【萌え関連テキストに関する警告(直面化がもたらす問題について)】2005.08/08

Ver.1.10(2006.03/03)



 私も思うところがあってこのテキスト群をわざわざ制作したわけだが、警告しておきたい事がある。一部のオタクさん達は、本テキスト群を読んでいく過程のなかで強い精神的ダメージを受ける可能性がある。自信が無いなら引き揚げて欲しい。少なくとも、エンターテイメントを求めて読んだらろくな思いをしないような気がする。おそらく一部のオタクさん達がみたくないもの・ききたくないもの・みないきかないように努めているものに直面するものと思われるからだ。

 私はこのテキスト群において、防衛機制によって意識の外に普段追いやられているような事を次々に書き出していこうと企んでいる。しかし、防衛機制によって普段は意識下にマスクされているものに直面するという事は、防衛機制という“こころのダメージコントロール機構”によって軽減化されている心的コンフリクトにモロぶつかる事に他ならない。結果として私の試みは、一部の読者の防衛機制をブチ破って、見たくないものを見せてしまう可能性を孕んでいるのだ。意識しないで済んでいる見たくないものを直面する事によって、勿論洞察を深めて頂ければこれに越したことはないわけだが、全ての読者さん(特にオタクさん)にそれが可能だとも思えない。この直面化は、防衛機制によってかろうじて心的ダメコンを達成している一部のオタクさん達には過酷すぎる可能性があると私は危惧している。

 故に、今回の議論対象の定義にある程度該当していそうで、このテキストを読もうと思っている人は、自分自身の葛藤が強そうだと思ったら引き返して貰ったほうがいいと思う。或いは、最初から“このテキスト群は敵だ”とはっきり決めつけて、徹底的に敵対する姿勢を固めてから読み始めるか。とにかく、何らかの方法で自分自身のダメコンを確保したうえで読んで欲しいと思う。仮にこのテキスト群で示される防衛機制に関連した議論が正鵠を射ていたとしても、やはりダメージを受ける事は避けられまい。

 私はこの考察を進めていくなかで、精神医学/心理学の言葉で言うところの“防衛機制”に着目しながら“オタクの精神病理”に接近していこうという身の程知らずな事をやろうとしている。私の精神科医としての研鑽がどうにも未熟な事を考えれば大それたことだが、この手法だからこそ考察出来る事もあると信じているからこそやってみるつもりである。色々首尾の悪さはあるかもしれず、何か馬鹿な用語ミスもあるかもしれない。もしなんかあったら、こっそり教えて頂けたらと思います>諸先輩