第12弾お絵描きワークショップ
「えのぐで遊ぶ・色で遊ぶ2〜海の色の貝殻〜」感想
 


参加者の感想
── 中村健 ──

先日のお絵かきワークショップ「絵の具で遊ぶ」に参加させていただきました。
絵を描くことがほとんど経験がありませんし、ましてや絵の具なんて初体験です。
案内のお知らせには「かなり汚れる」ようなことも書かれていたので不安も ありましたが、参加してみることにしました。
最初、大きな紙に海のイメージで手足を使って塗っていくことから始めました。
この時、まずどんな色を使うかを迷いました。「海ってどんな色なのか。」
自分の目で海をみたことのない私にとってはスタートから困ってしまいました。
いろんな曲の歌詞や雑誌や小説などの海の描写を思いめぐらしながら、とりあえず 南のきれいな海をイメージしました。どこかの歌詞にあった「コバルトブルー」 をおもいつきました。
またダイビングを趣味にしている友人からのメールで八重山かどこかに行って、 イルカといっしょに泳いだというメールがあったこともあり、静かな南の 海という、まあ当たり前のイメージとなりました。
色が決まったら、絵の具を混ぜていただいた物を紙の上に撒いてから、 足を使って伸ばしていこうとしたら、けっこう滑る。そして手も使って広げていったの ですが、「よごれたらどうしよう」とか、そんなのどうでもよくなってました。
他の人のエリアにまで自分の色を広げたり子供の時にやっていた泥遊びなんかを 思い出したりしながら、あっという間の時間でした。水で洗っても絵の具は、 なかなか落ちずに、けっこう手足は絵の具だらけになっていたようです。
そして次は、いくつかの貝殻を触って、みんなで塗った大きな海を貝殻の形に 切って、それを貼り付けたりしてイメージをふくらませていくということになった。
それにしてもいろんな形の貝殻がありました。見えない僕は、貝殻の形に 紙をきっても、それを貼り付けるだけでは作品にならない。
サポートしてくださっているMさんにいろいろアドバイスを、と 言うより完全に助けていただく感じで、いろいろな貝殻の形を切ってちりばめるように 貼っていって、白い部分を砂浜に見立てて残して後はそれらしくクレパスを 使って塗っていくということで完成にいたりました。
タイトルをつけることになって結局「サウス・ビーチ」という安易なタイトルしか 思い浮かびませんでした。 他の方々の作品を見せていただくと、貝殻からどうしてこんなイメージに なるのか不思議なくらい立体的な作品になってました。
やはり前回のお絵かきワークショップの時にも感じたことは、物の形は 思いうかべることはできても、なかなかイメージが広がらない。点が線として 結びつかないことがとても残念です。
これにめげずに次回のワークショップも参加できればと思っています。

── 高内洋子 ──

「絵を描くことはたのしいことなのだった、そういえば!」ワーク ショップ初参加の感想はこの一言に尽きます。

わたしは1度目の学生時代に絵のようなことをしていたのですが、 描きつづけているうち「描くってなに?」という考えにとらわれてしまい、 それ以来ピタッと手が止まってしまったのでした。もやもやしつづけて10年、 言葉でとらえなおすことを試みるため、今春2度目の学生となって哲学を 専攻しています。

そのようにして今回のワークショップは、言葉で絵をとらえようとする試みを 体験したい気持ち半分、動く手を取り戻したい気持ち半分で、参加させて いただいたのです。

ペアになったYさんは、すごい。絵の具まみれで躊躇なく絵の中にどんどん 入っていく。「絵の中に入る」というそもそも特異な状況のなかで、 「そういえば変」と思う間もなく絵との距離感ゼロのわたしはYさんに対し、 刻々と変わる絵の状況を、刻々と言葉に置き換え続けるのでした。

海の絵をまるい貝のかたちに切り抜くとき、Yさんはいうのです。
「まるくて安心するかたち、海の中にもいろいろあるけど最終的にみんなが 安心してよかったなって感じ」。わたしはこんな風にして直感的に、 感覚を価値へと置き換えられるだろうか。まるはまるで、触った感じもまる。 ああそれは、いわゆるひとつのまるですね。わたしの中では「価値としてのまる」 ではなく「事実としてのまる」としていつもやり過ごされてしまう。

そのようなYさんの言葉を聞き、わたしも自分の直感をたよりに同様の表現を 試みてみました。「世界にはいろいろなものがあって、最終的に生態系として ひとつにまとまっている感じ」。大きく出たな、わたし!

絵を描くというのは同時に感じるもので、描きながら感じ、感じながら 描いているのでしょう。いまとなっては至極当然とも思えるこの感覚を、 わたしはうっかり忘れてしまっていたようです。手と足にベタベタつく絵の具の あの感じもそう、感覚を価値に置き換える感じときっとほんとは同じかも。

これだから絵はおもしろい。絵を描くことはやっぱりたのしいことなのだった! 顔についた絵の具もそのままにヘルメットをかぶり、ニヤ〜っとしながら 帰路につきました。

当初の半分半分の期待は両者ともに成就。って断言してみることでいま自らを 鼓舞しています。今度はぜひ鑑賞ツアーにも参加してみたいと思います。 参加されたみなさん、スタッフのみなさん、なによりもYさん、この度は ありがとうございました。

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