鑑賞ツアーとは? 〜見えない人と美術館へ
鑑賞ツアーとは? 〜見えない人と美術館へ

ミュージアムアクセスビューは、2022年8月をもって解散いたしました。20年という長い間、ほんとうにありがとうございました。詳細はこちらをご覧下さい。

ビューでは、目の見えない人/見えにくい人と「ことば」を使った鑑賞ツアーを行っています。

といっても、難しい作品の解釈や説明をする必要はありません。作品を介してお互いに会話を 楽しむことを目的としています。

作品の構図や描写、受けた印象、感じたことなどを相手に伝えていきます。

目の見えない人/見えにくい人からは、どんなイメージが浮かんだか、何を感じたかを 伝えてもらいます。こうしたやりとりを通して、作品からのメッセージをさぐり、 鑑賞を深め、またおたがいの「見え方」「感じ方」の違いを発見し共有していきます。

一人で静かに鑑賞するのとはまた違った、いろいろな職業や、年齢、障害の有無、 経験の違う人たちとおしゃべりをしながら作品を見る、新しい鑑賞の試みです。

「会話を楽しむ」ことができる人なら誰でも参加可能です!


●鑑賞の4つの「しない」ルール
●グループになったら
●「伝える」ためのヒント


 

 鑑賞の4つの「しない」のルール
1, 静かに鑑賞しない。
(おしゃべりしながらの作品鑑賞を楽しみましょう。)

2, 見える人は一方的な説明をしない。
(自分の声や相手の声、作品の声を「聞く」ことも忘れずに)

3, 目の見えない人/見えにくい人は、聞き役に専念しない。
(どんどん困らせる質問をしましょう)

4, 全て分かり合おうとはしない。
(人間、全てを分り合うのは不可能です。それより気軽に鑑賞しま しょう)

思いがけないところへ会話が飛んで行ったり、発展したり、脱線もOK。
新たな発見や、忘れていた感情を思い出すことも、アートの楽しみのひとつです。

 グループになったら
ビューでは3〜5名のグループになって鑑賞します。
グループごとに、鑑賞の仕方が変わってきます。何を見るか、どういう 絵を見るか、どれくらいの作品数を見るか、どういう作品が好きかをま ずは確認して下さい。チームワークが重要です。


1, グループ内で自己紹介をして下さい。

2, 見えない人/見えにくい人の視覚の程度( 全盲/弱視/中途失明/先天盲、 視覚の記憶、色の記憶等)や、歩行の際の手引きの必要性等を確認して下さい。

3, 会場の大きさ、作品数、時間などを確認し、鑑賞する作品を相談し、 しぼって下さい。言葉で鑑賞できる目安は、1時間半で10〜15点ぐらいです。
4, 展覧会によっては、触って鑑賞できる立体コピーや点図などの触図を 数点お渡しします。それらの資料は触れば理解できるものではありません。 あくまでも補助ツールとして、それをもとに言葉による鑑賞を行って下さい。

 「伝える」ためのヒント
1, 自分の目に一番に飛び込んできたもの、一番に感じたことを伝えるのも いいでしょう。
構図を伝えるときは、作品の大きさや大まかな構図を先に伝えてから、 細部を伝えていきましょう。

2, 何か身近なものに例えて伝えてみましょう。(色は特に)
赤色ートマトのような赤、火のような赤  人物ー有名人に例える等)

3, 描かれてないものも想像して伝えてみましょう。
音、会話、味覚、匂い、季節、雰囲気等

4, 擬態語も多いに伝わります。
ざぁー、ぽわん、ぷるん、がぎがぎ等

5, 相手の手をとって、動かして大きさを伝えたり、手のひらに描くことも 伝わりやすいでしょう。(女性には失礼のないように)

6, どういう言葉が伝わりやすいか、相手に聞くことも大切です。

 

※解散ということになりますので、以後は「ミュージアム・アクセス・ビュー」の団体名で活動することはありません。今後もし「ミュージアム・アクセス・ビュー」の団体名で活動が行われることがあったとしても、その団体や活動は当団体とは一切関係のないものです。どうかその旨をご理解くださり、ご対応くださいますようお願いいたします。
2022年8月

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