、餌を口にして確認したり、または捕食しなくなる場合もあります。中には一気に喰い込む黒鯛も時々居ります。黒鯛は何でも食べる魚ではありますが、その基本的な性格は非常に警戒心の強い魚なのです。だからこそ、うきにはモゾモゾとした当たりが多くなるのです。私のみねうきは、うき自体の抵抗が非常に少なく視認性に富んでいるため、そのような微妙な当たりも確認することができます。

 言い換えれば、魚には人間と同様に、性格、体力、知恵があると言うことです。魚には知識はないが、知恵があると言うことを人間は頭に入れておくべきと考えております。

 メジナは海底から上昇し、一気に餌を食って海底に戻る魚であります。黒鯛は大きな胸びれでブレーキをかけ水平に餌を食べる魚です。機会があれば、水槽か水族館で確認してみて下さい。

以上

2007年7月16日

峯 享男

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