またまた例のごとく、最近ふと目にとまったテレビCMである。

 

　マクド〇ルドのジャンクフードが年間で最もウマイ時期は8月31日までの2週間であるらしい。だとすると、これを書いている時点で既にあと5日を残すばかりとなった。

 

　ジャンクフードを食するにも、なんと旬〔しゅん〕の季節というものがあったのだ。年中変わらぬものと思い込んでいた自分の浅はかさが嘆かれる。どうりで、いつ行ってもウマイと思えなかったはずである。いままで私は、知らず知らずのうちにこの時期を逃してしまっていたのだった。うーむ、真の味わいを知らずに来たわが身の不幸ではある。

 

　モ〇バーガーのそれに比して、申し訳なさそうにちょこんと慎〔つつ〕ましく添えられている野菜類も、しっかりとプレスされてパンの間で全く存在主張していないペラペラの肉薄ハンバーグも、この旬の時期に食してこそ、いとおしく味わうことができるということだったのだ。

 

　わざわざCMで告知してくれてありがとうっ！

 

　しかし待てよ…。2週間と言えば1年365日中のわずか14日間である。ということは、この時期以外、つまり351日間は≪一番おいしい≫状態ではない商品が販売され、多くの人々の口に運ばれているということになる。こんなことがあっていいのだろうか、消費者諸君！

 

　それにしても、ベスト（＝≪一番おいしい≫）状態の商品を販売するのが14／365で、あれだけ店が繁盛しているとは、なんとも凄い商法である。

 

　そう言えば、≪おいしい一番麦汁だけで作りました≫と宣伝しているキ〇ンの≪一番し〇り≫も同じ作風だ。「ほかの商品にゃ二番麦汁使いまくってまっせ」と言外にほのめかしながら(?)、あれだけビールが売れているのだから…。ひょっとすると、こういうところに、我々素人には思いも及ばぬ商売の極意というものがあるのかも知れない。