(以下、保険業界の情報でないが、興味深く、参考になるので紹介する。)
Morgan Stanley, Dean Witter が Internet による手数料の安い株式取引に参入する。
全顧客対象。
6月にこの分野への参入を決めた Merrill Lynch (12月1日が計画開始日だが、こちらは今後最低6週間を要する)と異なり、直ちに開始する。
Morgan Stanley は既に別ブランド Discover Brokerage Direct で Online Trading を提供しているが、今後こちらは廃止する予定。全米に450個所ある Morgan の支店を、顧客がアドバイス・各種サービスを受けるための支店に変更する。
全顧客に $29.95ドルの低価格の取引(この価格は競争の激しいこの分野では高い部類に属する。ただしそれでも Morgan Stanley の各種分析レポートへアクセスできることを考えれば高くないと考えられている。)をオファーすることで、Morgan Stanley はかなり大規模な減収のリスクにさらされるのは事実。
Morgan Stanley は 1996年に San Francisco の小さな証券会社 Lombard を買収し、本体とは全く別に、Discover Brokerage として営業していた。それが今回は Merrill Lynch と同じように本体で行うこととしたのは、インターネットの影響が予想以上に大きいことを認識したため。
Merrill より発表が後だったもののすぐに開始できるのは、既に3年前から Discover Brokerage ではじめていた Platform が使えるためである。
他の大手証券会社、Salomon Smith Barney(Citi Group)、Pain Webber Group も、Merrill や Morgan とは別の手数料体系で Online Trading への参入を予定している。
note:bf991018.htm, Morgan Stanley to Offer Online Trading to All Its Customers.htm
bf990602.htm (merrill)
−−−コメント−−−
Merrill Lynch の戦略と Morgan Stanley の戦略を比較すると興味深い。
遅れに気づき、遅れて参入を決めた Merrill Lynch。
最初に別ブランドでインターネット取引を開始し、3年後に本体でも開始する Morgan Stanley。今回の Morgan Stanley の決定の背景には、効率的なオンライン取引とコールセンターを組み合わせたCharles Shwab の伸びがあまりにも大きいことが危機感となっていたといわれている。
Morgan のスキームは、Merrill に比べて Broker に受け入れられ易いとも言われている。それは、Commission の体系を柔軟にし、どのようにするかを Broker が顧客と話し合って決めることができるようになっているためである。つまり、Broker に情報提供等、多くを望む顧客からは相対的に多くの手数料を要求し続けることができる仕組みになっていると言える。