山村暮鳥
「雲」


 
 ある時


 
ほのぼのと
 
どこまで明るい海だらう
 
それでも溺れようとはせず
 
ちりり
 
ちりりり
 
ちどりはちどりで
 
まつぴるまを
 
鬼ごつこなんかしてゐる