読歩プロジェクト感想
大阪現代美術センターにて



村田きよ子さん

2005年12月3日(土曜日)
 読歩プロジェクト主催の鑑賞ツアーに参加させていただきました。場所は大阪・現代美術 センター内で、広い空間の中でゆっくり、様々な分野のアーティストの作品に触れる 事が出来て幸せでした。

 会場に一歩足を踏み入れて、驚きました! 強固な柱が、展示コーナの度にあって、 社会問題になっている耐震偽装のニュースの日々が、メリーゴーランドのように回転 しました。
アイマスク体験の山中理恵さん、サポートして下さった猪口さん「地震は大丈夫だあ!」と 第一声でリラックスできて、テーマの「意志とことば」は早くもクリアでき、とっても 嬉しかったです。

◇作品のイメージ:「縄のれん」
部屋に飾られた壁画、縄のれんの一本づつに25センチ間隔に、500円硬貨プラス 1センチ位の大きさで、色は茶色の丸い形でおせんべい?お行儀よく並んでいます。 (25センチ縄おせんべいの繰り返し) 先端は、輪ゴムで処理してあったが残念!
手許にあった手のひらサイズのリモコンを見つけた・・・。おせんべいの近くに持っていき、 ボタンを押すと何と!音声が流れてきた。(150の詩のフレーズがある)  おせんべいの中に、言葉が入っていたのだ・・・。
これは小型CDだったのか!!、この作品は。
詩人の上田暇奈代さんと美術家光島貴之さんのものでした。
これをヒントに私は、七夕をイメージして天の河・星座を飾ってのれんを作って見たいなあ ・・・と思いました。

◇作品イメージ:「苔の円盤」
デジタル作品に感動した後に、直径80センチ位のまーるい庭園にめぐりあい、 心が癒されました。
作家の宇野千代さんが「苔に触れているとホッとする」とのコメントを知った時に、 苔がストレスの出口にならないかと。
高野山の苔・天竜寺庭園の苔・植物園の苔・近代建物に飾られた苔・環境によって 色や質が違っているのか? 触れた時の心でも、変化するのかな?
苔は魔法の絨毯、円盤に乗って、大空を散歩したい気持ちでした。 これをヒントに、ハート型にして大小を飾りたい!

 CDのれんと自然の植物が、近代建築の展示会場に融合して、感動&癒しを味わう事 ができ、楽しい鑑賞ツアーでした。
昼食に、韓国料理店で食事をしながらの交流会は、とっても楽しいひとときを 過ごすことができました。 一足早いクリスマス・プレゼントを貰った気持ちで、スタッフの皆さんに感謝の 気持ちでいっぱいです。アリガトウ!!


中條與子さん(メールより)
今日はお疲れ様でした。
またお会いする事ができて、嬉しかったです。
前回と同様、おもしろくて不思議な体感をする事ができました。

友人IとNさんにアイマスクをしてもらいました。
建物から自動ドアに出ようとしてるときでも、空気が違うとか寒さがこんなにわかるなんて!とか、 音が違うとか、ここはどこ?とか、身体が感じている感覚と私が見えているものと、どう違うのか 確かめるように、もうひたすら質問攻めでした。
アイマスクをしている二人は、見えなくても身体で感じる事を楽しんでいる印象でした。
そして私も、その反応をとても楽しめました。
語彙力ない私は、途中でギブアップしてしまい、Nさんにアイマスクを取ってもらって助け舟を 出してもらいました。
今思えば、Nさんのアイマスクの楽しみを取ってしまった事が後悔です。

地下の展示部屋では、ちゃぶ台を少し大きくしたテーブルの上のクッションを重ねて、 その上に白い布をかぶせたものがありました。
そこに映像で、男の人の背中だの女の人の胸が映っていて、「男の人の背中があるよ、 触ってみて」と説明しました。
ちょっとびっくりしてる彼女の手を少し強引に触らせたり(笑)

見えてる人には、本当にたくさんの費用などを用意しないと、視覚を満足させれない。
見えない人は、あのちゃぶ台のクッションをかけた白い布には、説明してくれる人の 言葉によって、何にでもなり得るのですよね。

振り返れば私は強引な手引きの仕方で、本当に見えない人なら強引ではなく、もっと丁寧に 手引きしたと思いました。
その自分の行動を、理想かもしれないなと思いました。
私が全盲になっても、安全であれば、遊び心を持って適当に手引きをしてくれて 一緒に楽しんでもらえるのが理想だなと思いました。
(その頃までに、Iのように質問し倒せるような語彙力を持たないと駄目ですね)

この三人で過ごした時間は、私にとってロービジョンケアになった気がします。
見えない事を楽しんでくれたNさんとIに、思いがけぬヒントをプレゼントしてくれました。

そして私が二人を手引きをする事が出来たのは、スタッフの方たちのおかげです。
遠くで見守っていて下さっていて、移動の時など場所をさりげなく案内してくれたり、 気づいたら一緒にエレベータに乗っていてくれて、階のボタンを押してくれたり、誘 導してくれていたおかげです。
どうもありがとうございました。

またこのようなイベントがあったら、教えて下さい。

読歩プロジェクト鑑賞ツアー活動報告を参考にしてください。

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