ワサビな話ショーガない話目次トップへ

【12】青いバラを求めて  

あきらめないことの美しさ

青いバラは不可能の代名詞

 青い色が好きです。だから庭に咲かせる花も青い花ばかり選んでいた時期があった。その頃ブルー・ムーンという名前に惹かれて買ったバラの苗が、咲いた花は、ほとんど暗いピンクに近い薄紫だったのに驚いたことがあった。
 その頃は花作りを始めたばかりで、花の名前さえチューリップや桜しか知らなかったから、薔薇に青い花などないことなど全く無知だった。 

 青いバラというのは不可能の代名詞であり、ずっと長い間、薔薇の育苗家の間では青いバラを作るのが夢だということも後になってから知ったことだった。

 しかし薄紫のブルー・ムーンは、とても大人びた深くて高貴な香りの花だった。だから真っ青でなくても、ブルー・ムーンに付いていた青い花の写真に騙されたことを私は少しも悔やまなかった。

人間の欲望は限りなくて、不可能を乗り越えようとあらゆる可能性に挑戦する。それが人間の面白い所でもあるし、科学の発展にも寄与してきたゆえんだ。

 自然界にない青いバラなど、なくてもいいと思う。いつまで経っても、永遠に青いバラなんて出来ない方がいいとさえ思う。

 本当に大切なのは、不可能を可能にしようと努力する過程にある。その試行錯誤の中で感じること学ぶことが、たぶん一番大切なものであり、努力した人の心の眼に見える青いバラが、世界で一番美しく尊いバラなのだろう。

 世の中の不条理に最近落ち込んでいました。毎日毎日、懸命に努力しても報われない日々が続く時、ふと、青いバラのことを思い出しました。あきらめない心を持って、自分が信じることを貫こうと思っています。(2004/09/14)

【13】オレ流--

TOP

ご感想、ご意見、何でもお寄せ下さい。お待ちしております。