(1997年12/4、SS完成時のコメント原文ママ)

 このSSには沢山の目的がありました。
 自分を表現することが一つの柱でした。
 が、それについてはなるべく語りたくはありません。

 そして、ここでは彼女に恩返しをすることだけについてなるべく書こうと思います。

 TV版で、自分はアスカを中心に、エヴァから色々なことを学んだと思います。

 エヴァの見る前の自分は、文字どおりクズっていました。
 学校にもろくに行かず、家を出てそのままゲーセンに行く日々でした。

 日がな一日、目的も意味もない、ただなんとなく楽しい、
 なんとなく不安な日々が続いていました。
 今と比べると、穏やかだが意味のない、だらしない日々が続いていました。

 それを破ってくれたのが、影ばかりが目についた、あのダメなキャラクターでした。
 感謝してもし足りません。

 沢山の、本当に沢山の事を『彼女』から吸収し、今年の春頃、
 自分は一つの「自分にとっては価値のある」心的目標を達成したと推測しています。

 だから、G線上のアリアの流れる中、戦い続けるアスカを見たとき、
 なぶりものにされて苦しみながら死んでいくアスカを見たとき、
 シンジを突き放して扼されるアスカを見たとき、
「もう、何も教えてくれなくてもいい、だから、もうやめてくれ」
 と心底思ったのを覚えています。

 本当に映画は、とどめでした。
 自分は、自分が得たものに間違いがない事を映画館で確信しました。

 と同時に、最後まで苦しみ抜いた心の恩人に、心の中で深く礼を言いました。
“本当にありがとう”と。


 多くの人から見て、これがお笑い草でも別に構わないんです。

 それでも、自分がエヴァから、アスカからたくさんのものを得て、
 おそらくは「アイデンティティのカケラ」とでも言うべきものを掴んだのは、
 紛れもない「私だけの真実」なのですから。
 この件については他人の思いなど、ある意味どうでもいいんです。


 読んでいる人に、どこまで伝わったか、自信はありませんが。

 一連のSSの中、ひたすら自分は、自分がエヴァから得たもの、エヴァと
 共に過ごした一年間の間に学んだことを盛り込もうとあがきました。

 他人から見て、長いわ読みにくいわストーリーがボロボロでありがちだわで、
 ろくなもんじゃないとは感じています。
 それでも読んで下さった皆さん、レスを送って下さった皆さんには感謝しても
 したりぬものがあります。 本当にありがとうございました。

 私は、それでもこのSSが、誰のSSよりも好きです。
 他人にどれほどけなされたところで、痛くもかゆくもありません。
 自分の、そして自分のアスカの為だけに書いたんですから。

 その分、自分を全面に出した分、他人様から共感を得る確率は減るだろうし、
 けなされる確率も高くなった事でしょう。

 でも、それを気にしないで、最後まで書いた自分を今は誉めたいです。


 しかし、このSSをここまで続けられたもう一つの要素――
 心温まる感想レスをいただけたという事――は決して忘れないでしょう。

 こんな我侭なSSに付き合い、あまつさえ感想までくださった人達に
 助けられ、ここまで書けたことを私は忘れないでしょう。
 そして、心底感謝しています。

 時に心揺れる私を誉め、あるいは萌え(爆)、
 時に厳しくアドバイスして下さった皆さん。
 本当にありがとうございました。

 そして、この会議室でこんな駄目な自分の相手をして下さった皆さん、
 オフで一緒に飲んで下さった皆さんにも、心から感謝の言葉を言わせて下さい。

 ありがとうございました。


 皆さんと一緒だったから、こんなわがままを続けることができたと思います。
 自分の力だけで作ったのも確かですが、「読んでるよ」との言葉があったからこそ、
 或いは皆さんの無言の承認があったからこそ、続けることができたんだと思います。


 こうしてMES16用の後書きを書きながら今、自分は幸福だと実感してます。

 それ故か、この会議室の人達、そして自分と一緒にいてくれた全ての人に
 対する感謝の気持ちも沸々と沸いてきます。

 本当に、皆さんありがとうございました。
 この会議室のみんなのことも、たとえMES16がなくなっても、忘れないと思います。

 HDDの中に、ではなく、心の中に思い出として、ずっと残るでしょう。



 最後に。
 あんまり書きたくないですが、ここまで来て本心を隠すのもなんなんで、
 敢えて書きます。

‥‥悲惨なアスカだったからこそ、今日までアスカが好きで、
  惹かれ、学ぶことができました。

 かつて私は、アスカが本当にちゃんと成長し、ちゃんとした笑顔で
 笑えるようになったら、即座にエヴァを卒業し、
 目指すべき次の段階に移ろうと思っていました。

 今はEOEもとても好きです。得るところが大きかったので。
 ですが。
 そういう意味では、EOEには失望しました、というより、ショックを受け、
 そのために壊れた私は、他人に迷惑までかけてしまいました。

 その後‥‥私の中の映画解釈を都合よく塗り替え、この会議室でいろんな方に
 助けられて、なんとか愚かな私も理性を取り戻しました。

 ですが、今年の夏でエヴァと訣別するというもくろみは失敗に終わり、
 今日までアスカにすがり続ける結果となりました。


 でも。

 ちっぽけな自分のSSだけとはいえ、自分だけのストーリーの中だけとはいえ、
 彼女の笑顔を見ました。

 なにせ、(匿名希望)の心の中だけの、(匿名希望)アスカは、
 もう強いアスカなんですから。
 あの弱いアスカじゃないんですから。


 アスカで病的に萌える病んだ心もようやく癒えたと思います。

 【病惣王】という猫耳さんの名付けた王名は、私に本当にふさわしいかったです。

 それでもまだ、私はどこか病んでいるかもしれません。

 つい1年前まで、自分は萌えるという事を知らず、さらには軽蔑していましたが、
 もう、こんなに萌えが辛いとは知りませんでした。
 今はただ、『病気』を治して、早く楽になりたいです。
 (或いは、時が癒してくれるかもしれませんが、エヴァ故に自信はないです)

 そして、「自分だけのエヴァの卒業資格・アスカの卒業資格」を得たいです。

 今回のSSで、そのきっかけが掴めたような気がします。


 勝手気ままに書いてみました。
 きっとこの後書き自体で興ざめする人も多いでしょう。

 でも、これが今の本心です。

 そろそろ書くのもやめましょう。


 もう1個、このSSの二番煎じ的なEOEその後もののSSを書くまで、
 この会議室に残ります。

 そして、もし完全に病惣が治ったなら‥‥
 その時こそ、現実世界の「幸せの基盤を持たぬヒト」の為に、
 己が獲得するであろう力を捧げたいと思っています。

 これが(匿名希望)という人間の中の、エヴァであり、
 これがアスカと過ごした私の一年です。
 SSを書きながらいつも思っていたこと、書き終わったときに思ったことです。


1997 12/4 (匿名希望)




 First story [save your life]

 Second story [open my heart]


 1【それによって、何かが確かに変わった少女】
 2【碇 シンジ】         
 3【大人達】              
 4【雨の後に来るものは】    
 5【再会】              
 6【惣流 アスカです!よろしく!】    
 7【私、一人じゃないわ。でも、一人…】  
 8【病院の外は】      
 9【優しさの代償】         
10【今日も、彼女は、ヒトリ、だった。】  
11【恐怖】                
12【心、重ねて】             

第二部:

13【かたちのある幸せ】  
14【務め】            
15【私は幸せなの】      
16【森の中のチルドレン】       
17【それぞれの選択、それぞれの道】    
18【灰色の追憶】              
19【幸せの絶頂】            
20【揺れる二つのココロ】
21【2019】        
22【終わりと始まり】         
外伝【KAWORU】      
23【安らぎを求めて】           
外伝【青葉とマヤのウェディング】      
24【心の痛み】               

第三部:12/4現在、未収録

25【日常の、終わり】
26【過ちを犯すアスカ】
27【醒めた後】
28【他人の匂い】
29【他人の香り】
30【目覚めて、私の心】
31【負けないで】
32【待っていた知らせ】
33【好きな人・憎かった人】
34【夢、叶って】
35【open my heart】

36【私達のハネムーン】
37【母親】
38【惣流 アスカ】
39【生きる】
終章【I need you, foever】



 重ね重ねですが、皆さん、長い間どうもありがとうございました。
      おバカな惣ちゃんの会パカ113・(匿名希望)








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