鑑賞ツアー・参加者感想コーナー
鑑賞ツアー・参加者感想コーナー

ミュージアムアクセスビューは、2022年8月をもって解散いたしました。20年という長い間、ほんとうにありがとうございました。詳細はこちらをご覧下さい。

これまでの鑑賞ツアーに参加していただいた方から寄せられた感想のコーナーです。ガイドをする側、受ける側、それぞれの思いが述べられています。
その中で発見する新しい感動、心のふれ合い、これがミュージアム・アクセス・ビューの神髄です。


 

 第33回鑑賞ツアー
京都国立近代美術館
「コレクション・ギャラリー 平成24年度第5回展示」


 第32回鑑賞ツアー
すべての僕が沸騰するー「村山知義の宇宙」展

 第30回鑑賞ツアー
「白沙村荘まるごと鑑賞ツアー」

 第29回鑑賞ツアー
「モホイ=ナジ/イン・モーション」展

 第28回鑑賞ツアー
「ルーシー・リー展」

 第18弾創作ワークショップ
「朗読〜物語からうまれる絵画のせかい〜」

 第27回鑑賞ツアー
「アートピクニック in京都府立植物園
(第42回京都野外彫刻展)」


 鑑賞ワークショップ
「見えない人が見える人のメガネになる?!」

 第17弾創作ワークショップ
「食べて、触って、色を感じる」

 第26回美術鑑賞ツアー
「二条城・ふすま絵めぐり」

 第15弾お絵描きワークショップ
「まる・さんかく・しかく で私をえがく」

 第14弾お絵描きワークショップ
「アニメを作ろう! 絵が動くってどんな感じ?」

 第12弾お絵描きワークショップ
「えのぐで遊ぶ・色で遊ぶ2〜海の色の貝殻〜」

 第19回鑑賞ツアー
「河井寛次郎記念館」

 第10弾
お絵描きワークショップ
「街並みをさわる──見えている街と体験しているまち──」


 第9弾
お絵描きワークショップ 「えのぐで遊ぶ・色で遊ぶ」

 第16回
岡崎アート散策
「選んで、計画して、ギャラリー巡り & カフェで一服」


 第8弾
お絵描きワークショップ「たどる・切る・つなぐ」

 第15回
「ラブ?レター展」&「前田正博色絵磁器展」

 第13回
人と自然:ある芸術家の理想と挑戦
フンデルトヴァッサー展


 第12回
エイブルアート近畿2006──人・アート・まち・滋賀
アートリンクプロジェクト


 「読歩プロジェクト」
「大阪・アート・カレイドスコープ」展鑑賞ツアー

 第11回
上野憲男展「時のうつろい」鑑賞ツアー

 第10回
「縫う人 針仕事の豊かな時間」鑑賞ツアー

 ワークショップ特別編
求める会 ワークショップ

 第7回
三橋節子美術館鑑賞ツアー

 プチツアー2
『SIGNAL 和出伸一・2000のドローイング』展

 プチツアー1
『こころのうたごえ 岩下哲士の世界』

 第6回:
堂本印象美術館鑑賞ツアー

 第5回:
京都市美術館コレクション展第5期 旅への憧憬

 大レンブラント展:
名古屋YWCA合同鑑賞ツアー

 触覚の庭:
「ぜひ触ってください」という展覧会ワークショップ

 第4回:
卆寿記念展 佐藤忠良70年の 歩み・アトリエの中から

 第3回:
人のかたち展 ピカソ、モディリアーニ、ジャコメッティから現代の作家まで

 第1回:
エイブル・アート近畿2001年 ひと・アート・まち

 


昼下がりの美術館 光島貴之

地下ホームから乗った電車はいつの間にか地上に出ている。
ホームに降りると、緑の匂いが漂ってきた。
待ち合わせた人の腕はひんやりとしている。

坂道を昇っていくと、ウグイスも泣いている。風も気持ちいい。
砂利道にさしかかると、水の流れる音が涼しげだ。

地下深く降りていく階段。
ひんやりした空気。
だんだん人の話し声が反響し始める。
ああ、イヤな感じだ! 自分の居場所が不安になってくる。
しかし、もう少し降りると、床が絨毯になっていた。反響は静まった。
シーンとした美術館らしい空間が開ける。
握っている腕と僕の手のひらとの境目があいまいになっている。
僕の好きな作家の絵の前に進む。

「これは難しいなあ!」
といいながらひんやりした腕の持ち主がしゃべり始める。

背の高さほどの画面。
横幅は、70センチぐらい。上下にそれぞれ12のメモリが書いてある。
上のメモリの少し下に頭の輪郭のようなラインがある。
それに向かう矢印には、headと書いてある。
下の方のメモリに近いところのラインには、footと書いてある」
画面にはいろんな書き込みが英語で書かれている。
「boy」「flower」「mountain」……。

ことばは、空間を上がったり、下がったり、
僕の脳みそに着地できたのもあれば、
ふわふわと天井にへばり着いてしまったり、
白い杖の上を滑り落ちたのもあった。

そして、荒川修作の『セルフポートレイト』のイメージが
僕の頭の中でふくらんでいく。
絵と、僕とひんやりした腕の持ち主との位置関係がハッキリしてきて、
不安は消えていた。

帰り道、今聞いた絵をもう一度見たくなった。


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※解散ということになりますので、以後は「ミュージアム・アクセス・ビュー」の団体名で活動することはありません。今後もし「ミュージアム・アクセス・ビュー」の団体名で活動が行われることがあったとしても、その団体や活動は当団体とは一切関係のないものです。どうかその旨をご理解くださり、ご対応くださいますようお願いいたします。
2022年8月

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