第7回鑑賞ツアー感想
三橋節子美術館



第7回鑑賞ツアーに参加して
中林智子
 今回はじめて、鑑賞ツアーに参加させていただきました中林です。私は今まで、自分は美術を鑑賞する感性がないのだと思い込んでいました。みんなと一緒に行ってもそれほど感動を覚えなかったからです。私が今まで行った美術館では、絵の前をみんなと一緒に早足で通りすぎるだけで、絵のそばに書かれている説明など注意したことはありませんでした。でも今回参加してみて、絵のタイトルや説明書きも、大切な役割を果たしているのだなぁ、と思いました。
 今回行った三橋節子美術館は、鑑賞するスペースが少なかったということもあり、一つの絵の前で時間をかけて見ることができたことが良かったです。晴眼の人に説明してもらいながら鑑賞するのは、眼を使わなくていいという安心感があり。集中して鑑賞することができました。
 ただ、少し残念だったのは、私自身が自分の見え方に対してまだ迷いがあり、自分がどれだけ見えているかを十分に伝えることができなかったことです。自分に見えていない部分はどこなのか、晴眼の人が見ているものと自分が見ているものとではどれだけ違うのか、それを知りたくていろいろ質問してみました。私が質問した結果として、晴眼の方も絵に対していろいろ気づいた部分もあったそうで、楽しいコミュニケーションができ、良かったと思います。
 私は、全盲の方が、言葉の説明によってどのように想像するのか、果たして自分は同じように想像できるのか、ということを知りたくて、最後の1枚は目をつぶって説明してもらいました。そうすると、やはり自分で見ながら説明を聞いている時よりも想像力を働かせ説明に集中して聞くことができ、貴重な経験だったと思います。ただ、目をつぶって聞いていた時の方が、目を開けている時よりも、他のことを考えずに説明に集中して楽しく鑑賞できたということが、少し淋しかったですね。


奥野絹子
五月晴れと言うけれど、あいにく今日は雨。三橋節子さんの作品を見るのは初めての事、どこまで見えるのか、わくわくしながら山道を歩き、雨がきたないよごれたものを流してくれています。緑の匂いが、ほんのりただよってくる、小高い山の中に建てられた美術館にたどりつきました。
中に入って、ガラスの額に描かれた一つ一つのの作品に、ワークショップのグループの方が、きめ細かく説明してくださり、イメージがわいて来ました。朱色の色彩が上手に描かれているのが三橋さんの特徴なのかな?
節子さんはきっと幸せだったと想います。恵まれた環境の中で育たれた様子、好きな絵を描くことで人生を終えられた事、短い人生とはいえ、死と生きる事に向かいあって描かれた半生記の絵に感動を覚えました。
森の中に白く描かれた作品に、きらきらと光るその向こうに何があるのか、ふしぎの国にさそいこまれそう。花折峠の女の子は朱色に見えるけれど、顔と形はよくわからなかったけれど、自然に咲いている野の花の白きものが少し見え、その物語を聞かせて頂き、人間は善と悪くの心を持っている。
障害になって、一番大切な事は、いかに健康が大事かという事に気づかされ、今、私は毎日感謝の心を忘れません。生かされている喜びを見つけたからです。三井の晩鐘にも、子を思う親の気持ちと、なぜか死後の世界が描かれているように思えました。楽しい一日を有りがとうございました。


これまでの活動、鑑賞ツアー第7回を参考にしてください。

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