第8章 ジゴクに仏

7/2 さあ、会社を車検休み申請して、いよいよ鮫洲行きである。それにしても、今日は渋滞がひどい。こんな時、朝とはいえ、クーラーがないのが辛い。屋根を開けちゃったりしたら、それこそディーゼルの排ガス攻撃に遭うこと必至で、たまったものではない。

それでも、9時からのライン検査開始まで、10分ほど余裕の時間で到着。書類は、すでに首尾よく用意してあるので、重量税と検査代の印紙を買ってOK。都税事務所で、納税証明書発行、(名変時に納税したので、あらためて納税証明書をもらう必要がある。)予約の確認を済ませる。

そしてクルマの準備。まだ溶接しきっていない、排気漏れっぽい触媒のヒビに、ガンガム塗っておく。さて、今日はどのラインに並ぼうか?最近、4輪マルチテスタが増えているが、ブレーキ検査とか、全部終わらないとOXが出ないので、ちょっとやりづらい。左ハンドル車は初めてでもあり、とりあえず 従来タイプのラインで、左ハンドル対応型の5番コースにした。(ちなみに、マルチテスタも 左ハンドルはOKです。)

それにしても、不安は尽きない。タイロッドエンドいじったから、サイドスリップがヤバイかなー、ライト光軸は、昨日だいたい目検で合わせて、ガラス面をきれいにしたけど、シールドビームが暗すぎ、と言われるかも。ブレーキはOHしたけど、もともとそんなに利かないし、排ガス、キャブ掃除したけど、冷間始動時にちょっと煙でるし・・・。下回りも、オイルちょっと滲むしなー。

そうこうしていると、検査員やってきて、まずは外観検査。”ユーザーです。”まずは、こう申告すること。最近は、その方が検査員も親切にしてくれる。まずは車体番号と、エンジン形式の照合。エンジン形式は、下回り検査で確認するとの由。ライト点け、ウインカー点け、、、、??   なんだか、検査員が、やたらウィンカーを見てる。何だか嫌な予感。

リヤ回り検査が終わり、”ちょっと降りてください。”降りて見ると、左側に問題があると言う。まず、ウィンカーサイドマーカーのランプが点かない。で、ヘッドライトをオンにすると、今度はフロントのスモールに問題発生。スモール点燈で、ウィンカー作動した場合、スモールは切れて、ウインカーが点滅しなければいけない。でも、コイツはスモール点いたまま、ウインカーが点滅する。これは増減灯というらしく、NGなのである。がぁーん、思わぬところで引っかかってしまった。以前はダイジョウブだったとおもうが・・・。ひとまずラインは入れてもらえるようなので、又おそらく電球かソケットの接触不良だろうから、ライン検査後に見直すか。

さて、いよいよテスターにかける。まずはサイドスリップ、ゆっくりと進みます。ハンドル切るな、アクセル踏むな、ブレーキかけるな。踏み板をすぎると、正面のパネルはO。よしよし。次は、ブレーキ検査。フロント、O。リヤ、うーん、×だ。で、もう一度。今度はO。サイドブレーキ。あれ?いま”ブチンッ”て言ったぞ。引きが、急に軽くなる。手ごたえが全く感じられない。ヤバイ、ワイヤーが切れたか?そんなことがあったら、きょうの車検はオシマイとなってしまうではないか!

でも、なんと結果は”O”である。そんなことないだろう、と思いながら、まあ、とりあえずは、OKのようだから、次へ。

ヘッドライト検査、ハイビームにしてクルマを降り、排ガスプローブを、排気管に入れる。右ライト、O。よしよし!排ガス、O。左ライト、O。ここもパスである。さて、下回り。さっきの”ブチン”が気になる。もし、ワイヤーが切れてたら落ちるだろうなー。なにせ、下回り検査でサイドを引いたりするんだもの。。。まあ、その時はしょうがない。とりあえず係員に、エンジン照合お願いする。ブレーキ踏め、クラッチ切れ。うー、やばい・・・・。

でも、”サイドひけ”が出ない。”??” 電光パネルは、”下回りO”である。何とまあ、外観以外は、OKではないですか。検査員の、”悪い所なおしてねー。” なんと、検査員が仏にみえたことか。”はいはい。ちょろいもんですって。”心でつぶやく。

さて、問題のサイドマーカーの対策を考えなきゃいけないねぇ。。。ひえー、サイドマーカーランプのレンズを外すと、ネジボスがもげてる。車体の内側で、ネジ止めしているのを無理矢理誰かが以前、外したようだ。(右も念のため見てみると、同じ事をやっていました。)

つまり、ソケットでレンズが固定されているという、トンでもない状態なのである。スモールランプ、レンズのビスが緩まない。意地になって回そうとすると、なめちゃいそうである。これは、良く見ると、ランプASSYの、後ろのナットを外す方法が正しいのであった。

さて、電球をテスター屋で買ってくる。ソケットを磨いてみる。接触不良の場合、大概はこれで直っちゃう。さあどうだ・・・結果はX。

困った。あれこれいじって30分。しっかし、直らん・・・。でも、どこかで接触悪いはずだ。配線引きなおしてみるか。そういえば会社まで直ぐだし、会社に行けば、電線がゴロゴロしているし。よし、会社に行くか!

一応、会社まで来てみたが、下水処理場の前で、もう一度配線をチエックしてみよう。さっそく、フロントフードを開ける。ああ、そうだ。フードを開けて思い出した。ライトのリトラ部分のうしろに、メンテナンスホールがあったっけ。早速そこを開けてみると、延びたラーメンよろしく、ぐちゃぐちゃ配線。

サイドマーカーの配線をたどっていくと、なぜか汎用の横取りカプラーが噛ましてあるではないか。ははーん、これだな。

直感的に、コイツが接触不良の原因であることを考え、プライヤーで掴む。あはは、直っちゃいました。でも、なんでこんな引き回しをしてるんだろうか・・・。このクルマの配線は、全体的にこんな感じで、どうにもこうにもオソマツである。

まあいいや、直っちゃえば勝てば官軍、陸事に戻り、ふたたびラインに並ぶ。サイドブレーキはすでに効かないが、もう下回り検査もブレーキ検査も関係ないもんね。

めでたく外観検査はOK。早速、新しい車検証とステッカーをもらった。

やれやれ。これで目標はクリア出来た。全くこの3ヶ月というもの、結構問題だらけで頭を抱え続けたが、これでひと安心出来るぞ。コイツも、あと2年は生き永らえる資格を得たわけだ。

で、”ブチン”を家に帰って確認したら、やっぱり右のワイヤーの、先端のストッパが飛んじゃっていました。決して怪力で引いたわけじゃないのに、なんだってこんなことになるんだろう。

まあ、ワイヤーを購入したヨコハマのショップに、パーツ不良の交渉をしてみましょう。車検が終わっても、このワイヤーの一件もあるし、タイミングベルトも交換 しなきゃいけないし、まだまだレストアは続くのであった。でも、以前より快適に走れるようになっていますよ。