警告  これ以上、妨害すると気の毒な事が起きて来ます。失明の憂き目に遭わない
よう注意せよ。 悪の目を抜く大悲劇が迫っています。  天の復讐は容赦が無く、
巨悪を成敗する、怨霊の鉄槌で打ち砕かれる宿命は、避けられません。節穴のクズ共は
、改心する事無く、自滅します。 imasuguni motoni modosinasai. kuzudomohe

 

動物の地形にただよう英霊(犬)を背負った少年の体験した不思議な物語

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A
 

 この講座はまず真理のカギとなる2冊の小説を読んで頂くことから始まります。
 (少年の幼少体験を描いた
小説@その母のシマが残した自叙伝小説A
 少年の心と同化しながら
歴史的封印を解いていく「放浪の旅。」へと誘います。

 暗闇を彷徨いながら失った言葉の意味英霊の残した課題先祖の家訓まで次々起こる課題少年と共に隠れた「封印の謎。」を解いて頂くという趣旨です。

 人生観を変える内容となるか
本物の「心の宝。」を求めている方はぜひ学んで下さい。

小 説 「 編  

参考   「遠路の果てに。」 前編 後編 著 田口正神
               
田口家と私。」 自叙伝   著 山下シマ


 
      愛 執


 
広子への未練を振り切って福岡の教会に戻って来たまことだった が新たな環境は見知らぬ人間が集まっていた。慣れない集団の中でまことは心の窓を閉ざしていた。周りがまことを冷たい視線で見つめていた。

 忘れていた人間関係の不器用さに悩み
言い知れぬ寂しさに襲われていた。広子と暮らした日々が頭に甦ってきてはあの頃の心地よいぬくもりが自分にとって如何に大切な安らぎの場所だったのかを今更ながら思い出していた。まことは選んだ道の過ちと後悔の念とで急に泣きだしそうになってしまった

      冷酷人間


 その後の様子を心配して
広子からの小包が送られて来た。お菓子の中に手紙があった。「自分で選んだ道だからできるところまで最後まで頑張りなさい。」とあった。すぐお礼の電話をすると懐かしい広子の声が聞こえてきた。その後も広子からの電話が時々何度かかかってきた。だがある日「未練と情が残るから東京の人とは決別宣言をして早く切ってしまうように…。」と組織から厳しい忠告を受けた。 その時のまこと人の情をあだで返す恩知らずの冷酷な人間にならなければならなかった。組織の絶対的命令に忠実に従うしかもはや道が無かった。

 愚かにも
まことその冷酷な道を選んでしまった。広子さん苦しいからもう電話をかけて来ないで…。」 (人間的な情を切って行くしか救われる道がない)まことこの時本気でそう思っていた。広子まことの口から冷たい言葉を聞くとは思わなかったのか一瞬言葉を失った。僅かの沈黙が過ぎた後、判ったよ!。もう二度と電話かけてあげないからねー。」広子は泣きそうな声でやっと言い返してそのまま電話を切った。広子さんごめんよ。ひどい仕打ちをする僕を許してくれ…心の中で謝ったが広子の悲しむ姿が浮かぶと涙が流れて止まらなくなった

     再 会


 東京への思いを捨てる決意をした
まこと第二第三の新たな出会いが準備されていた。 まこと直子の所在を聞き出し「放浪の果てにまた福岡に戻って来ました。」報告の手紙を出した。 やがて喜びの返事が直子から来た。電話の声は喜びに溢れていた。こうして宿命の二人は再びの関係になった


 ある日直子高知からわざわざ逢いに来てくれた。亀戸での裏切りを清算し長い間背負っていた重荷が取れたような気がした。
 以前に比べて
直子が心優しくなっているのが嬉しかった。 (苦しい犠牲を払って帰って来て良かった…)まことは心からそう思った。

 
直子からの手紙が来る度に(今からは彼女の支えになって行こう…と決意をするのだった。 いつの間にか広子を忘れる代償として直子に強いを求めていた。広子の愛に代わる親のような優しさ直子に求めていた。 だが後で判ることだがまことを本当に解放してくれる女性は広子でも直子でもなかった。表面的なものに惑わされるまことまだまだ青く幼かったのだ。

 
直子からの手紙が来る度まことは自分が誰よりも愛されている錯覚に陥った「人前でどうしても祈れないんです。」と悩みを相談すると直子「祈りと信仰生活。」の本を送ってくれた。まことはその本を何回も読んで祈りの練習を続けた。(正しい信仰のあり方を教えて貰った。)と感謝するのだった。

 
広子を捨てて来た後ろめたさから逃れるために神秘的な直子の美しさに惑わされながらも一時的にもその苦しさを忘れることが出来たのかも知れない。しばらくは落ち込むごとに直子からの手紙に励まされながら頑張っていた

      の死


 
まことは時々聖書の物語の本を持って正喜が入院する病室に見舞いに行った。正喜まことがまだ仰を持ち続けているのを確認した。「もうほどほどにせないかんばい…。」 諦めたように力無く言った。はもう息子を大声で叱る元気も無かった。それきり何も言わず息子の差し出す本を横目で見ていた。外は日差しの暖かい午後だった。窓の花が鮮やかにはかなく揺れていた。この時もうの命は余り残されてはいなかった。

 
正喜長い入院生活を嫌がり家に帰りたがっていた。「そんなら正月の間だけ自宅療養してもいいですよ。」と先生から特別の許しが出るとうれしそうにチカに連れられて家に帰っていった。 だがそのまま正月が過ぎても正喜は病院には決して戻らなかった。 こうして正喜は自分の家で最後のささやかなわがままを通し続けある朝眠るように静かに亡くなった。

 長男の紀生の死を弟に知らせるために教会に何度も連絡したが対応が悪く行方を教えてくれず仲々音が取れずにいた。その頃まこと開拓の地派遣されあちこちを彷徨っていた。ようやく知らせを聞いて家に帰った時既にの息は切れ白い布が掛かっていた。(僕は祖母の命だけでなくの命も心労をかけどうしで奪ってしまった。…ちゃん…ごめんよごめんよ…。)

 まこと
やつれたの亡骸を見るのに堪え兼ねて静かに目を閉じた。の霊が何処にいるのか必死に捜し求めた。 その時ふっとの顔と祖母のゼンの顔が並んで浮かんで来た。ゼンの霊との霊が一つに重なって自分を包み込んだような気がした。(まこと!俺のことはいいから自分の道を貫いて行け!。)(まことがんばれー!。)父祖母は二人ともまことを許して励ますように笑顔でまことの心に浮かんで現われやがてまことの背中の方に消えていった。

 葬儀が終わって親族たちが集まっていた。まことは自分を見つめるみんなの目が敵対している感情を読み取った。まことは最低の人間に写っていた。紀生もみんなの前で弟によそよそしく対応した。の「死に目。」に間に合わなかったもはやかばってやる何の条件も無かった。従兄弟たちも寄ってたかってまことの顔を軽蔑の眼差しで冷ややかに睨んでいた。

 かつて
まことの上司だった従兄弟の信行親族の前で大声でなじった。信行かつて問題を起こしたまことチカから預かり左翼から立ち直らせる為にまことを「宗教の道。」に関わせることは良い機会に成るかも知れない…。二ヶ月という約束をさせて送り出したはずだった。


 だが
まこと人が今か今かと待っていたのに平気で約束を破ったまま教会に行ったきりで不通になっていた。その事で信行は完全に面目をつぶされていた。

 
まこと何をさて置いても真っ先に信行に謝るべきだったがこの道が本当に正しいのかさえの結論がまだ出せず曖昧な状態のまま依然として明快な返事をしていなかった。

 
まこと人の道さえも見失っていた。この道を行くために実に数多くの人々の心をズタズタに切り裂き受けて来た愛情と恩をことごとくあだで返して裏切って来たのだった

 「何やーお前は!どうしようもない奴だ!。」 人生の落伍者を見るような軽べつと憎しみを込めた眼差しで口汚くけなした。 だがまことは何も言い返せなかった。

 親族達の囲む前で
痛烈に批判され恥ずかしさと屈辱でただ涙をこらえてうつむいた。(言われなくても判っているよ…。) 心の中でつぶやいていた。 かつて体を張ってまことを必死にかばってくれたゼンの姿はもうそこにはなかった。

 だが
信行は更にまことを追いつめ存在そのものを否定する言葉を罵倒して浴びせた。遂に何かが壊れたようにまことの目から大粒の涙が溢れるように流れ落ちた。あまりにもひどい屈辱の言葉のために気が変になり苦しくて死んでしまいたい気持になった。

 その時まことの脳裏に何かの映像がふっと浮かんだ。祖母ゼンのタンスの引き出しの中の記念写真が見えた。二見が浦を背に写った義勇兵たちが大きく脳裏に広がった。微笑む兵士たちの真ん中にゼンの姿が突然現われたかと思うとゼンの顔だけが急に大きく近づいて来た。(まこと!頑張れー!。) ゼンは叫びながらまことの体を包みこむように消えた。
 
 
(何だろう?。) まことはあふれる涙を拭きながらも不思議に思った。従兄弟たちの大勢いる中でまことはタンスの傍でうずくまったまま長い耐え切れないほどの沈黙の時間が流れていた。 しばらく経って姉の信子がやって来た。「あんたもう泣かないで、涙を拭いて寝なさい。」と優しく毛布をかけた。

 そのまま寝てしまったまこと翌日目が覚めたが気まずさで身の置き所が無く全く起きあがれなかった。(昨夜頭によぎったものは何だったのだろうか…?。)目を閉じて考えていた時従兄弟の一人が馬鹿にするように何かを投げつけた。

 
まことあざけりの言葉以上にその行為が許せなかった。大切な妄想を邪魔する人間に対して激しい憎しみを感じた。投げつけられた物は小さな物だったがまことの誇りの全てを打ちのめしていた。

 
(「目的のためには親の命を犠牲にしても構わない。」という自分の「闇夜の誓い。」などどう逆立ちしても到底この世の人達には受け入れられないんだ…。) この日今井家の親族の誰も悟れない自分だけの「特殊な使命。」を悟っていった。

 

 

    子 犬


 
まことこの日を境に自分の中に別のものが入り込んだような感覚になった。まこと再び教会に戻っていたが今までの生き方ではない新しい宿命の道を歩み出そうとしていた。   (一体この教義のどこが間違っていて世間に受け入れられないのだろうか…?。)

 
本格的に教義に隠された矛盾点を調べ始めていた。(これからの自分の生き方をしっかりと考え直しこの道を進むか捨てるかきちんと結論をださなければならない…。) まこと洋服がたくさん掛かっている更衣室の奥に小さな座り机を置いて自分だけの仕切られた空間を作って教義の本を深く調べるようになった。
 


 
 みんなが
寝静まったある夜まことが更衣室で考えごとをしていると入口の外に何か「ゴソゴソ」する気配を感じた。振り向くとカーテンから子犬が顔を出して覗いていた。(あ、おいで!。)子犬は声をかけられると嬉しそうに尻尾を振って中に入って来た。

 
まことその日からご飯の残りをあげたり夜には子犬と一緒に寝袋に入って寝るようになった。人間よりもを大事にするまことを見てみんなが「良くない。」と言い出した。ある日誰かが子犬を車に乗せてどこかへ捨ててしまった。 この捨てられた筈の子犬その後長い月日が過ぎてすっかり大人になって再び再会する日が来る。
 

 そのころ組織にかずよ。」という小柄の女性がいた。かずよまことが子犬を可愛がる様子を微笑ましく見ていた。いつも周りから孤立して寂しそうにしているまことが気になり微笑みを忘れたまことに「笑顔を取り戻してあげよう。」とまことの顔をじっと追うのだった。

 ある日
まことかずよと目が合った。ニッコリと笑って心の底からまことを受け入れていた。まことこの小さな女の子が自分のことを心配しながら見つめ体を張って受け入れてくれていることに気がつき心臓が「ドキン。」とした。

 
彼女は当時組織の経済を一人で支えて働いていた。毎日相当な売り上げを上げていたがどのくらい稼いでるのか聞いても教えても貰えず渡されるひと月のお小遣いはほんの僅かだった。

 
かずよちゃんいつもよくやってくれるねー。」 上司に褒められる度に嬉しくなって尚一層頑張っていた。だが実のところ彼女は組織におだてられていいように利用されていく存在でしかないことを薄々感じ始めていた。

 
かずよ教理の内容が全然判らないのに強く勧められるまま教会に入るはめになってしまっていた。組織の活動を大切なものと教えられて(たとえ無報酬でもみんなの為に支えよう。)ただただ真心を尽くして頑張れる女性だった。かずよは理論的なものは全く苦手で忠誠心と心情の世界だけで生きていた。

 かずよは少し前自分に対する人の陰口を偶然に聞いて以来大変気になることがあった。かずよちゃんは教理も何も全然判ってないのにただ訳も判らず忠誠心だけで働いてるのよ。神の摂理が判らない人は本来ここに居る必要はないのに…。」 その陰口の言葉はかずよの頭の中を何度も駆け回った。

 
(私はこの組織にはふさわしくない利用されるだけの存在なんだわ。もし機会さえあれば何とかしてここから抜け出したい…。ずっと考えるようになっていた。だが一人で離れる勇気も無く心細い不安を感じながら仕方なくその機会が来るのをじっと待っていた

     逃避行


 
まこと親族からの憎しみを受けてから(この道は間違いかも知れない…。)と思い始めていた。そのような時にまことかずよに出会った。

 
かずよまことより二つ年下だったが人が嫌がることをあえて進んで引き受けたり時々突飛な行動をする事があった。 まことの目にはそのむちゃくちゃなところが摩可不思議な存在として写っていた。

 
(二度と神様を裏切れない…。)と自分に言い聞かせながらも東京の人の面影を追い求めて(帰ろう…。)と考えているまことの本心を見抜いたのかかずよは次第に近づいて来た。

 ある日まことかずよと二人でペアを組んで町を訪問する仕事を任じられた。何軒か家を廻る内に何となく心地よい感覚を覚えていた。 お互いの心の背後で「歓喜の霊。」が湧いて来るのを感じた。

 互いに自分を解放してくれる
「運命の相手。」に出会った喜びを直感的に感じていた。 大勢の兄弟姉妹の中で彼女はただ一人「天衣無縫。」と言うべき特殊な心を持つ不思議な女性だった

 車の中で二人きりになった時まことかずよの手を無言で握った。お互いの心が求め合っていることを悟った。恋愛の情というよりも彼女「純真な心。」まことにはどうしても手に入れたい「宝物。」に思えた。
 


 やがて周りの者が二人を「恋愛を禁ずる組織の教えに背いた者。」と見るようになった時二人は密かに示し合わせて脱会する手はずを決めた。

 ある日まことかずよを連れて汽車に乗り実家に向かっていた。まこと窓から海を見ながら暗かった学生時代のことをかずよに聞かせてあげた。 旅の気分になったのは久しぶりだった。かずよまことの実家に連れていかれるのが嬉しかった。

 だが
海辺の街を見たときかずよはこの地域全体に何か言い知れない切ない淋しさが漂うものを感じた。車内に貼ってある地図が(何かの動物の形をしている…。)と思ってぼんやりと見上げていた。

 
まことのいる実家に帰りかずよを引き合わせ今までのいきさつと事情を簡単に話した。チカかずよのおかげで息子が教会から離れることになった事を喜び密かに感謝した。

 
 
まことに借りたお金で小さな部屋を借りた。夜になるとみんなに気付かれないようにかずよの荷物を少しずつ何回も運んだ。 その途中ふと直子の顔が浮かんだ。直子さんすみません。また裏切ることになりました。) だが何故かそれほど大きな負債を感じなかった。天が備えられた宿命の出会いとして、自然に受け入れていた。
 

 ある夜二人は脱出を決行した。闇夜の逃避行のスリルを感じながらあてもない未来の世界に向かって雑踏の中に消えていった

 ――――――― おわり ――――――――
 
 その後
二人は束の間の幸せな時を過ごすが皮肉な運命の糸に操られ別々の道に引き離されてしまう。やがて「二人の出会い。」が何を意味していたのかを悟っていく時再び犠牲を払いながら互いに失った全ての条件を取り戻して行くようになる。

 それは
「正しき主人とポチの使命。」というテーマで演じられる日本歴史の謎解きのために選ばれた「雛型の出会い。」であった。…抜粋。

 これにて物語の前編は終わる。続きの後編は現在、執筆編集中です。

 「
最上級編」では青年期・中年期・壮年期までを紹介していく予定です。
まことは
何歳になろうとも少年の心を決して無くさず持ち続けていくことでいつか大切な「閃きの世界。」を創作して道を進んでいく。
 

 前編   おわり

卒業
 読んで頂きありがとうございます

シリーズ全巻こちら

 につづく


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