・見た目の改造
  ――見た目を変えてしまう事で世間の目を欺きましょう――


 【見た目を変える事の難しさと、それによって得られるもの】(2005.若干改訂)

  見た目を整えてしまう事は、ある意味一番楽なのかもしれない。確かに、私達が
 木村拓哉のようになる事は不可能だろう。だがしかし、ずっとマシになる事はいくら
 だって出来る。特に、ただ汚いオタク呼ばわりされたくないだけなら、正直のところ
 どうとでもなるだろう。見た目を変えてしまうという方法は、内面や性格や話術に手を
 加えるのに比べ、時間と資金さえ投資すれば高い確率で効果が得られる点で優れて
 いる。また、或るサイト(COMME CA DU NERD、閉鎖)の主催者ODN氏がかつて指摘
 したように、内面がオタクである事甚だしく、「幼女崇拝」や「12人の妹からお兄ちゃん
 と慕われる事こそが私の生き甲斐だ」などといった空想に耽溺している人物でさえ、
 見た目を整え、オタク丸出しの言動を回避すれば、オタクとしての人種差別を受ける
 ことはあまり無くなるだろう。オタクを露骨に差別したがる人の多くは、自分達には
 分からない話をされているか否かと同じぐらい、視覚情報も判断材料にするからだ。

  まずはそれだけでもいいではないか。

  蔑みを込めてオタクと呼ばれる事に危機感を持っている人間は、オタクという負の
 刻印から逃れて、非オタク領域でも交遊や活動を展開したいという願望を持っている
 ことだろう(私は少なくともそうだった)。そうでなければ、曲がりなりにも居心地の良い
 オタク温室から抜け出て、わざわざ冷たい世間の風にふかれようなどと思わない。
 とはいえ、いきなり多くを望むのは難しい。まず世間で人としての扱いを受ける事から
 始めるしかない。おおよそ、侮蔑されるオタクをキッチリ侮蔑するような人達の世界
 では、豚には豚の権利しか得られない。ゴキブリにはゴキブリの権利しか与えられ
 ない。へどろにはそもそも権利など存在しない。残念ながら、世の中にはそう考える
 人達(特に、ある種の若い女性が男性を評価する場合には徹底している)がたくさん、
 実にたくさん存在する。そして見た目で人を判断する人間=思慮の浅い人間ばかり、
 という事もないわけで、視覚情報も重視するような人々の中にも、付き合うに値する
 魅力的な人物はたくさん埋もれている

  もちろん、見た目を人間判断の材料に使う人々との交流を切り捨てるという手も
 あるにはあるが、その事は即ち、世間の多数派の人々との交流を断念する事と半ば
 同義である。それなら今までどおりの生活を続けるしかない。オタクとだけ、やっていく
 しかない。

  そんなわけで、見た目をまともにする事の最初の目的は、ある種の人々の前で
 “人権を獲得する”事となる。みてくれについてあれこれ指摘される事にアレルギー
 のあるオタクの中には、「内面や話術など見た目以外の部分を先に何とかすれば
 いい」と息巻いて主張する人もいるかもしれない。だが、あなたの今の服装と交際
 能力でそれが円滑に実行できるだろうか。※1

  わかりやすいように極論を挙げると。汚いフケだらけのボサボサ髪に無精ひげ、
 ケミカルジーンズとほつれた980円T、“見るのも嫌なズック”をいつも身につけている
 ような人が、オタク関連以外の会社やサークルで人並みにみてもらえるだろうか。
 そんな格好で、初対面のOLや他趣味の男達とまともに話をして貰えるだろうか?
 いやもっと踏み込んで言えば、いっぱしの成人(あるいは学生)として扱って貰える
 だろうか

  それでも人間並みに扱って貰えるとか、暖かい対応をして貰えるとか思っているの
 なら、あなたは元々すごく魅力的な人物なのか(確率低い)、世間とは異なった価値観
 を持っていらっしゃるか(確率高い)のどちらかだろう。いっそ、「世間知らずめ!」と
 突き放してもいいかもしれない。普通、現実は不二家のケーキのようには甘くない。
 実際、そんな服装をしていて、かつ話術などのファッション以外のコミュニケーション
 スキルが相当高い男性を私は滅多に見たことがない。

  ファッションが全てを決するわけではないが、やはり容姿を整えておく事には意味が
 あるだろう。もし臭いオタクと侮蔑されるのが嫌で、オタクじゃない人達からも相応の評  価を期待したい場合、幾らか見た目に力を注ぐのは決して無駄ではないと思うのだ。
 知らない人に会いに行く時に身なりを整えるとか、これから新しい集団にとけ込んで
 いく為に集団と同じ格好をしてみるというのは、恥じるべき事では決してないように
 思える。会社の就職面接に際して、馬鹿な格好をしていかないのと同じである。
 経済的・時間的コストがかかるという点を除けば(まあそれが痛いんだけど)、あなた
 が損をする事は少ないはずだ

  なお、現在は男性のファッションに関する情報資源は結構色々ある時代なので、
 情報を収集してから行動する事で一層確実な効果が期待できる。以下のwebsite
 も役に立つので、興味のある方はご覧になって欲しい。

 →オタクの適応技術関連の情報リンク


  他力本願で恐縮だが、これらページやファッション雑誌等々の情報に触れて頂いた
 ほうがこの先の文章を読むより多分有効だと思われる。だが、一応このページでも
 見た目の改善に関しての一例を以下に記す。

  断っておくが、ここに書いてある事はあくまで「汚いオタクをやめる方法」であって、
 「オシャレになる方法」ではない。以下を読んでも決してオシャレにはなれない事は
 忘れないように。




【1髪型】

  髪型は顔と並んで一番最初に目に付くところであり、逆に言えば最も資本投下する
 価値のある分野である。それなりの美容院(詳しくは他ページ参照)でプロに任せれば、
 良い印象を与えやすくなる。自分で髪を切らなきゃいけないわけではなく、プロ任せ
 なので、ある意味服選びよりも容易である。あなたのいる地方のお勧め美容院に
 ついては、地方情報誌を見れば把握できる事があるし、ネットで検索をかけて情報を
 集める事も補助ぐらいには役立つ。ベストは、美容院に詳しい友人から情報を貰う事
 だが‥‥ちょっと難しいか。あと、若い店員がいる店のほうが、若いあなたの髪型を
 いじるには向いている筈だ。おばちゃんくさいお店を選ぶのは、かなり勇気の要る
 決断だと思います。

  そして、お店に入ったら後は切ってもらえばいいわけだ。簡単だ。念のために敢えて
 付け加えておくが、髪は一度切ったらそれまでというわけではない。人形やメイドロボ
 の髪と違って、人間の髪はメンテナンスを加えなければどんどん伸びていく事を
 お忘れなく。


 Qお金がかかるんですけど
 Aかかります。
  三ヶ月に一回しか髪を切ってない人にとって、毎月、しかも格安理容店よりお金が
 かかる美容院に行く事は手痛い出費と捉えられるかもしれません。しかし、ある程度
 身だしなみに気を付けている人なら、それなりに髪を切っています。その出費を普通
 の人達は当たり前だとか交際上の必要経費と捉え、しんどくても予算を計上します。
 あなたも必要経費と捉えましょう。ケチなあなたの為に付け加えておきます。髪型さえ
 まともなら、ある程度までは服飾の減点は無視される可能性があります。逆に、髪型
 がダメダメだと服飾の加点は相当量まで帳消しにされてしまいます。オタクと見られて
 人種差別されたくない人や、容姿に何らかのコンプレックスを持っている人は、生まれ
 変わるんだと思って暫く通ってみてください。店員さんからアドバイスを得られる事も
 あるでしょうし、慣れれば慣れるほど、あなたは自分の髪型を好きになるチャンスを
 得ることが出来ます。


Qお金はたんまり用意できます。でも美容院に入る勇気がありません
Aそんな意気地なしは、一生差別されたり煙たがられたりして暮らしてください。
  そんなんじゃ、オタク趣味だけやってようが他の事をやろうが、結局ダメ人間には
 違いないのでどこへ行ってもダメです。あなたにこんな勇気すらないのなら、どのみち
 他の試練は耐えられません。

  確かにあなたにとって美容院は今まで無縁の空間だったかもしれません。恥を
 かくかもしれませんし、最初は痛い視線を浴びるかもしれません。でも耐えてください。
 もし、あなたがコミュニケーション、特にオタク趣味を持つ人以外の人との交流を
 育んでいこうと考えるなら、ここで恥ずかしいと思うような人こそもっともっと恥を
 かいて屈辱回廊を徘徊しなければならないのです。この程度の事も出来ないような
 人に、私は何と助言すればいいのか適切な言葉を選択できずにいます。不慣れな
 体験に汗をかくような事が無ければ、新しいものを取り入れることなんてできっこない
 じゃないですか。

  店員さんによっては、おどおどしながら(もしくは変に堂々と)お店に入るあなたを内心
 “うっわーオタクだー!!すげーの入ってきたぜマジ!?”とか思いながら冷たい対応
 をとるかもしれませんが、ご安心を。美容院なぞそこらじゅうにあるご時世です。もし
 気に入らなかったりトラウマが出来たりするならお店を変えてしまえばいいんです。
 お店の人にきちんとしたプロ意識があるなら、決して態度を変えない筈です。接客に
 問題があるスタッフなら、積極的に店を変えてしまえば良いのです。

  あと、ひとつ注意。あなたが充分に劣等感を醸成されたオタクであったり、自意識
 過剰な自己愛の強すぎるオタクだったり、引きこもり歴が長かったりするなら、店員
 さんの態度がどれほど自然でも批判的に聞こえてしまう事があります。また、人格
 障害や軽度精神発達遅滞の方の場合も同様です。もし自覚が可能な人は、これらの
 バイアスを計算に入れて店員さんを評価しましょう。問題が常に店員側にあるとは
 限りません。むしろ、自分の内面にある場合もあり得ると考えています。

  どうしても美容院に行きづらい人は、最初は若い理容師が勤めている理髪店(床屋)
 に行くなんて如何でしょうか。それでもまだモノ足りないと思った時点で美容院に切り
 替えるという二段構えなどどうでしょうか。理髪店の中にも、なかなかいいお店が発掘
 出来るようです。あと、初めて美容院に出掛ける時は、服装を精一杯整えて出かける
 のもいいでしょう。そうしたほうが、もしかしたら色々と心理的にラクかもしれません。
 この“心理的にラク”という気持ち、これもまた髪型をはじめとするファッションから
 受ける恩恵である事を、ついでに身をもって覚えるチャンスとも言えます。

  また、女性の親友または彼女がいるのなら(このテキストを真に必要としている人の
 多くはそうでないような気もしますが)、場合によっては彼女の美容院についてってみる
 というのも一興です。ただしこの場合は、その女性の行き着けているお店が男性も
 十分カバーしているという条件付きです。あまり推奨しませんが一応書いておきます。


 Qどんな髪型がいいのでしょうか?
 A私に訊かれても困ります。ちゃんとした美容師さんや理容師さんと相談しましょう。
 餅は餅屋です。
  素人の私よりもプロのほうが適切なアドバイスが出来る事でしょう。あと、あまりにも
 メンテナンスに時間と手間のかかる髪型は、寝癖も直さず秋葉原にいくような横着者
 には厳しいかもしれません。髪の手入れに不慣れなうちは、特にメンテナンスに気を
 遣ったほうがいいでしょうし、「ラクに整えられる髪型を」美容師さんに注文するのも
 アリと思います。手入れの仕方や整え方も、忘れずに訊いておきましょう。

  なお、雑誌などを参考に「こんな髪型みたいな感じで」と注文をつけるのはアリだと
 思いますが、髪質などのために無理な髪型もある事はお忘れなく。パーマなどを併用
 すれば可能になる事もありますが、個人差がある事は否めません。アニメや漫画の
 登場人物の髪型を注文するのは禁忌です。美容院は、空想の二次元空間ではなく、
 現実の三次元空間です。


Q髪の色を変えることに抵抗感を覚えます。やっぱり変えたほうが良いの
 でしょうか?
A髪を染める事(カラーを入れる)については、美容師さんが勧めるなら染めては
 如何でしょうか。
 あまり激しくない程度に染める分には、黒髪が板に付いたあなたでも抵抗感はすぐに
 なくなります。コミュニケーションに自信のない人で、特に口数が少ないようなタイプの
 人は少しでも明るく見せたほうが何かと得をします。あなたが貝割れ大根のように
 色白なら事情は変わるかもしれませんが、とりあえず染めてみても損はしないと思い
 ます。

  また、染めてみると、自分が生まれ変わったような印象を受ける人もいます
 (派手にやりすぎるのも考え物ですが)。ファッションの目的の一つに、自分に自信を
 つけるとか、自分自身の気持ちまで一新する、というものがあります。生まれ変わった
 ような印象は、あなたの臆病な背中を少しだけ押してくれる筈です。心機一転、新しい
 事にトライしてみてはどうでしょうか。あとささやかな効果ですが、もしあなたに若白髪
 がたくさんあるなら、白髪が目立たなくなる効果を得られる方法もあります。

  ところでここで、秋葉原でオタクの頭に注目して下さい。侮蔑される確率の高そうな
 オタクも結構みかけることと思いますが、その中で髪が染まっている男性っています
 か?きっちりと整った髪型の男性っていますか?少ないですよね?

  世間には、そういう目であなたの髪型を評価し、おまけに人格まで勝手に評価する
 困った人が沢山いるんです。最近は黒というのも結構オシャレになってきてるので
 一概には言えませんが(まあそういう黒髪はとても綺麗なものです。一部の先天的に
 幸運な人を除けば、しばしば染めてます)、美容師さんに奨められるようならカラーを
 かけてみるのも良いと思います。似合うか似合わないかはともかく、閉鎖的なオタクに
 みられにくくなるのは請け合いです。

 (2005年補足:既に男性がカラーを入れることはデフォルトではなくなっています。この
 ため、十分に綺麗な黒髪の男性がカラーを入れることは勿体ないことかもしれません。
 ですが、劣等感に充ち満ちた自分に対して生まれ変わったような印象を植え付けたい
 場合には、まだまだカラーが有効であることは否定出来ません。さらに、髪の性状を
 自分にとって有利な具合に変更する技術は依然として有用ですからね。)

Q長髪にしてるので俺ってカッコいいと思います。ダメでしょうか?
Aあなたが美形で体格も申し分なく、音楽か芸術あたりをやっていて洒落た服も着て
 いて、そのうえ女性にモテまくりで、それでもプリキュアやら18禁ゲームやらコミケ
 やらに血道をあげるのが大好きなオタクなら、長髪でも何にしてもno problemでしょう。

  ファミレス等で女性の軽蔑しきった視線に頻繁にさらされる事がある人、立派な
 オタクファッションに身を固めている人(他サイト参照)、肥満、これらに該当する方は、
 長髪は避けたほうが良いような気がします。思うに高確率で格好悪いです、たぶん。

  コミックマーケットや秋葉原での観察に限って言えば、私は同人誌とかを小脇に
 かかえている長髪男性で、格好いいのを見たことがないです。数年間熱心に観察
 しました(嫌な奴だ)が、どうにもダメだったと記憶してます。もちろん私の美的感覚や
 髪型の好みの問題もあるでしょうし、ファッションは自己主張ですからそれが悪いと
 いう事は無いのですが、オタクを差別したがる人達からどう見えるかに問題を絞る
 なら、やっぱりダメなんではないかと思います。そもそも、秋葉原で見るような小汚い
 長髪は、ファッション雑誌では未だに見たことがないです。(じゃあファッション雑誌が正しいのか、
 という議論は興味深いテーマですが、今回ここでは触れずにおきます)


 【2服装】

  頭や顔の次にどこに人の目が行くか。たぶん、あなたの服装だろう。髪型が極めて
 重要な事は前項で説明したが、実際、髪型良ければ幾らかは何とかなりやすい。
 しかし、一応ある程度の服装のレベルを維持しておけば、擬態はさらに完璧なものと
 なる。ここでは、ファッションと呼ぶにはおこがましいが、擬態は可能な程度の服装に
 ついて、簡単な説明を行う。なお、このページは「脱・オタクファッションガイド」「秋葉原
 に陽は落ちて(閉鎖)」等の外部ページを大いに参照にしている。より具体的な理解に
 関しては、私のページを参照にするよりも、これらのページを参照にしたほうが理解
 が深まると思われる。また、こちらも参考になるかもしれない。

  服装だけが人格を決めるわけでも人間としての深さや価値を決めるわけでもない
 が、服装が第一印象に大きな影響を与えがちであることは、賢明なあなたなら認める
 ところだろう。例えば、就職面接でいい加減な服装をすると減点の対象になりやすい
 のは社会の常識だ。異性を相手にしたときなどにもこの傾向は見いだせることだろう。

  同様に、オタクを気持ち悪いと差別するような人々の世界では、ある程度の身だし
 なみをしておく事が心象向上に便利のようである。それがいいとか悪いとかに私は
 言及するつもりはないが、彼らはそういう習慣を持った集団なのだとここでは
 割り切ったほうがいいと思われる。もしも、非オタクの比較的若年集団との交流を
 行いたいと考える場合、彼らも文句を言わないような格好になっておく事は、不要な
 偏見を避ける上で有効な手段と私は考える。ゆえに、オタク以外の文化圏と交流を
 志す人は、幾らかはファッションを意識するようにして、馬鹿にされにくいような気配り
 をしておく事を薦める。



 ・あなたの今の服装はオタクと思われやすいか
  先日も秋葉原に出かけてオタク狩り‥‥じゃなくてオタクファッションの観察を
 行ったのだが、ある程度定型的な服装をしている事が多い事に気づく。詳しい解説
 は他ページここに譲り、典型例を短くおさらいしよう。

 ジーンズか綿パンを身につけている事が多い。ジーンズは色褪せている事が多い
 が、褪せ方はいわゆる綺麗な褪せ方ではなく、全体に洗濯しすぎた印象が強い。
 綿のパンツからは何らかのファッション性を感じるというより、機能性をクリアしている
 以外は何の意味も見いだせない。パンツ、もとい“ズボン”はよれていたり皺だらけ
 だったりする事も多く、みっともなかったりだらしない印象すら与える事すらある。

 シャツが多いが、いずれもあまり目立たない色あいと模様である。服装に何らの
 主張も見られず、これも機能性以外の長所は指摘できない。サイズが大きすぎて
 だぶだぶの事があったりくちゃくちゃであったりと、視覚上の問題を抱えている事も
 多い。夏はTシャツが多いが、これまた機能性以外は取り柄がないものが多い。
 無地で襟周りが汚いものも見受けられ、見た目だけの印象はかなりネガティブな
 ものとならざるを得ない人も混じっている。中にはゲーム・アニメと何らかの関連を
 指摘できるデザインのものを身につけている事もある。

 靴にお金をかけている事は殆ど無い。ことに、汚いTシャツなどを平気で身につける
 ような人達は、どこまでも安そうに見える汚れたスニーカーを履いている事がある。

 色合いや着合わせの効果を考慮した人に出会う事は本当に稀である。

 (2006年注:秋葉原のファッションは底上げされている傾向。詳しくはこちらを)

  全体として、服飾に対して金額も時間もケチっている事はまず間違いない。また、
 一部の本当に汚い格好の人達を除いて考えても、彼らが服装に対して金額をかけて
 いないというだけでなく、“服装がもたらすポジティブな効果”について何の配慮も
 払ってないように思える。つまり、単に金額云々というだけでなく、所有する服の運用
 方法や運用概念そのものに注意が払われていないのである。即ち、彼らには服装が
 もたらす好ましい偏見効果についての意識が無い。第三者の偏見を回避したり
 好都合なものに変更したりするという、ファッションが持っている強力な効果について
 の視点が欠如しているのだ。


・オタク服装な男性への対策‥‥服選び
 (或るオタクの、服装整備記です。いい加減&恥ずかしい)

1初心者はモノクロに‥‥黒は大変便利な色である。着合わせの効果について経験が
 浅いうちは、私は黒のトップスを重要視したし、それは正解だったと今も信じている。
 余程バカな配色をしない限りは失敗しないのである。また、ボトムス(ズボン)にも黒を
 用意しておくと、これまた多彩な着回しが利く。着回しばかり考えていてはダメだという
 かもしれないし、黒中心は初心者っぽいという意見も確かにあるが、最初はやはり
 効率を優先させるのがいいと思うが如何だろうか。特にお金をオタク趣味以外に多く
 は費やしたくないと思っている人達には、黒を勧める。また、白は汚れやすいが黒
 などのアイテムと組み合わせる事で威力を発揮する。上下ともに白は難しい所もある
 が、黒との組み合わせは良好である。他サイトや雑誌などを参照して研究して貰い
 たい。

 (2003年現在注黒単色・ユニクロ&無印系の配色は、2003年現在、比較的若年層の
 オタクの間では結構見かけるようになった。私の属する二十代後半のレベルでは、
 秋葉原にそういう格好の男性は依然として少ないのだが。とはいえ、黒ばかりの服装
 がオタクの間でも急速に陳腐化しているとするなら、擬態者は、一刻も早くモノクロ
 時代を離脱・卒業したほうが擬態に成功しやすいかもしれない。これは、男性
 ファッションレベルのアベレージが高い若年層ほど該当する可能性が高いような気が
 する。2004年には、この傾向は一層顕著になり、既に秋葉原には無難な黒が溢れて
 いる。そして、同年代の非オタク男性はさらに強力なファッションで武装しているのだ)


2まずは手のつけやすいお店から‥‥初期状態の格好と知識では、いきなりアニエス
 ベーやCOMME CA DU MODE、メルローズなどなどの“丸井/パルコ級”のお店に入る
 のも敷居が高く感じられるかもしれない。少なくとも私はそうだった。その場合は、
 ユニクロや無印良品などで黒基調の服を選択し購入し、それらを清潔に、そして
 組み合わせに注意して運用する事にした。もちろん、雑誌やネットを調べながらだ。
 次の段階でかかるコストを考え、雑誌を参考にしつつそれらの店で手に入りうる中で
 最もよさげで今後も使えそうな品だけを購入した(ここでかかるコストは捨て銭だと
 当初私は割り切っていた。しかし、モノによっては意外と長く運用できて、割安感が
 強い。長く第一線に耐えてくれた品物もある)。

  服を買う時は、常に自宅の服のストックとの組み合わせや運用方法・運用される
 べき季節などを必死に考える事にし、パルコ等で買い物を行う前段階を養う。少し
 づつ無印良品・ユニクロクラスを買いそろえていき、さらに購入品の運用方法に
 ついて、効率化を自分なりに検討する。服飾の取り扱いや組合せに関して考える癖
 をつけ、買い物失敗があった時は何がどう失敗したのかを必ず反省する。とにかく、
 考えるのは無料なので、問題点については必ず考察し、次回同じ間違いをしない
 ように注意した。また、時々雑誌を立ち読みして、綺麗な組み合わせだと思う配色
 や組み合わせに目を慣らすように心がけた。上京した時は大チャンスで、新宿や銀座
 で、自分より格好よくて、好感を受ける服装の男性を観察しまくり、その着合わせを
 選ぶ理由を考えて考えて考えまくった。考えるのは無料ですし。

  なお、後に手に入れた情報では、セレクトショップ店員などの中には、服装がダメな
 客をバカにする奴らが混じっているらしい。いきなり立派なお店に入っていたら、
 危なかっただろうか。だとしたらこれらの前準備は無駄では無かったのかもしれない。
 少なくとも、ここまでやらないと臆病な私はパルコに入れなかった。


3がんばったら次のステップへ‥‥ある程度以前に比べて向上した格好で(2003年
 現在再検証すると駄目)、初めてパルコに買い物に出掛けた。やはり、敷居の低い店
 から次第に高い店に、慣れないうちは黒基調で、なおかつ黒だけに堕ちないように。
 服飾について考える時間が増えれば増えるほど、いつの間にか、だんだん考える
 のが面白くなってきた。或るサイトではCOMME CA DU MODE MENをマイクロソフトに
 例えて初心者に最適なブランドの一つとアドバイスしていたが、実際にネットの意見を
 眺め回している限り、賛否両論のようだ。実際に格好良いとか悪いとかを考えず、
 無難に擬態を実現するならば、アニエスベーやMEN'S BIGI、OZOC(BOYCOTT)、
 JUN MENあたりの服を買いそろえておけば無難か?(注:アニエスベーは、色んな意味で最初は
  避けたほうがいいような気がする。)この他BEAMS、ユナイテッドアローズあたりからも比較選択
 しやすいかもしれない。最近では脱オタ者もかなりの頻度で見かけるようになった。
 とにかく上記のようなお店相当の服飾(と、それに相当するだけの着合わせ等運用
 技術)まで到達すれば、お洒落さんにはなれなくとも、見た目でオタクだと推測される
 確率は激減するし、見た目で人を馬鹿にするような連中も大体は誤魔化す事が
 出来る。逆に、それでも見た目でオタクっぽさを見抜くような人間は、相当オタクを
 よく知っている同族である可能性が高い。

 そこから上は‥‥絶対に購入しなければならないわけではないような気がする。
 見た目だけで他人に差をつけようとか考えず、擬態するだけならこれぐらいで十分
 と思うのだが。

  とはいえ、どれだけいい服買っても、着合わせやメンテナンスなどの総合技術が
 モノをいう。高い商品を組み合わせた服装で、着合わせなどでぶち壊しでは目も
 あてられない。その辺りは、雑誌やインターネットや町の観察がモノをいうだろう。

4そのほかにも目を向ける‥‥眼鏡、帽子、靴、時計等についても、可能な限り再検討
 をする。安くて機能的なものをというよりも、高いものを買って大事に長く使う感覚の
 ほうが、見た目がいいだけでなく結果として健康にも良く、耐用年数の関係で存外
 低コストで済むような気がする。なお、ローテクスニーカーの代表・コンバースの黒が
 あちこちのサイトで以前は推奨されていた。使いやすい、併せやすいという意味で。
 ただこの靴は30代に近い人には、もはやお勧めしづらい。時代の流れに伴って、
 現在はまた違ったタイプのスニーカーが推奨されているが、結局のところ、新しい
 情報を把握しながら選択するしかないだろう。

  どちらにせよ、“足下を見られる”という言葉もある通り、オタクかどうかは抜きにして
 靴代をケチりすぎない事を勧める。仕事でも付き合いでも。普段ファッションにとやかく
 言わない人でも、足下だけはしっかり見ている場合があるからである。


5その他注意点として‥‥年齢やサイズを考える事。オタクっぽくない服装をしたからと
 言って、対象年齢やサイズを逸脱していると大変痛々しい。サイズについては注意
 深く服を選ぶ事で、対象年齢については雑誌や周囲の男性観察によって問題を解決
 する事が出来る。それと、身だしなみや洗濯などには気を付ける事。せっかくいい服
 を買っても、不潔だったり寝癖頭だったりしたら台無しだし、綺麗なシャツもよれよれ
 では格好悪い。見た目というのは総合的なものであって、一つか二つの要素が
 優れているだけでは駄目だという事は、つねに念頭にあったほうがいいだろう。
 そうそう、あなたの表情があまりにも酷ければそれにも影響受けます。

  あと、このページに書いてある事を実行したからと言って、自分が所謂お洒落さん
 だと勘違いしない事!あくまで、平均に近づいた、という自覚を忘れないように。この
 サイトに書いた事を実行すれば、確かに秋葉原を徘徊する同世代男性オタクよりも
 見栄えがするようになるかもしれない。しかし、青山や銀座では単なる普通の男性
 以下になるという事は覚えておいたほうが良いし、表情が昔のままでは相当なディス
 アドバンテージを受けることだろう。見た目が大幅に変わって有頂天になりたい気持ち
 も分かるが、ファッションオタクになる事が目標ではないし、そのレベルはまだまだ先
 だ。このサイトの呈示する目標は、あくまで服装で差別するような輩の目を誤魔化
 せる程度のレベルに過ぎない。


  以上、自分のやってきた事を思い出しながら改善の一手順を挙げてみた。後に
 脱オタク系ファッションサイトや街の男の子達を観察するにあたり、自分の判断が
 そんなに非効率ではない事を確認できた。上記を土台とした様々な試みの末、
 ようやく男性平均レベルに追いつきつつあると考えている。勿論、上を見ればきりが
 ない。ファッションに熟達した人達や、今の10代後半の人達のアベレージを考えると、
 とてもかなわない。また、私は地方都市の人間なので都会よりもファッションが洗練
 されていない地域に生きている。首都圏の特定エリアでは、要求される水準が高く
 なる可能性がある。
 (2005年注:既にここに書かれた内容は、二十代前半以前のオタク達の脱オタのごく
 初期の段階しかカバーしていないと思われる。常に時代は変化している。所謂脱オタ
 を目指す人は、新しい情報を常に探しまわりましょう)


Qどんな所に行けばオタクっぽくない服が手に入るのでしょうか?
A都会の人なら、丸井/パルコ級の服屋の複合体などそこらじゅうに見つかる
 と思います。
  そうでなくても、あちこちにいい服売っている店があるので、探してみましょう。
 セレクトショップを利用するというもありますが、色々な意味で敷居が高い場合が
 あるので最初のうちはお勧めしないでおきます。
  なお、中古の服が格安で手に入るフリーマーケットなどは、注意深く使用しな
 ければ失敗する事もあるので、失敗覚悟でがんばってみるか、それとも最初は
 普通のお店でコストを支払って購入しながら目を慣らすのも手かもしれません。
 (この辺りどうなんでしょう?わかんないです)

  なお、田舎では県庁所在地クラスの街に出なければ上記ショップは見つかりにくい
 です。もし近くに大都会があるなら、いっそ都会まで出てしまう事を推奨します。また、
 無印やユニクロクラスはそれこそ10万人程度の地方都市ならまず間違いなく存在
 します。そして、田舎の地方都市で暮らしているならば、無印・ユニクロクラスを主軸に
 しても、擬態レベルではそれほど困らないのではないかと推測しています。


Qいくらぐらいの服を買うのが良いのでしょうか?
Aそんな質問をされても実際困るんですが、とりあえずユニクロ・無印の価格が
 極めて安価な点は、見逃すわけにはいきません。男性の場合は特に、丸井/パルコ
 レベルの服を探す場合は、一着あたり2〜4倍のコストが応々にしてかかりますが、
 便利な品に当たる確率はもちろん高くなります。まあ高いからこそ、自分に合った
 商品をしっかり選択しないと損をしちゃうわけですが。さらに高価な服を探し求める
 ようになると、この傾向は一層顕著となります。本当の本当に良いものだと直感的に
 思うなら、なるべく買ってあげたい所ですが、自分の経済基盤と心の自信とよく相談
 して、現実的な面も考慮に入れつつ選択せざるを得ないでしょう。勿論、ゲームや
 同人誌を買うお金が余っているのなら、躊躇わずに買っても害はありません。ただし、
 どんなに良い品でもあなたの現在の手持ちの服との着合わせを考えないと、折角の
 投資が無駄になってしまう事はお忘れなく。試しに店員に訊いてみるのも一興で、
 ふざけた答えや合理的とは言い難い答えが返ってきたら、その店で買うのをやめて
 おきましょう。

  なお、地方郊外の量販店でも、よくよく探すと思わぬ材料がみつかる事があるので、
 探してみるのもいいと思います。‥‥ちょっと大変ですが。女性ものは、ジャスコの
 ような所にも掘り出し物が多いと聞いていますが、男性の場合は掘り出し物を探す
 のが大変なので、かえって或る程度のお店やブランドにお任せしたほうが楽です。


Q手本は?
A各種インターネットサイトやファッション雑誌をどうぞ。
 自分の年齢を考えつつファッション雑誌は選択するといいんですが、20代前半ぐらい
 までならMEN'S NONNOで無難と思います(年食った私は、もう滅多に眺めなくなって
 しまいましたが)。ファッション雑誌は、どうしても手元に置いておきたい特集などが
 ある場合以外は、立ち読みでも良いのではないでしょうか。むしろ、まめに立ち読み
 する習慣を(一時的でも)獲得したほうが良いと考えます。もちろん、モデルと同じ服を
 まともに揃えるのは高コストすぎる上に、服が良すぎると逆に変に思われかねない
 ので注意。あくまで当サイトの服飾にまつわる主旨は、「おしゃれになる事」ではなく、
 「見た目に起因する差別を回避すること」です。現実的妥協があってもいいのでは
 ないでしょうか。いや、現実的妥協が出来なければきっと上手くいきません。

  あと、街を歩く同世代同体格の同性で、これはいいっ!と思えるものがあれば、
 それを記憶して自分とイメージを比較し、参考に出来る場合があります。 よほどの
 田舎や秋葉原の同人ショップで無い限り、参考になりそうな先達者はそこらじゅうに
 転がっています。何しろ「格好よい」を目指すのではなく、「キモオタっぽくない」を
 目指すだけなのですから。まあ、ガンを飛ばしていると思われない程度に、街の
 男性を観察して情報を収集しましょう。


Q今まで服はどうすればいいでしょうか?
A捨てるのが勿体なくて、しかもあなたに十分な収納スペースがあるなら、
 部屋着にしたりある種のオフ会専用にしたりするのも手です。
 今までの服装には、「ちゃんとしたオタクらしく見える」という効果があるので、自分が
 オタクである事を積極的にアピールしたい場面では効果的です。オタクらしい
 ファッションの、あなたらしい再利用法を研究してみては如何でしょうか?



【3そのほかのファッション関連】

  眉切りなどのフェイス関連、フレグランスなど。
 眉切りは美容院でしてもらう事もあるが、私は家ではやってない(2005年注:いや、
 やったほうがいいような気がするから結局やっている)。私くらいの世代(1970年代
 中盤以前生)では、それなりにオシャレでない限りは眉切りはしない事が多いような
 気がする。いや、ホントに格好いい二十代後半の男性のなかには、眉切りしている
 人もいるわけだけれども。

  それよりは若い世代(二十代前半、十代)はファッションのアベレージが高いので、
 やっても構わないか、むしろやったほうが良いと推測される。特に、都会では
 ファッションアベレージが高いので、この傾向に拍車がかかる。このほか、鼻毛対策
 などの、減点対象を削る事はやっておいて損にならないので、世代に関係なく積極的
 に行う。爪も汚く伸ばさない!ちゃんと切る!歯磨きも怠らない!食後は可能な限り
 歯のケアを行い、口臭対策が必要な場合は対策も考える。フレグランスは一応CK-1
 があちこちでビギナー用に推奨されていて、確かにあれはいいものなわけだが、抵抗
 があるうちはむしろ、自分から悪い匂いが発していないかに警戒する。つまり香水で
 加点を期待する以上に、減点を警戒するやり方でもいいかもしれない。例えばワキガ
 などが気になる人は消臭剤を使うとか。フレグランスの類は時々すごく苦手な人が
 いる上、つけすぎると逆効果なので、運用の際には慎重を期したい。


 ☆ファッションの効果について最後におさらい

  以上、ファッションを人並みにする方法について挙げてみた。大変・面倒と思った
 かもしれないが、ファッションは投資に見あった効果が比較的得やすいコミュニ
 ケーションスキルなので、投機的ではないという点で優れている。

  ファッションを人並みにする事で、まずあなたは第一印象が悪くなくなる。小汚い奴
 だというレッテルを相手に植え付けたくない場合、特に、オタクに対して偏見を持って
 いる可能性の高い相手との交流では、有効な擬態となる。もし服装がまともなら、
 中身が少々オタク知識・思考法に傾いていても、まあ、あの人服装は普通だし」という
 免罪符が手に入る。見た目がまずいか否かは決定的ではないものの、様々な局面で
 大小の影響を与える。続いて、あなたの自信、というものものについて思いを馳せて
 欲しい。周りの人に比べて自分がむさい格好をしている時とそうでない時と、どちらの
 ほうがあなたの気持ちは委縮しやすいだろうか?気持ちが委縮したり後ろ向きな所
 があれば、本来なら発揮できる能力も発揮しがたいのが人間である。服装は外から
 の評価を変えるというだけでなく、自分自身の気持ちにも影響を与える事がある。
 機能性だけで服飾を考えれば、確かに秋葉原の人々と同じ格好でもいいかもしれ
 ない。しかし、より大きなコストを支払う事で、あなたは機能性以外の様々な恩恵
 ――そしておそらくその恩恵とあなたは無縁であった筈だ――を得る事が出来る
 だろう。


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 【※1円滑に実行できるだろうか?】
  可能なら是非やって欲しいし、余裕があるなら是非サイトを立ち上げて全国のオタク
 達に手法を教えてあげて欲しい!きっとそれはとても画期的でセンセーショナルな
 ものになる筈だ。