山村暮鳥
「風は草木にささやいた」



  
 或る日の詩


 
草の葉つぱがゆれてゐる
 
その葉がかすかになびいてゐる
 
あらしが何処かを
 
いまとほる
 
いまとほるのか
 
ひつそりとした此のしづかさ
 とんぼ  とんぼ
蜻蛉、蜻蛉
 
此の指さきにきてとまれ