第2章 13mmの悪魔

  これはブルーメタリックのX1/9。ウチのではありません。

4/29 さて、追い討ちをかけるような、キャブの不具合。ふと考えてみれば、 盛岡から帰ってきて、キャブクリーナをしこたま吹きかけたっけ。もしかしたら その時に落ちた汚れが、ジェットを詰まらせたかもしれない。 まあ、その前に前オーナーも気になって部品だけ買っていたが、交換に挫折したというヒビ割れだらけのクラッチホースの交換でもしましょう。このホース、ボディの配管と、ミッションにマウントされているマスタシリンダとの間に、狭いΩ型に取りまわされていて、すぐ見える処を這っているのだが、実は簡単に外せるシロモノではなかった。

まずは邪魔に思えるクーラントのタンクをはずしてっと・・。おぉ楽勝、楽勝とおもったら、大間違い。これまた、ミッション本体にある レリーズシリンダ側のボルトに、レンチが入る透き間が無いじゃあーりませんか。 では反対側の配管パイプ側との接続を見る。ふむ。ブレーキパイプと同じフレアナットだ。そこで、手持ちのフレアナットレンチを用意し、当ててみる・・・入らない・・・。 またしても、ナットのサイズが13ミリなのである。普通、こんなフレアナットレンチなど無いわい。

なるほど。前オーナーがホースの劣化に気が付き、部品を用意しながらも、ホースを交換していなかった理由が分かった。よし、仕方ない。一丁やるか。まず、CRC556をナットにスプレーし、スパナをあててしっかりホールド。プラハンマーでスパナを一撃。”ピキッ”という音とともに、ナットが緩む。 さて、レリーズ側をどうするか。これはもう、レリーズ本体ごと、ミッションから外すしかない。その後、インパクトレンチ攻撃をくれてやる。方針は決まったが、これまた良く見ると、13ミリのボルトでマウントされている。これはしかし、ソケットレンチじゃないと取れない。くそー。ついに諦め、行き付けのビーバートザンに工具の買い出し。万事こんな感じでカメ進歩である。

しかし、本体が取れてさえしまえば、インパクトレンチで、あっけなくホースは交換終了。さてエア抜きだ。フンフンっと鼻歌交じりに完了した。でも、フツーはクラッチホースの交換って、一体どうやっているんだろう?

さて、気をよくしたところで、いよいよキャブをばらしてみる。エアクリーナーケースを外し、キャブ本体の ビスを注意して抜く。ガスケットにも気を付けながら、ボディ上半分を外す。うむ、思ったより簡単な構造だ。ボディ上半分に、オートチョーク、フロートが付いていて、ボディ下半分に、加速ポンプやらが残っている。この状態でも、ジェット類の掃除は出来る。チャンバーのガソリンの量をみると、ガソリンのレベルは、このままでよさそうだ。ガソリンを抜き、エアブリーダジェット、加速ポンプを外す。

改めてCRCキャブクリーナを、あちこち吹き付け、待つ事しばし。 おおっと、フロートのニードルバルブにもも忘れずに。そして、エアガンで吹きまくって、ゴミを飛ばす。プシュプシュ。何ともいえない冷たさが顔をなでると同時に、痛みが眼に走る。うぐぐ。吹き抜けたキャブクリーナが、眼に入ってしまった。以前、同じ事があった時そのままにしたら、次の日、眼が充血した事があるので、今回はちゃんと眼を洗った。

そして部品の乾燥後、一通り元に組み付け、エンジンをかける。アイドルを調整すると、なかなか良さげな感じ。早速、試乗する。エンジン、吹けるじゃない!    ん?? でも、信号待ちでアクセル戻すと、エンストする時があるぞ。 このキャブには、ダッシュポットなんか無いので、減速時のエンストの原因が分からない。暫く走っても、症状は相変わらず起きる。 もう、辺りは暗いので、くらーい気分で今日は終わりにした。まだベアリング交換も控えているし、不調のまま終わった今日の作業にちょっと落ち込みつつ、布団に入る。

4/30 今日は、会社の後輩の中古車購入コンサルタント業により、午前中のみの作業となった。まずはキャブのやり直しだ。

昨日、布団でぼんやり考えたことがある。”アクセルワイヤがたるんでいるところに、キャブクリーナの効果で、アクセルリンケージのオイル分が無くなった。このため、アクセルワイヤが戻り難くなっている。 その状態でアイドルを合わせたために、正常に戻るときにエンストする。” しかし、こんなにうまく解決するだろうか。しかし百聞は一見にしかず、確認してみよう。

果たして、推理は大正解である。アクセルワイヤがたるんでいるし、リンケージの動きがが渋い。早速リンケージにCRC556 を吹掛け、アイドルを再調整すると、Good!わかってしまえばなんてこと無かった。おかげでキャブの掃除効果とともに、調子もよい。

気をよくして、マフラー触媒部のヒビ割れで爆音が出ているので、ちょっと溶接して埋めてみる。この作業で、マフラーの穴開修理は何とかなりそうだ。これは、方法が決まったので後回しにしよう。

さて、午後はめでたく、BMW635の商談成立。ところで17年落ち18万円クルマと、8年落ち200万円のクルマを買うのって、どっちがより酔狂なんだろう?両者幸せであることには違いは無いのだが。。。

夜、共同オーナーが試乗。キャブの好調さを再確認して頂く。さあ、いよいよ明日からは、この連休中の天王山、ホイールベアリングの打ち換えだ。

そうそう、円高はついに、$=90円を割ろうとしている。パーツ代を節約するため、われわれは、流行に乗って、個人輸入にチャレンジすることにした。アメリカのベイレスという通販ショップで、潤沢にX1/9のパーツが手に入るのだ。イタ車でなぜアメリカか?そんなことはどうでもよい。

早速、カタログを取り寄せ、欲しい部品をオーダー。いろいろ消耗品を交換したいので、かなりの点数だ。

Bayless発注部品一覧。  
部品名称                 単価$ 数 価格$ ナンバーページ
1, Rear wheel seal          4.25   2  9.50   #200 39
2, Fuel pump gasket         0.95   1  0.95   #19 24
3. Brake pad retainer spring    1.20   1  1.20   #48 102
4, Brake fluid tank          19.95   1  19.95  #55 103
5. Tie rod end(Front)         12.95  2  25.90  #5 84
6. Radiator cap             4.75   1  4.75   #4 70
7, Caliper bleeder screw       1.50   2  3.00   #31 104
8, Air filter                6.50   1  6.50   #11 25
9, Timing belt              13.50   1  13.50  #4 73
10, Timing belt tensioner bearing 28.50   1  28.50  #8 42
11, Belt(air pump)            5.25   1  5.25   #18 72
12, Belt(Water pump)          6.25   1  6.25   #13 72
13, Belt(alternator)           8.25   1  8.25   #12C 72
14, Distributor cap           13.25  1  13.25   #39 30
15, Distributor rotor          3.50   1  3.50    #40 30
16, Accelator cable          18.50   1  18.50  #32 68
17, Cariper kit (Front)         2.50   2   5.00  #18 104
18, Cariper kit (rear)          3.00   2   6.00  #17 104
19, Brake hose (Front)        10.95   2   21.90  #4 105
20, Brake hose (Rear)         11.95  2  23.90  #5 105
21, Bolt (for cariper-hose)      6.75   2  13.50  #68 105
22, Waser(for cariper-hose)     0.85  6   5.10  #70 105
23, Locking gas cap          21.50  1   21.50  #14 70
24, Alignment stud bolt        1.35   8  10.80   #6 10

Total $276.45となった。部品自体も安い。内容の割にとても安い。しかも日本円にすればもっと安い。さすがは円高である。