(1)硬貨(コイン)を使って、遺伝の法則を調べる。

 財布の中から、1円硬貨か、あるいは10円硬貨の2枚を掌(てのひら)に取り出し、両手でよく振ってから、机上に落とす。二枚の硬貨が、<表・表>:<表・裏>:<裏・裏>の3通りのどれになるかを見る。これを、少なくとも100回繰り返して、それぞれの合計数を出す。
 さらに、実験を繰り返して、その合計数が多くなればなるほど、<表・表>:<表・裏>:<裏・裏>=1:2:1の比率に近くなることを確かめる。高校生物の授業の「遺伝」の項で、メンデルの法則を確かめる実験として、よく実施されているものである。
 よく世間では、お金は誰が触ったか判らないのであるから「お金ほど汚いものはない」とか、生活する上で大切なものだから「お金をおもちゃにしてはいけない」とか言う。この実験をするときも、安易に、「硬貨(コイン)を2枚用意して!!」などと言うことは禁物である。生徒に硬貨(コイン)を出させるのでなく、教師サイドで、厚紙を硬貨のように丸く切り抜き、表を赤色、裏を白色に染め分けて、赤白それぞれの1枚、計2枚を生徒に貸し与えて実験させると良い。生徒の社会常識は、親から与えられている場合が多いが、教師以上のものであることがある。


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