(1)個体群の成長曲線

 池のヒツジグサの葉が毎日倍に増えていくとして、1枚のヒツジグサの葉が1ヶ月すなわち30日後に池の 半分まで増えたとすると、ヒツジグサの葉が池一面を覆うのには、あと何日必要だろうかの答えは、あと 1日が正解である。高校の実験では、ヒツジグサではなくてウキクサがよく使われる。一般に個体群の成長 は、分裂回数をx、個体数をyで表すと、y=2xで示される。これに個体群の増加を抑制する要因 (環境抵抗)として、食糧(植物の場合は肥料)の不足・生活空間(ヒツジグサやウキクサの場合は、池の水面 の面積)の不足・排出物による汚染などを考慮していく。
 ある個体群の個体数は出生により増加し、死亡によって減少する。瞬間出生率をa、瞬間死亡率をbとし、 最初の個体数をNとすると、
dN/dt=(a-b)N‥‥‥‥‥(1)
と書ける。このとき、a-bを瞬間増加率rとすると、(1)式は
dN/dt=rN‥‥‥‥‥‥‥(2)
のように、書き直せる。これを時間で積分し、最初の個体数をNo、時間tの個体数を Ntとすると、
                           
Nt=Noert‥‥‥‥‥‥‥(3)
環境抵抗を考慮に入れれば、瞬間増加率はr-kNで表される。kは環境抵抗係数である。これから(3)式は 次の(4)式に書き直すことが出来る。
dN/dt=(r-kN)N‥‥‥‥‥‥‥(4)
(4)式において、r-kN=0、つまり個体群の増加が止まったときは、個体群が最大になったときで、それは 同時に個体群が平衡状態に達したときである。そのときのNを環境収容力といいKで表す。Kはr-kN=0のと きのNの値に相当するのでk=r/Kとなり、(4)式は、
dN/dt=rN・(K-N)/K‥‥‥‥‥‥‥(5)
と変形できる。この(5)式を積分すると、
Nt=K/(1+ea-rt)‥‥‥‥‥‥‥(6)
となる。ただし、aは定数とする。これを、グラフに描いた曲線を、ロジスティック曲線(成長曲線)と 言い、S字状の曲線を描く。
【具体的な実験例】ウキクサ個体群の成長
  ウキクサは成長速度がはやいので、個体群の成長を調べるのに適している。また、数も数えやすく、 量的な測定もやりやすい。
<テーマ1:ウキクサ個体群と密度効果>
 光、温度、培養液を一定にして、一定面積をもつ培養液中でウキクサを培養すると個体数は増加するだろう。しかし、個体数が増加するとともに、個体群の成長をさまたげる密度効果がはたらいて、やがて、増殖率は低下するのではないだろうか。
<テーマ2:ウキクサ個体群の成長と温度の関係>
 培養条件の中で、温度だけを変えると、適温の範囲内であれば、より高温のほうが個体数の増殖率が高いのではないか。
<テーマ3:ウキクサ個体群の成長と栄養条件>
 富栄養状態と貧栄養状態での培養の比較をしてみると、どのように違っているか。
                       〔参考:東京書籍発行「生物U」教科書〕

【リンク】
成長曲線へのあてはめ

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