第26回美術鑑賞ツアー
「二条城・ふすま絵めぐり」感想
 


参加者の感想
── 杉本純子 ──

 私は2名の方と一緒に、まず最初は二条城二の丸御殿から鑑賞しました。
うぐいす張りの床を踏み、一歩一歩中に入っていくたびに、どんどん その時代、その時に引き込まれていくようなそんな感じがしました。
そして、数多くのふすま絵の絵柄や色、欄間の彫刻、天井の模様など、 お二人の説明に1つ1つ、見えなくても思い描くことができました。
また、絵だけでなく、部屋によって調度品や雰囲気も変わり、お二人と おしゃべりしている中で、なんでこういうふうになっているのかと疑問が 出てきたり、1人では気づかなかったことも多く、とても楽しく鑑賞できました。

 それから、次は収蔵館を鑑賞しました。
丁度、「黒書院 桜の障壁画展」が開催され、黒書院の障壁画の原画を 見ることができました。
これは、将軍が見る外の風景をふすま絵に描いたもので、一面一面の風景の説明の後、 将軍と同じ位置に立たせてもらいました。
二の丸御殿で見た時と位置がかわったためか、私には見えるはずはないのですが、 なんだか将軍になった気分で、美しい桜や川、家、人などが見えたような気が しました。

 最後の感想会ではみなさんの意見が聞けて、人によっていろんな見方が あるんだなぁとうなずいたり感心したりで、二条城の奥の深さに気づくことが でき、とても勉強になりました。
 私はこのような鑑賞ツアーとは、今までは見える人に見えない人が全面的に サポートしてもらって、説明してもらうことだけなのかなと思っていました。
でも、ビューに今回初めて参加してみて、お互いが1つのものを違う角度で、 見たり感じたりすることで、見えない人が説明で疑問が解決するだけでなく、 見える人も新しい発見をして、一緒に楽しめることがわかりました。
また、これからも参加したいと思います。ありがとうございました。

── 大塚朋世 ──

はじめて会に参加させていただいて、自分の持っていた固定概念を次から次へと ノックアウトされました。
その衝撃は、この鑑賞会に参加を申し込む際からはじまりました。 見える人・見えない人という呼びかけ方は私の今までの人生のなかで 初めてのことだったので、大変驚きました。
次に受けた衝撃は、対話しながら鑑賞することの重要性でした。
話しながら鑑賞することで世界がさらに広がっていきます。人にものを伝える重要性と 難しさを再認識し、自分の語彙の少なさも痛感しました。
次から次に広がる世界を見たもの見たまま、次から次から口にしてしまい、 光島さんには大変ご迷惑をおかけいたしました。
しかし、その鑑賞の楽しさときたら、今まで展覧会などを見に行っていた時では 感じることのできない感覚に襲われました。 対話しながら見ることによって普段見えないものが見えるのです。
そして、それは見える人も見えない人も同じであるということを 最後の感想をお伺いして感じました。今回の鑑賞会に参加させていただき、 触ることで全てが伝わるように考えていた考え方から、対話なくして 何も始まらないという考え方にかわりました。
今回は参加させていただきありがとうございました。

── 西谷美紀 ──

新緑が眩しかったさる5月。私は、ミュージアム・アクセス・ビューが主催する 鑑賞ツアーに初めて参加をしました。
ありきたりになりますが、参加の感想は「楽しかった」の一言につきます。
まず、対話しながらの鑑賞がとても新鮮でした。
普段の私は、友人が同伴していても自分の世界に入り込み、ほとんど 黙ったままで見学をしています。そのため、今回の鑑賞ツアーのように、 最初から最後までワイワイ話し続けた鑑賞は、今まで経験したことがありませんでした。
もちろん、初参加ということで、かなり気合を入れすぎていましたが、 同じグループのお二人と襖絵について言葉を交わした時間は、ドキドキの 緊張よりもワクワクの時間でした。
また、ただ見て鑑賞するだけでなく「伝える」難しさも学びました。職業柄、 伝えることに慣れていたはずの私ですが、正直、今回はてこずりました。 自身のボキャブラリーのなさに自信喪失です。
ただ、意外に?思ったままを伝えた方が会話は膨らんだような気がします。
鑑賞ツアーを通して、私は、「思ったままに」「自然に」というビューの スタイルを実感しました。説明は「思ったままに」、環境も特別ではなく 「自然に」という発想は、目からウロコな体験でした。
そして、何よりツアーの中で一番印象に残っているのは、感想会の時間です。 他のグループの意見や感想を聞きあうことで、作品や資料を思い返すことができ、 理解を深めることができました。また、一人では思いつかないような考えや 発見を最後の最後まで味わうことが出来ました。
最後に、私は代表の方々から次回のビューの活動をお伺いしました。 鑑賞会以外のワークショップも展開されているとのこと。手先の器用さだけが 取り柄の私にとって、非常に興味がそそられる内容だったので、是非 一度参加してみたいと思います。どうぞ、よろしくお願いします。

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