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【8】
 「すし喰いねぇ」-
名古屋弁とすしの関係

歌川国芳の「猫のすずみ」

東鮓本店のサイト・アドレス(ドメイン名)は、osusi.です。(http://www.osusi.jp) これを決める時は何気なく決めたのですが、すし」と言うのは名古屋弁だということに最近気が付きました。

いやはや、方言というのは面白いもので、使っている本人には、それが標準語なのか、方言なのか普通は意識がないものです。

そう言えば、私の好きな森の石松三十石船では「呑みねぇ、喰いねぇ、すしを喰いねぇ」と言っていました。すし」とは江戸っ子に言うわけないですね。やはり、「おすしを食べに行こう!」と言うのは、名古屋の人でしょう。

余談ですが、私は母の影響で二代目の広沢虎三が大好きです。この三十石船や身受山鎌太郎などのLPレコードは、好きな台詞を空で言うほど聴いたものです。最近、100円ショップでこのテープを見つけて、懐かしさに買ってきました。車の中で聴いていました。ちょっと音は悪いけれど、100円ですもの、楽しませてもらっています。

さて、テレビで囃(はや)される名古屋弁は語尾の「みやぁ〜」とか「ぎゃぁ〜」などが有名で、どちらかというと、綺麗でない名古屋弁が多いのです。丁寧で優しい感じのする名古屋弁は絶滅してしまったのでしょうか?

亡くなった祖母は、生粋の名古屋人で、語尾に「〜えも」とか「〜なも」と言う綺麗な名古屋弁でした。放送関係の人が方言の保存の為に録音を採りに来たことがあったと聞いています。

ちなみに、「あのえもは、「あのねぇという感じです。今ではほとんど聞かれない名古屋弁です。私が小さな頃に、既にそういう名古屋弁を話す人が少なくなってきていました。私にも意味が分らない単語が祖母の口からは自然に出てくるのですが、とても穏やかで暖かい感じがしていました。

明治生まれの祖母は、外出はもちろん、日常生活の中で着るものもすべて着物(和服)。昭和30年代に海外旅行ブームが巻き起こった頃、ヨーロッパやアメリカ旅行を足袋とぞうりと和服で出かけ、飛行機のシートでも正座していたそうです。

名古屋弁の話から随分飛んでしまいましたが、本来、名古屋弁は穏やかで丁寧ということが言いたかったのです。そういう土地柄の名古屋のおすしは、江戸っ子好みのすしと比べると、ちょっと甘口 です。(2004/05/23)

【9】Simple is Best !

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