第6章 エレキングの逆襲 


燃料タンクの交換が済み、ひと息ついたころに、発注していたベイレスの部品が来ました、来ました。各種ベルトに、ブレーキOH関係、タイロッドエンドに、デスビキャップ、デスビロータ、燃料ポンプガスケットにアクセルワイヤー、エアクリーナエレメント・・・・ 。

しかし、サービスマニュアルが、指定のフィアットのモノではなく、ヘインズのが入っている。さらには、ブレーキフルードタンクが入っていないではないか。うーむ、なめたわね。早速、抗議のファックスを(同僚が)送る。どうやら、そんな抗議文が来ないと思っていたところにFAXが入ったのでびっくりしたか、次の日、謝罪の文章がベイレスから送られてきた。

マニュアルとブレーキフルードタンクは、なんと欠品だそうだ。だから、この間あらかじめ在庫確認のFAXを入れたんだろうに!きっと、注文受けなかったことにしとけばいいや、というつもりだったのでしょう。代金の請求額も、それらを除いた額だったし。しかし、抗議と同時に、証拠の在庫確認をした時のFAXを送ったので、やばいと思ったのだろう。ヘインズのマニュアルは、”挨拶代わり”にいただけるそうだ。まあ、そんなら許してやろう。でも、ブレーキフルードタンクは、欲しいなあ。なんだか、タンクにまつわる出来事が多い。

そんなこんなで5/25、ぼちぼち再び整備に取りかかる。まずは、エアクリーナ、デスビキャップ、ロータ、ラジエータキャップをさっさと交換。こんなのは、燃料タンクを交換した人間には、屁でもない作業だ。

次に、機械式燃料ポンプ(メカポン)のガスケット交換。これも屁かと思えば、問題発覚。実は、メカポンとシリンダーブロックの間にはスペーサーがあり、ガスケットが2枚必要だったのだ。まあ、良く見れば、今付いている奴のうち、1枚は破れていないので、脱脂の上、再利用することにした。ソレにしても、X1/9自体は電磁ポンプに改造してあるので、いずれ鉄板か何かで蓋を作り、余計なメカポンを取っちゃうほうがよさそうだ。それにしても、オイルは相変わらずにじんでるなあ。オイルパンに回るほど、メカポンからは漏れていないのに・・・。

念のため、オイルパンのボルトを締めてみる・・・・締まった。あいやー、これはイカンねー。もしかしたらこのエンジン、1度バラしてるんじゃないかな?。フツー、ここはそう簡単に緩まないのに。次は、ドライブシャフトのシール交換。これは、先日のベアリング交換で破損が発覚した、例のシールである。すでにここは何度もばらしたので、手順はおさえている。まずは左。 とりあえず応急で直しておいたシリコンシーラント部分は無事である。お役ごめんで、新品に。

右も、この際だから替えてしまった。これで、リアホイールベアリングは 一生安泰でしょう。(ちなみにフロントのホイールベアリングは、左右どちらかは交換しているらしい。)さて、お買い物にダイクマにでも行きますか。うーん、快調快調。

しかし、その後何度か乗っているうちに、ウインカーが点燈しなくなった。ヒューズを交換するが、またすぐ切れる。ぐぇー、どこかでリークしているか?もう夕方なので、来週見るか。

と思うと、今度はリヤからギューギュー 音が出る。あーあー、何だろう?仕方なく、またドライブシャフトを外す。もうここまで、10分とかからなくなった。原因は、新しいシールが金属とすれていた音で、ここにラバーグリスを塗って解決。

ウインカーは相変わらず切れる。辺りは、すっかり薄暗くなってしまった。もう手持ちの予備ヒューズも無い。まあ、ここまできたらどうしょうも無いので、思い出したように、インパネの電球が切れているのを交換し、(それでも、メーター照明がぜんぜん明るくならない・・。) おまけで、レーダー探知器を付ける。ウインカーのヒューズをいじくり回すうちに、どっかの配線も外してしまったらしく、タコメーターや計器照明類が動かなくなった。ええい、まとめて来週面倒見てやるワイ!

5/31〜6/14  最近、ものすごーく忙しい。梅雨で、クルマも洗えない。そんなわけで2週間、X1/9が気になっていても、全くいじる時間がなくて、ちょっと見てはここかなー、そこかなー、と故障箇所を考えるだけ。

今回のトラブルのポイントは、ウインカー系統のフューズが切れることだ。ついでに、インパネのその他の照明、計器類も 動かなくなっちゃった。 ま、こっちは外れているコネクタが見つかったから、メーターボックスを外すときに抜けちゃったんでしょう。これは、フューズのどこかにつなげば良いんだよ。

しかもラッキー、ベイレスから誤って送られてきたへインズのマニュアルに、うちのX1/9仕様の配線図がある。あたりまえだと思うが、クルマと一緒にもらった方のへインズには、この年式のX1/9に該当する配線図はない。結構電装系は変更が多いのだ。 しかし、

|=|−−−−−−− 112 297 | ||=|−−−−−−−−403 296 

”112 297”、”403 296”のように、数字の羅列が部品の配線図間にあり、ワイヤリングが切れている。当然、同じ数字”112 297” ”403 296”をあちこち探すが、見当たらない。

この後、通勤電車の中で、このパズルに2週間悩み続けることになった。メーターが動作しない件は、他の仕様である、1300ccモデルの読みやすい配線図を元に、合致するコネクターをさがす。奮闘30分で、こちらは解決。しかし、まだウインカーのヒューズは飛んでしまうのであった。

ここで、メーターパネルの中を良く見れば、タダでさえ伸びたラーメンのような配線がいっぱいあるのに、明らかに後付で、要らない配線があったので、ついでに腹いせに切ってしまう。疑わしきは罰する。

さて、ボーナスも出て一息付いた13日の金曜日、ふとヒラメいた。配線図の読み方が分かったのだ。わかりゃなぁんてことはない。よく見れば、

−−−−−−−−− 86 296 −−−−−−−−−112 297 −−−−−−−−−403 298 −−−−−−−−− 52 299 −−−−−−−−− 33  51 −−−−−−−−− 299 52 −−−−−−−−− 113 53 −−−−−−−−−403 54

のように、片側の数字が連番になってる。そう、この連番は、その配線の通し番号であった。つまり、上の”52 299”は配線番号#299、これは#52につながる、ということ。だから、#52の配線番号を探せばいい。そうすると、そこには”299 52” とでている。あーあ、こんなことに2週間とは情けない・・・。

でも、あれは実際に配線図を見た人間にしか分からない複雑さである、ということにしておこう。

さて、意を決して14日、朝から配線図を見ながらヒューズ、リレー系統を一本一本確認、同時に緩くなっていたコネクターのうち替えをする。うーん、色が指定と異なる部分はあるが、配線を追って行くと、特に問題はなさそうだ。昼食を食べ、考える。

ここ2週間で、改めて分かってることは、ウインカー系統のヒューズが飛ぶ、しかしアイドリング状態でウインカー作動してもヒューズは切れない。しかし運転している状態だと、すぐ切れる。よって、エンジン回転が上がると切れる、という状況だとしたら、レギュレータが死んで、たまたまこの系統に、過電圧が流れて来ている可能性がある。よって、実験。

ギアニュートラルで、ウインカー作動。アクセル踏んで、エンジン回転上げる・・・・・。しかし、ヒューズは、”なんじゃい”ってなもんで、涼しい顔をしたままだ。もう1回、2回と続けるが、やはり問題なし。??何気にサイドブレーキを下げ、発進してみる。あれ?ブレーキ警告灯が、ぼやっと点いたままだ。ブレーキ踏む。あ、ヒューズが今、バチッと言ったぞ?

なるほど。ブレーキを踏むと、ヒューズが切れることが分かった。では警告灯はなんでついているのだろう?先週は、こんなこと無かった。ブレーキフルード残量を見ても、問題なし。よって、リヤランプを分解してみると、そこには赤い悪魔が潜んでいいた。

あーーーー、錆びてる・・・。 うーん、このソケットは交換部品など無いから、分解掃除しかないなぁ。しかし、コレが又大変。ソケットはハトメでカシメてある。

しょうがないから、ドリルでカシメをさらって、後は適当なビスで代用する。さて組み付け。イグニッションオン、ブレーキを踏む・・・・。ヒューズは切れない。うーん、やはりコレが原因であったか。サビがテンコ盛りでリークしたのだ。 警告灯も直った。いやー、良かった良かった。

ん??でも今度はヘッドライトのローが点かない。あせる。1時間悩んだあげく、配線を確認すると、さっき付け替えたコネクターが、外見上ちゃんとささっていたように見えたのが、実はそうでなかっただけであった。かくして、完成。

やっと動けるようになった。さて、そんなこんなでもうすぐ車検である。でも、まだブレーキやらタイロッドエンドだの、やんなきゃいけないことは盛りたくさん。でもねー、最近は状態がよく分かっているから、車検も きっと通るさ。クルマおたくの意地もあるしね。